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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その4)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

株式会社は、「所有」と「経営」が分離しているという言葉を耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何やらとっつきにくい話になってきそうですか?

内容はいたって簡単です。

少しお付き合い下さい。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

株式会社は、「所有」と「経営」が分かれているという言葉を聞いたことがありますか。

 

会社を所有している人、これが株主で、会社を経営している人が、役員。

 

会社の所有者である「株主」は、その社名や事業内容、そしてその会社を経営するのは誰にするかなど基本的、根本的なことを決定する権限を持っています。

その株主から、実際の会社の経営を任された人が「役員」である取締役。

 

しかし、たいていの中小企業は、特に創業社長は、ご自身が出資して会社をつくり、当然ご自身が経営をしているので、所有と経営の分離とか言われてもぴんとこないことが多いと思います。

 

法律的には、株主である自分が、自分自身を取締役として選び経営を任せているという構図になります。

 

社長が、日々経営判断を行い、時には事業内容を大きく変化させたりして会社を運営している。

ごくありふれた光景だと思います。

 

ですので、端から見ると社長が会社を所有しているというように思いますよね。

でも、本当にそうなのかどうかは見た目ではわかりません。

 

創業社長は所有者であり経営者であるかのような表現をしましたが、株式を全く所有していないということは無いかもしれませんが、全ての株式を所有しているとは限りません。

他にも株主がいる可能性は十分あります。

 

大きな枠での事業内容を決めたり、取締役を誰にするのかを決めたりできる会社の所有者である株主。

重要な存在ですよね。

 

これまで、後継者や後継者候補の方に対して、事業承継する会社や取引先の会社のことを知るために登記内容を確認してみて下さいと申し上げてきましたが、残念ながら株主が誰かということは登記内容にはなっていません。

 

では、株主が誰であるのか知る方法はあるのでしょうか。

 

この続きは、また次回にしたいと思います。

 

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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その2)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

会社の登記にはどんな役割があるのでしょうか。

例えば誰かがある会社と取引しようという場面を想像してください。

受け取った名刺に社長と書かれていても、本当にその人が代表者なのか、そもそもその会社は存在するのかなど、考えるとちょっと不安ですよね。

そのような不安を解消するには、まずは会社の登記を確認します。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

前回はどのようなことが登記されているのかをお話ししました。

さて、社会の中で会社の登記にはどんな役割があるのでしょうか。

 

一番の役割は、「取引の安全、円滑な取引」の手助けをするためと言われています。

 

例えば誰かがある会社と取引しようという場面を想像してください。

 

受け取った名刺に社長と書かれていても、本当にその人が代表者なのか、そもそもその会社は存在するのかなど、考えるとちょっと不安ですよね。

そのような不安を解消する手段として、会社の登記が存在するということです。

 

取引先の登記内容を確認するのは、信用情報を調査するときの基本です。

 

登記内容の確認は、誰でも、登記所(法務局)で登記事項証明書というものを取得すればできます。

郵便で取り寄せることもできますし、証明書ではありませんが、内容を確認するだけならカード決済でネットで閲覧することもできます。

 

会社の登記は、人でいうところの戸籍や住民票のようなものであり、また会社の存在を証明する唯一のものと言っても良いでしょう。

それが誰かというのは別にして、人なら目の前に居ますから存在を疑う余地はありませんが、会社は目に見えませんからその存在を証明するものは誰でも取得できるようになっているのです。

 

その会社が存在し、どのような事業を行い、誰が代表者なのかなど、登記を確認すると知ることができる。これが「取引の安全、円滑な取引」を手助けする役割ということです。

 

そのためには登記内容が常に最新のものでなければなりません。

正確な情報を保つため会社の登記には、内容に変更があったり、新たな登記すべき事柄がでてきたら2週間以内に申請しないといけないというルールがあります。

これを守らなかったら会社の代表者に過料、わかりよい表現をすれば罰金がかかるとまでなっているのですができていないことも多いです。

 

特に代表者の住所変更なんてのは忘れがちです。

運転免許証の書き換えや口座のある銀行など、色々手続きはされていると思うのですが、会社の登記まではなかなか思いつかないようです。

私どもにご依頼のあったときには、変更があってからかなりの日数、場合によっては1年以上経っていましたなんてことも少なくありません。

 

また詳しくお話しする予定ですが、役員変更登記なんかを怠っているなんていうのはかなり良くない状態だと思いませんか。

「私どもの会社はこういう内容です」と公開しているものであり、唯一の証明である登記が、古いままで手入れしていないというのは相手にどのような印象を与えるのか想像してみて下さい。

 

前回の繰り返しになりますが、是非一度、後継者や後継者候補の方は、ご自身が継ぐまたは継ぐ予定の会社の登記事項証明書を入手して、内容を確認するようにしてください。

古い登記内容のままになっていませんか。

 

 

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