カテゴリー別アーカイブ: 中小企業診断士 岡部眞明

電通強制調査で考える

後継者の学校パートナー、中小企業診断士の岡部眞明です。

女性新入社員の自殺に端を発した長時間労働問題で大手広告会社の「電通」に強制捜査が入りました。電通では、過去にも同様の過労死の事案があったそうで、厚生労働省は度々是正勧告を行っていたにもかかわらず、今回の事件があり、電通の本社だけでなく、関西・京都・中部の3か所の支社を対象として、厚生労働省の職員90人が投入する異例の規模での強制捜査となったと報道されています。

同じ日、社長は社員に対し、業務の分散化など働き方を変える必要があるとした上で、「直面する課題を共に克服しよう」と呼びかけたそうです。これに対して、電通の社員は「業務を見直さないで残業時間だけ厳しく(管理)するから、全部単純にサービス残業分(労働)時間が増えている。」「まず、労務管理をきちんとしてください。」と、批判的な発言をしているようです。

厚生労働省を含め、ここまでの関係者の意見や発言の前提は、労働者は自分の労働力を提供し、それを時間で評価して賃金という金銭をやり取りするという考え方が前提になっているように思われます。(これを、マルクスは、労働による人間の疎外と呼びました。)

また、働き方を変えるべきだという声もあがっています。いわく、「「サービス残業」をなくし、早く仕事を終えて家族とともに過ごす時間を大切にして自分らしい生き方をすべきだ。」と。

最もなお話で、反論の余地はありません。でも、ちょっと、この点について、経済学的に見てみましょう。

まず、家族とともに(恋人とでも)幸せな時間を過ごすには、少し多めのお金があるといいですよね。そのためには、仕事でできれば、多めの給料をもらえるといいですね。

そのためには、会社ができるだけ利益(≒粗利益、付加価値)があげる必要があります。

相当大雑把の議論になりますが、その源は

「資本量(=生産のための機械や工場など)+労働量(=労働者の数や労働時間)」①

といわれていました。

しかし、今日では、資本量と労働量に加えて、全要素生産性(TFP)が生産性を増す要素であることがわかっています。さらに、その内容について、アイディア、技術革新、労働の質などが挙げられています。

特に、豊富なアイディアや労働の質などは、陳腐化しにくく、持続的な成長をもたらすものといわれています。

今回の電通の場合は、残業を多くすることで労働量を増やし付加価値を得る一方、サービス残業という形でそれに見合う賃金を支払わずに、従業員ではなく会社に利益を留保していたことになります。

①で示した、資本量と労働量で生産性を考えると会社の利益(取り分)を多くするためには労働量に対する支払いを抑えた、会社の判断は、会社の利得を多くするという意味では妥当であるように見えます。

しかし、アイディアや労働の質についての配慮がなく、社員の自殺という最悪の結果を招いてしまったのです。

アイディアや労働の質といったものは、労働を「量」で測ったり、「時間」で評価する考え方とは別の発想から生まれるものではないでしょうか。それは、まったく人間的な営みから生まれるものであり、家族や恋人と過ごす時間と同様に私たちにとって大切なものであり、社会に貢献する重要な営みなのです。電通の社員の方が、会社に求めた「労務管理」は、単にサービス残業を減らすことではなく、社員一人ひとりが会社の業務を通じて社会に積極的にかかわることを意味していることを望みたいと思います。

特に、中小企業では、資本、労働について、質・量ともに十分に確保できない現実があることは、残念ながら否定できない現実があります。

アイディアや労働の質は、コストのかからない貴重な資産になるのではないでしょうか。

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「らりるれろのまほう」という本を読みました

後継者の学校パートナー、中小企業診断士の岡部眞明です。

「らりるれろのまほう」という本を読みました。20篇ほどの詩が収められている小さな詩集です。著者は、1992年生まれといいますから今年で24歳の溝呂木梨穂さんという女性です。

梨穂さんは、生後すぐに脳に酸素が行かないというトラブルで、脳に重度の障がいをおってしまい、体の自由と言葉を失ってしまいます。2012年5月20日まで。

この日国学院大学の柴田保之教授と出会います。教授は、重度・重傷障がい児の教育について研究しているそうです。この先生(の通訳?)を通して、彼女の中にある言葉が文字になりました。

彼女の詩を、ほんの一部だけ紹介します。

 

人間として生まれて生きて来たけれど

私は誰にも振り返られることもなく

理想だけを糧にして生きてきた

夜の暗闇の中でも

人間としての理想は決して捨てずに

ただ未来だけを信じて生きてきた・・・

(「緑の声と光」より抜粋)

 

理想の未来に向かって

私はこの場所をそろそろ旅立つ日が来ようだ

しかし私は決して忘れないこの暗闇の世界を・・・

(「暗闇の世界から」より抜粋)

 

彼女が、20数年間紡いできた言葉とその世界は、あくまで透徹して力強い。彼女のような重度の障がいを持つ人たちの中にこんな世界があるなんて、恥ずかしいことだけれど今まで気が付きませんでした。

普通に考えれば、当たり前のことなんです、同じように感じ考えていることは。むしろ、耳と目と頭(心)だけで他者との関係を構築しなければならない彼女にとって、内面世界が研ぎ澄まされていくことも。

今回、彼女の本を知り、彼女の世界を垣間見ることができて、「世の中もまんざら捨てたもんじゃないなぁ」と、何故か気分がよくなりました。

差別するつもりなどまったくないのですが、気の毒な人という障がいを持つ人に対する先入観が私の世界も狭めていたのです。

私たちの思考のプロセスは、一定の考え方や習慣を前提になりがちです。それらが先入観となって時として誤った判断をもたらすことになります。思考プロセスを先入観から解き放ちゼロベースで考えることの大切さに、この本を読んで学ぶことができました。

また、コミュニケーションとは、人の内面を引き出す大きな力であることを改めて確認することもできました。

梨穂さんの現在は、小さいころからお母さんの愛情をいっぱい受けて来たからであることは、もちろんです。梨穂さんがお母さんと柴田先生の支えを受けて、これからも素晴らしい詩を作り続けてほしいと思います。また、もっと多くの梨穂さんにも。

そうすれば、世の中もっとまんざら捨てたもんじゃなくなるかもしれません。

愛情をいっぱい受けるといえば、事業承継においても「先代の愛情をいっぱい受けた」大切な従業員を引き継いでいくわけですから、この詩を噛み締めて「明るみ」に向かっていかなければなりませんね。

(出典「こころの詩集 らりるれろのまほう」溝呂木梨穂(ダーツ出版))

台風10号の被災地でのボランティア活動への誘い

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

台風10号の直撃を受けてひと月経過しようとしている岩手県の被災地にボランティア活動に行ってきました。

きっかけは、ある岩手県議会議員から打ち合わせの相手に入った電話でした。「ボランティアが不足している。特に、平日が・・・。」

幸い?仕事があまり混んでいなかった9月28日と29日、人的被害のいちばん多かった岩泉町と市街地が冠水した久慈市で活動しました。

前日の27日深夜に文部科学省の方の参加も得て東京を出発、29日深夜に帰る強行軍でしたが、現地の被災した方々にお話を聞いたり、久慈市長、岩泉町長とも面会させていただくことができました。

作業は、家の中や敷地内の泥の掻きだしが主なものでしたが、ご存じのように天候が不順な日が続いた今年ということもあったのでしょうか、被災ひと月が経とうとしている泥は、まさに泥炭のような状態で厚く縁の下や家の周りに積もっていました。

岩泉町では農家での作業、久慈市では体の不自由な息子さんを持つおばあさんの家の周りの泥だしでした。岩泉町では、田んぼが川原のように小石で覆われてしまっていましたし、いたるところで車がひっくり返っていました。もちろん、盛岡市や隣の久慈市とをつなぐ道路や橋は復旧工事のために工事中のところが何か所もありました。

久慈市市内では、ひと月たった今でも各戸で泥だし作業に追われていました。早朝のボランティアセンターに私たちを訪ねてくれた伊達町長は、20名の死者がでたうえに、いまだに行方不明者もいて、家のなくなった方が300世帯に上る惨状に打ちひしがれているようにも見えました。70億円にも上る被害を受けた久慈市の遠藤市長は、国や県をはじめとする関係各方面への支援要請に飛び回っている様子で、被害の状況を丁寧に説明してくれました。

雨が運んだ土砂は厚く積もっており、さらに縁の下など狭いところから掘り出す作業はとても被災された個人の家で処理しきれるものではありません、だからこそひと月という時間が経過した今も、復旧作業が行われているのでしょう。

「水は、胸まで来たんだよ。ほれほれ、ここまで泥の跡がついているでしょう。」「冷蔵庫もテレビもみんなダメになっちゃったんだ。」「ケルヒャー。泥の中から救い出したんだよ。長靴の泥落してってくれよ。」「初めてのことで、びっくりしちゃったよ。」作業をしながらのからっとした会話に、皆さんの強さや優しさを、そして、無念さを感じることができました。作業終了後の私たちのバスに何度も頭を下げるおばあさんに、まだまだ続く被災地のつらい現実も感じました。

支援要請に走り回ってる遠藤市長も早朝から町内で陣頭指揮を執っていた伊達町長からも、復旧への並々ならぬ意思があふれて見えました。

現場でしか感じ取ることができない現実というものは、もちろんあるのですが。現地でしか感じられないことは、つらい状況におかれた人の思いや人の真実なのだと思います。

ボランティアでわかることは、実は多いのです。ほんのちょっとの活動で、人のことが勉強できる、実は貴重な機会であったりします。まだまだ、需要はあります。出かけてみてはいかがでしょう。高速道路の無料措置もあります。(手続きは少し面倒ですが)

農家に迷い込んだ野良ネコ「ネコ助」も人懐っこかったし、ホテルで飲んだ地酒もおいしかったなぁ。

気づきという点では「後継者の学校ベーシックコース」はまさに「気づき」のコースです。

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USオープンテニスがきっかけで考えたこと

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

今回は、音楽とスポーツのお話です。先日、錦織圭選手が、世界ランキング2位のアンディ・マレー選手を破り2年ぶりのベスト4進出を果たしました。準決勝では、ランキング3位のスタン・ワウリンカ選手には、残念ながら破れましたが久しぶりの本領発揮です。

マレー選手との準々決勝は、互いに相手のサービスゲームをブレイクし合う展開で、見ている方も緊張してしまうような、正に手に汗握る展開となりました。試合後のインタビューで、試合を振り返った錦織選手は「ブレイクされたときは、内心とても落ち込みました。

でも、反省は試合後にすることにして、今できることをやろうと思い直しました。」と言っています。USオープンの決勝が、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手を破ったワウリンカ選手の優勝に終わり、少しだけ悔しい思いになっていたころ、今度は、ハンガリーからうれしいニュースが入ってきました。

フランツ・リスト国際ピアノコンクールで、阪田知樹さんが見事優勝したのです。阪田さんのコメントです。「フランツ・リスト国際ピアノコンクールで優勝できて感無量です。リストの故郷であるハンガリーで認めて頂けたことは、大きな喜びです。これからも、精進して音楽家として成長していきたいです。」錦織選手は26歳、阪田さんは22歳です。

どちらも、子供の頃から錦織選手はテニス、阪田さんはピアノに取り組んで、現在に至っています。錦織選手は、ピンチに自分の気持ちを奮い立たせ勝利を手にし、阪田さんは、勝ってもおごることなく更なる成長を誓っています。テニスとピアノ両者に共通するもの、(スポーツと音楽といってもいいかと思いますが)それは、できる人とできない人の圧倒的な、悲しいくらいの差です。

テニスは、ゲームですから、必ず勝者と敗者があります。勝つためには、強くならなければなりません。強くなるためにしなければならないことは山のようにあり、それを学び、自分自身で理解して、実行していくことが必要です。ピアノも美しい感動を与える演奏をするための技術を手に入れるには、同じように多くの努力と時間が必要となります。

そんな努力が結果に結びつくためには、自分と目標との差を的確に認識する冷静さと熱い心が必要です。この二人が今回得た成果は、もちろん、今までの努力の成果ですが、錦織選手の自分の心をコントロールする力、阪田さんの向上心、子供の頃から日々の練習で積み重ね努力することそのものが、二人にもたらした大きな成果なのではないでしょうか。

スポーツも音楽も私たちには、余暇に行うものですが、それでもうまい人と自分の差は、点数や声、楽器の音で歴然です。そして、その差を埋めるためには、自分の力量を知り、上達する方法を学ばなければなりません。負けたからと言って、怒ったり、泣いたりしても何も解決しないのです。私も、泳いだり、走ったりしますが、私にとってこの時間は、貴重な気分転換だけではなく、ちょっとだけの向上心を体験できる時間でもあります。

会社の業績向上には、現状の分析と課題の認識、そして目標の設定と行動が必要です。

冷静な判断と向上心、冷静で熱い心を、錦織選手や阪田さんから学び、実践するには余暇の時間も実は大切な時間です。

スポーツや音楽で、冷静に自分を見つめる目と向上心を手に入れましょう。世界一になることは必要ありません(もちろんなってもいいんです。)少しずつ、心を刺激することです。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

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オリンピック選手にみるモチベーション

souzoku

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

リオデジャネイロオリンピックが終わりました。閉会式の日本のプラグラムは本当に素晴らしく、日本という国の伝統とセンス、サブカルチャーの魅力を如何なく示すものでした。

メダル獲得数も41個と過去最高となりました。もちろん、メダルを獲得できなかった人も含めてこの大きなスポーツ大会に参加したすべての選手の頑張りは無条件に賞賛されるべきもので、その一人ひとりにもたらされた結果に価値の差はありません。

そして、この大会に臨むにあたって、「地獄のような練習」(シンクロナイズド・スイミングチーム)を耐えてきた選手たちのモチベーションの高さは並大抵のものではなかったと思います。

この高い並外れたモチベーションの根源はどこにあったのでしょうか。

試合後の選手のコメントやエピソードから類推することにしましょう。

女子レスリング吉田沙保里選手は、4連覇を逃した後「気持ちで負けてしまった。ずっと恐怖で、重圧はすごくあった」と、霊長類最強女子といわれるくらい強い自分が負ける恐怖を語っています。また、女子200メートル平泳ぎ金籐理絵選手は、前回ロンドンオリンピックの代表選考にまけた悔しさを克服し、「どんな結末になっても今回が最後」と臨んだリオで金メダルに輝きました。

男子水泳で金銀銅のメダルを獲得した萩野公介選手は、去年の骨折で出場できなかった世界選手権でのライバル瀬戸大也選手の活躍を見て「俺は何をやっているんだ」と発奮したといいます。

吉田選手は、負けるという恐怖心から逃れることがトレーニングのモチベーションとなったといえますし、金籐選手は、ロンドンオリンピック選考会落選の悔しさから、萩野選手はライバルの活躍が発奮材料になったのです。

モチベーションが高い人といえば、いつも前向きで元気いっぱいの太陽のような、わが千葉県知事森田健作さんの若い時の(もちろん役の上ですが)のような人をイメージする人が多いかもしれませんが、あんがい、人のやる気って、マイナスの感情から生まれる場合も多いのではないでしょうか。

もちろん、(役の上の)森田健作さんのような人は、何に対しても前向きで、少々の失敗は気にせずに仕事をこなしてくれるでしょう。一方で、失敗することが怖くて、用意周到に仕事に備える人は、堅実に仕事をしてくれます。

森田健作さんと吉田選手たちの共通点は何でしょうか。失敗をしても気にしない人と失敗を恐れる人のモチベーションを考えるうえでの共通点は何でしょうか。それは、前を向いていることだと思います。一方は、成功するという確信に向かって、もう片方は、失敗して悲しむ後ろ向きの自分に背を向けて。

会社組織には、いろいろな人がいます。違った人かいるから組織の力になります。その人毎にモチベーションの形は千差万別です。そして、会社で起こる出来事も、人間関係も千差万別。

そんな人や組織、出来事をまとめ上げるリーダーシップも決まった形はありません。

常に動いている会社をまとめる経営という仕事も、喜んだり、悔しがったりモチベーションを刺激してくれる仕事ですね。

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

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ひとは違って当たり前

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

神奈川県の障碍者施設で元職員が入所者を大量に殺傷するという大きな事件が発生しました。「障がい者の未来とは、いったい何だ。」「障がい者を抱える家族は不幸だ。」事件後、報道が伝える犯人の言葉です。確かに、「私は、常に社会的的弱者の見方です。」と声高に叫んでいれば答えがでるというような単純な問題ではありません。「人として生きる」ということの本質にかかってくる大きな問題だと思います。

私は、学生運動に挫折して精神病院でアルバイトをしていた時期がありました。若くて体力があると思われたのか、患者さんの状態が大きく悪化したとき、薬物中毒の禁断状態のときなどに収容する病室や今でいう認知症が悪化した方の病室を担当していました。

当時は、いろいろな原因で、知的な発達が遅れた患者さんもいました。確かに、この人はこの先生きていてどうなるのだろうか、とか、たまに見舞いに来られるご両親の苦労を考えることもあった一方で、こちらの言うことを理解してくれないいらだちも感じたことを思い出します。
5年以上前に、近所の公民館でみた映画のお話をしたいと思います。内容はほとんど忘れてしまったのですが、かすかに残っていた記憶をネット検索で補強したその映画を紹介します。その映画は「1/4の奇跡」。主人公は「かっこちゃん」という養護学校の先生です。そして、もう一人の主人公は、多発性硬化症という難病の「雪絵ちゃん」。映画のタイトルになったのは、かっこちゃんが雪絵ちゃんに話したうれしくなるお話です。

そのお話の内容はこのようなものです。

マラリアは致死率が高い病気です。アフリカでマラリアが大流行したことがあったそうです。ある村では、多く人がマラリアにかかり絶滅の危機に瀕します。しかし、中にマラリアにかからない人がいたそうです。何故か?答えは、遺伝子にあったのです。

「赤血球」といえば、丸くて平べったい形を穴の開いていないドーナッツ形を思い出しますが、このマラリアにかからない人たちは鍵型をした赤血球(鎌状赤血球)をつくる遺伝子を持っていたというのです。
鎌状赤血球つくる遺伝子はマラリアに対する耐性を持つことが分かったのです。

しかし、この遺伝子は鎌状赤血球貧血症という、ときには死に至る重い障がいをもたらすことがあります。そして、その確率が1/4だそうです。しかし、この遺伝子がなければ、その村はマラリアで絶滅していたかもしれません。障がいを引き受けてくれた1/4の人が繋いだ遺伝子が、残りの3/4の人をマラリアから守り、障がいの発症からも守ってくれたというわけです。

雪絵ちゃんは、この話を聞いて「こんないい話を、私たちだけが知っているのはもったいない。障がいを持つ人も、そうでない人もみんな必要とされているんだ、科学的にも証明されているんだということをみんなに話してほしい。」とかっこちゃんに頼みます。

雪絵ちゃんは残念ながらなくなってしましますが、雪絵ちゃんとの約束を果たすために、鎌状赤血球や障がいのはなしをする活動を頑張っています。
雪絵ちゃんは、「みんなが違って大切な存在なんだということを、世界中の人が当たり前に知っている世の中にして」と頼んでいます。

・・・
そうですよね。みんなが違っている。障害のある人は障がいのない人とは違っているし、男の人と女の人も違っています。私はあなたではないし、彼と彼女も違っています。当たり前。そして、違った人同士が、怒り、泣き、笑い、嫉妬し、時には喧嘩してそれでも生きていく、そのこと自体に意義があり、人生の深みや社会のつながりが生まれてくるのではないでしょうか。
会社も小さな社会です。互いが違いを理解し合う(喧嘩もできるくらい)組織ができると強く気づきのある会社ができるのではないでしょうか。

後継者は経営者とは違う個性を持っています。
従業員もまた、違う個性を持っています。

たくさんの個性の集まりが会社とするならば、
あなたはこの事件から何を学びますか?

後継者の学校では見学も随時受け付けています。

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イギリスの国民投票から考えたこと

後継者の学校パートナー、中小企業診断士の岡部眞明です。

6月23日に行われたイギリスの国民投票の結果に世界は揺れています。EU離脱か残留かを問われた投票に出したイギリス国民の答えは、「離脱」でした。

この選択が明らかになった途端に、各国の株価は大きく値下がりし、ポンドやユーロだけでなくドルも値下がりというより、比較的安全な通貨といわれる円に資金が集まり、円高も一気に進みました。世界経済に与える影響は大きく、また、長引きそうです。当のイギリスでは、再投票を求めるネット署名が300万件以上になったそうで、残留派指導者の責任論が噴出したり、主張が現実化した離脱派の方は早くも公約を修正に走るなど、イギリスの混乱は続きます。

得票結果は、離脱が1,741万票(51.9%)、残留が1,614万票(48.1%)と127万票(3.8%)とほぼ拮抗しています。評価によっては引き分けともいえるイギリス国民が下した判断をきっかけに、イギリス国内が混乱するのは仕方がないとしても、EUはもちろん世界経済に甚大な影響を及ぼすことになってしまいました。

離脱の理由は、大英帝国のプライド、移民問題、治安問題などいろいろあると思いますが、一方で、残留する場合に得られるメリットも大きく、イギリスの混乱も、投票の時には考慮しなかった問題に改めて気づいたことによるのではないでしょうか。この結果から私たちは何を学ぶべきなのでしょうか。私たちは、よく間違うということだと思います。

ですから、世の中のことを総合的に判断できる人を選挙で選び、選ばれた人に国や地方の運営をお願いする間接民主主義という仕組みに意味があるわけです。

国民投票という民主的な手段で国の選ぶべき政策を決めることは悪いことではないと思いますが、ソクラテスへの死刑求刑やローマの「パンとサーカス」に象徴されるように、ギリシャ、ローマの昔から大衆(=私たち)はしばしば愚かな側面を表してしまうということを知っておくことは必要なのではないでしょうか。

グループシンクという言葉があります。集団極性化現象ともいわれ、集団行動後に現れる集団の反応の平均が個人の反応の平均より極端に表れることとされますが、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といった方がわかり易いでしょうか。集団による意思決定が正常に機能しない現象をいいます。

フォルクスワーゲンに始まり、外国のお話と思っていた企業の不祥事は、三菱自動車、マンションの基礎杭、東芝の粉飾決算などなど、もういちいちコメントする気にもならないくらいに次々起こる事件も、このグループシンクが正常な判断を阻害した結果と言えると思います。

このグループシンクは、組織の凝集性の高い、結束力の強い組織に起こりやすいといわれています。凝集性の強いことは、目標に向かう力が強いわけですから組織の効率としては良いことではあります。

しかし、組織の構成員の行動は、残念ながらしばしば間違うという事実をリーダーは予定した組織運営を行わなければなりません。キャメロン首相の失敗は、ある意味民主主義の基本概念である、大衆行動へ指導者の対応だったのではないでしょうか。

民主主義の発展と教育制度の充実が期を一にしたように、リーダーは、自らが考え行動できる人、すなわち組織の凝集性に引きずられることのない人が育つような組織、学習する組織を作ることも大きな責任です。

「凝集性が強く、そして組織の凝集性にとらわれない人がいる組織」この論理矛盾を目指すなんて、なんか楽しそうではありませんか。

モヤモヤした方もスッキリした方も
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組織について

後継者の学校パートナー、中小企業診断士の岡部眞明です。

今回は組織について考えてみます。

理化学研究所(「理研」)の研究チームが合成に成功した元素の名前の案が発表され、その名「ニホニウム」が世界的に認証される手続きに入りました。

これはもちろん日本で、(アジアでも)はじめての快挙です。

未知の元素「ニホニウム」(原子番号113番)の合成(自然界にない元素なので)には、理研のRIビームファクトリーという原子や電子を光の速さ近くまで加速する加速器と呼ばれる装置が使われました。この実験は、亜鉛(原子番号30)とビスマス(原子番号83)を衝突・合体させてつくるそうですが、その確率がなんと100兆分の1という想像もできない低確率です。2003年9月に開始された実験が成功したのは9年後の2012年8月だとのこと、このほとんど成功確率「0」の実験を続け今回の快挙を成し遂げた、森田浩介チームリーダーはじめ皆さんの努力、知力そしてあきらめない意志力、高い使命感は賞賛しきれるものではありません。

「ニホニウム」の合成は、森田チームリーダー率いる超重元素研究グループによる研究の成果ですが、RIビームファクトリーという装置の開発は、1998年から始まっています。

開発当初の加速器は、研究者の方々の手造りといっていいくらいで、予算も多くはなく、装置を納める建屋も中学校の体育館程度でした。このような成果を収めるようになっても、隣りあった野球グラウンド(ここで試合をした経験があります。私事ですが…)をつぶして建設したもので、近隣は住宅地という、この手の装置の敷地としては大変狭いものです。。

予算や立地の制約をクリアして、コンパクトで安全性や性能を十分にクリアする設備で世界的な成果を出す組織の力を維持し続けることは何故可能なのでしょうか。

今回は、あえて人ではなく組織に焦点を当ててみます。

人間は社会的動物といわれます。私たちは、すべて何かの組織に属していますし、私たちの周りには、そこらじゅうに組織があります。私たちが暮らす現代社会は、知識や技術が高度化して、人間や組織などの関係も複雑さを増しています。そのような中で、ひとは何かの組織に属さなければ生きていけません。では生きていくために属する組織を選ぶ基準はどうでしょうか?

組織が成立つためには、構成する人が同じ目的を持っていること(=共通目的)、その組織目的を達成するために積極的に働こうとする意欲があること(=貢献意欲)、さらに、構成員の間で目的達成のため十分な意思疎通が図られていること(=コミュニケーション)が必要であるとされます。

そして、組織の構成員は、自分が組織のために働く貢献度合いより組織に属していることで得られる満足の方が大きい場合にその組織に属することになるといわれます(貢献≦誘因)。

組織は構成員の貢献によって成り立ちますが、その貢献より大きな魅力がなければ構成員を確保できないというジレンマを抱え続けているのです。このジレンマを克服するためには、組織構成員の貢献を足して、1+1>2の成果を出す構造をもち続けることが宿命なのです。

超元素研究グループの理研所属の研究員の方は十人程度ですが、その他に大学からの研究者、学生、外国人研究員など多くの方が、チームの一員として参加しています。これらの方々の貢献によって、今回の快挙があります。これらの方々は、理研からあるいはこの研究から十分なお給料をいただいているわけではなくチームに参加しています。それは、科学の進歩への貢献、自分の研究者としてのキャリアなどそれぞれの人により、このチームから受ける誘因は違っていると思いますが、個人としての貢献≦誘因の判断はそれぞれです。(狭い立地に安全性を高めた施設は、交通の便の良さという誘因を生みました。)

ここで、この十数行に登場しなかった組織成立の要件、コミュニケーションが登場します。

貢献の足し算を1+1>2にするには、コミュニケーションが有効に作用します。その要がはやはりリーダーシップなのです。

組織の誘因を高めるリーダーの手腕と相まって組織が有効に機能するのです。

森田チームリーダーの誠実な人柄からも納得できる組織論だと思います。

税金と国家経済の話

後継者の学校パートナー、中小企業診断士の岡部眞明です。

先日、安倍総理が消費税の10%への増税時期を平成31年10月までの再延期を発表しました。

今回の措置には、「財政再建が難しくなるのでは」とか「デフレ脱却のために増税はしない方が良い」など、賛成、反対の意見が多くでました。

今回は、税金と経済について考えてみます。

私たちの経済活動の大きさを量るときよく使うのは、国民総生産(GNP)があります。GNPはとは、私たちの経済活動で創り出された価値の合計のことです。

式で表すと、

Y=C+I+G+MX・・・①

(Y:国民総生産、C:消費、I:投資、G:政府支出、MX:貿易)

となります。

これは、国民総生産をその需要の面からみたもので、国民総生産は、支出と投資、政府の支出、貿易の大きさに左右されることを表しています。

さらに、私たちにかかわる消費をもう少し詳しく見ると、

C=C0+C1(Y-T)・・・②

(C0:基礎消費、C1:限界消費性向(0<C1<1)、T:税)

私たちは、一般的に収入が多い方がたくさん消費すると考えられますが、基礎消費とは収入に関係なく生きていくためにどうしても必要となる支出のことです。また、限界消費性向とは所得が「1」増えたときに、そのうち消費にまわす割合のことです。

ということで、この式は、私たちの消費のための支出は、基礎消費と、所得から税金を引いたものに、限界消費性向を掛けたものとなるということを表します。

両方の式を合わせると、

Y= C0+C1(Y-T) +I+G+EX-IM

となりますが、Yが両方にありますので、これをまとめると

(1-C1)Y= C0-C1T+I+G+MX

1

となります。

ここで、税金を⊿Tだけ挙げて、それを政府が⊿Gだけ使う場合に(他の投資(I)と貿易(MX)は変わらないと仮定します。)に変化する国民総生産を⊿Yとすると、基礎消費(C0)は変わらないはずですから、③の式は

4  

となります。

ここで、限界消費性向(C1)が0.5のとき、減税(増税)を100した場合、国民総生産(⊿Y)の値は、100だけ増加(減少)させることができます。

5

 

 同様に、政府支出を100だけ行った場合は、

6

これは、減税よりも予算を使った財政出動の方が、国民総生産に与える影響が大きい、つまり景気刺激効果があるということを表しています。これが、国が不景気になると補正予算で景気をあげようとする理由です。

勿論、経済はこんな式だけで割り切れる単純なものではありませんし、財政赤字の問題もあります。この話の過程でも、限界消費性向が他の要素に影響を与えることは③の式から明らかです。

頭の整理になったでしょうか?

いずれにしろ、安倍総理の判断が正しいことを祈るばかりです。

モヤモヤした方もスッキリした方も
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詳しくは下記ホームページよりご覧ください。

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与えられた立場と持っているチカラ

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

今回は自慢話です。

私たちの後継者の学校と提携関係にある「軍師アカデミー」という団体のある会員の方、Tさんのお話です。

彼女は、今回地震見舞われた熊本県にあるトラックの荷台部分を製作する会社の社長の娘さんです。弟さんが次期社長として役員をなさっていますが、ほぼ、現社長であるお父様のトップダウンで物事が決まっています。

弟さんも、他社へ修行に行ったりして、業界や会社のことを一生懸命勉強していますが、どうしても、お父様の存在が大きく悪戦苦闘する日々が続きます。

社員の皆さんも、社長の指示待ちで、仕事に対しても消極的であったようです。

そんな中、Tさんは社長と弟さん、そして社員の間に立ち、社長の考えを弟さんに伝え、役員の考えを社員に伝え、社員の思いを社長や役員に伝える、いわゆるパイプ役、緩衝役を務めます。

しかし、会社の雰囲気はよくなりません。

そこで、Tさんは気づきます。「こんな風にしていること自体がみんなの積極性を奪っている。」

それから、社員の皆さんが積極的に仕事をしてもらうために、弟さんが次期社長として成長してもらうために、軍師アカデミーで学習したことを実践します。軍師として・・・、社長の娘として・・・、後継者の姉として・・・。

いろいろな取り組みをなさっていますが、私がここでする自慢話は2つです。

Tさんのなさったことその①・・・《お誕生日プレゼント》

それまで、社員の方のお誕生日には、退社時に粗品的なものをお渡しをしていたそうです。

それを朝礼の時に時間をずらし、全員の前で大々的に贈呈することにしました。お祝いの品は、Tさんが一所懸命選びます。そして、もちろんかわいらしいラッピングと女性らしい心づかいのメッセージを添えて・・・。

Tさんのなさったことその②・・・《ちょっと、いいことメモ》

社員の皆さんが、普段、仕事をしているなかでしている何気ない行動。そのちょっとした行動、「いいなぁ」と感じたことをノートにメモをします。そして、社員の方とお話しする機会があったとき、それ伝え、社員の方を褒めるようにしました。

「最近は、社内の掃除はもちろん、皆さんが積極的になって、会社が明るくなってきました。」と、Tさんは話します。

『「私は、社員の方がこの会社に入ってよかった。」家族の方や皆さんに「あの会社は、いい会社だよね。」といわれるようになりたいんです。』

そうおっしゃるTさんの決意は周りの人を包み込むような優しくも強いものを感じさせてくれました。

そのような仲間がいることが私の自慢です。

 

話は変わって、古事記のお話。

登場人物は、ご存じの「大国主命(オオクニヌシノミコト)」。

一生懸命、国造りに励みますが、「自分のやっていることが本当に皆のためになっているのか。」と不安になります。

そんなあるとき、「すくなさま」(=少名毘古那神(スクナビコナノカミ))を手伝って、国造りを行うことを命じられます。

大国主命はたくさんのよいことをしてきましたし、そのたびに「大国主命」のおかげですと感謝されてきました。

ところが、「すくなさま」は、名前のとおり小さな小さな、見えないくらい小さな神様でしたので、いっぱい良いことを施しても、みな自分たちでやったと結果とってしまいます。

けれど、大国主命は、すくなさまと一緒にした仕事に、みんなが本当に喜んでいるのを見て、本当に満足します。それまでの、不安な気持ちは吹っ飛んでしまいます。

 

この二つのお話、Tさんと大国主命。共通するところは、自分の与えられた立場とそのもっている力を正しく認識し信じること、また、その力は自分に力ではなく、与えられた力であることに気づくことだと思います。

経営者は大きな力を持っていますが、その力は社員やお客様あってのこと。当たり前のことにきちんと気づきくことは、大国主命やTさんならずとも難しいことではないと思いますが、それを実践するまでには、さらに深い気づきが必要です。

今回は、自慢話から始まりましたが、日本人に昔からある心と経営を考えてみました。

 

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