経験も浅く、まだ未熟な後継者が、既にある組織にリーダーとして入っていくには、
いろいろとご苦労があるでしょう。けれど、創業者とも先代経営者とも違う、
後継者だからこその、組織活力を高めるリーダーシップがあります。
こんにちは。後継者の学校パートナーの笠井智美です。
今日は、エグゼクティブコーチとして、
後継者のリーダーシップについてお話します。
(笠井については、こちらから→http://tomomilog.seesaa.net/)
経済が右肩上がりの成長を遂げた20世紀は、いい学校、いい会社にはいれば、
年功序列の終身雇用でお給料も右肩上がり。
創業者や先代経営者の時代は、
大量生産、大量消費で、モノを作れば売れ、がんばれば結果が出る。
先進国の後を追っていれば成功するというような、
ある意味、答えのある時代でした。
そんな時代は、引っ張るタイプのリーダーで、結果は出ていました。
しかし21世紀は、何が起こるかわからない、
何が起こっても不思議ではない、
答えも成功のセオリーも無い、混沌とした時代です。
インターネット上では様々な情報が行き来し、
企業を取り巻く環境の変化は、どんどんスピードを増していきます。
経済社会では、商品やノウハウだけでなく、
毎日のように海外資本も行き来します。
そんな多様な世の中では、リーダーが全てを掌握することは、
殆ど不可能です。
リーダーが引っ張っていくこということは、
「リーダーの限界が組織の限界」となる危険が伴います。
引っ張るリーダーが止まれば、引っ張られているだけの人たちは、
当然止まってしまいます。
「リーダーの限界が組織の限界」とならないために、
後継経営を担うリーダーに求められる能力は、
メンバーに“自ら力を発揮してもらう”能力です。
では、人はどんな時に力を発揮するのでしょうか?
自分より現場の経験もスキルもある従業員さんたちに、
先代より関係性も薄く、恩を感じているわけでもない後継者からの、
指示や命令や指図に、なかなか従ってもらえないことってありますよね。
トップダウンのやらされ感の中では、
従業員は余分に力を出してはくれません。
そればかりか、やる気がなくなり、不満もたまりやすくなります。
反発が増幅して、会社の風土が悪くなるかもしれません。
他人にやらされるのではなく、
「よし、やってやろう!」と自らひと肌脱ぐとき、
人は力を発揮します。
いたずらでも、ナンパでも、
自ら思いついた作戦を実行する時って、ワクワク感がありますよね。
事の大小関わらず、自分が決めた道を歩むときの、
内側から湧き上がる決意と覚悟と使命感。
そしてそれをやり遂げた時の達成感。
あなたにも、そんなご経験があるのではないでしょうか?
リーダーが独りで抱え込んでしまっては、
メンバーの出番は創れません。
リーダーから言われたことを、ただやるだけ。
上からの指示、命令、指図に、ただ従うだけ。
これでは、メンバーの自発性も創造性も育ちませんよね。
そして、リーダーの思いつく程度の結果しか出せないかもしれません。
メンバーそれぞれが進むべき方向性を共有し、目的を把握し、
それに基づいて自分で判断して行動できるように環境を創る。
目指すことのために、互いの役割を認識して力を発揮する組織に導く。
そんなサーバント型(奉仕型)のリーダーシップは、
既に会社や従業員がいる後継者の立場だからこそ、
やりやすいスタイルと言えるでしょう。
サーバント型のリーダーシップは、この混沌とした時代に、
リーダーの頭に収まる以上の“未来を実現する力”を引き出すことができます。
後継者は、まだ会社の色に染まっていないからこそ、
周りに触発を起こせる存在です。
後継者はカリスマ性もない、力も十分ではないからこそ、
周りの人にこれまで以上の力を発揮させ、
組織の活力を高めることが出来るのです。
何が起こるかわからない、
多様な価値観が溢れる答えの無い時代に必要なのは、
志のもと、人を活かして課題を解決していくリーダーシップです。
メンバーの出番を創るために、
従業員一人ひとりに、どんな特徴や能力があるのか?
何を大事に思っている人なのか?
その言動の背景をよく観てあげてください。(評価の目ではなくてね。)
どんな想いで今まで働いてきてくれたのか?
ぜひ、聴いてあげてください。(面談とかではなく、まずはさりげなくね。)
事業承継期における後継者のリーダーシップは、そこから始まります!
後継者の学校
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