カテゴリー別アーカイブ: 弁護士 佐藤祐介

相続の法的基本①

後継者の学校パートナーで弁護士の佐藤祐介です。

これまで「相続」に関する法的知識についてあまり取り上げてきませんでした。ですが,事業承継を行うための前提となりますので,改めてここで書いておきたいと思います。

1 はじめに

久しぶりの記事になります。

今回は,相続の法的知識に関する基本的なところを書いていきます。事業承継とは,必ずしも相続とはイコールではありませんが,とはいえ相続の話も避けては通れません。

そのため,これまで当然に相続の話が出てくることもありましたが,よく考えてみると,相続そのものの話をしたことはありませんでした。ネット上には相続や事業承継に関する色々な記事が存在しますが,中には,この記事が相続や事業承継に関するページとして初めてご覧になってくださっている方もいらっしゃるかもしれません。

なので,今回は,相続に関する記事を書くことにしました。

2 相続とは

相続とは,①亡くなられた方が②残した財産を,③残された方々が,④承継すること,をいいます。

①から④は説明の便宜で付けました。まず①について,これは言うまでもなく,亡くなられた方を指します。このような方を,「被相続人(ヒソウゾクニン)」といいます(これに対して,財産を承継する側を「相続人(ソウゾクニン)」といいます。)。

次に②について,相続の対象となる財産を「相続財産」と呼ばれます。これは,被相続人(おさらいすると,亡くなられた方のことです。)のプラスの財産のみならず,マイナスの財産も含まれます。なので,土地や預貯金等だけでなく,借金なんかも含まれることになります。

そして,このプラス財産の中に,株式の含まれることになるので,これが事業承継の際にポイントになってくるのです。

ちなみに株式がなぜプラスの財産として相続の対象になるのか,ご説明します。

たとえば,時価1000万円の土地を,あなたが100%所有している場合,あなたは,1000万円の価値を持っていると評価されます。

これを疑う人はいないと思いますが,その根拠は,土地を「所有」していることにありますが,株式も同じような発想をします。

つまり,株式とは,土地で言うところの「所有」を表しているので,あなたがA社の株式全て持っていることにより,A社の価値を全て所有していると同義になるのです。

そのため,株式がプラスの財産として見られるのです。なお,上記説明はかなりざっくりとしたものであることはご了承ください。

3 最後に

このように,亡くなられた方のプラスマイナスの財産を,③残された方々に,④承継していくことになるのですが,③④の点は次回にまた書いていきたいと思っています。

なお,後継者の学校では,今回私が書いた記事に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり不可欠な知識を分かりやすく学ぶことができます。

興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください。

 

Photo credit: Finn Frode (DK) via VisualHunt / CC BY-NC-SA

御社のそのマーク,登録されていますか?②

以前の書いた商標の記事に関して,その続きを書きました。商標って実際何のためにつけるのでしょうか。今回はその点について触れたいと思います。

 

以前に商標に関する記事を書きました。多少時間が空いてしまったので,以前の記事が気になる方はこちら をご覧ください。

御社のそのマーク,登録されていますか?①

前回の内容は,要するに,商標とはマークやブランドのことで,登録することにより法的に保護される,といったものでした。

今回は,商標にはどのような働きがあるのかという点について,お話したいと思います。

この働きとしてよく言われるのは,次のようなものです。具体例として,私の好きなビール「黒ラベル」を挙げて説明します。

まず,黒ラベルと聞くと,他のビール製品と区別することが出来ますし,サッポロが作ったものと判断できますよね。

また,黒ラベルと聞くと,その味が「いつも飲んでるあの味だな。」となって消費者に安心感を与えることができます。

それに,例えば缶ビールに「黒ラベル」と印字することで,その商品を覚えてもらいやすくなります(単なる製造番号だけや,何も書かれていない場合と比較してみてください。)。

以上が商標の働きですが,これを分かるように,消費者は,商品を買うとき,その商品のロゴ等を見て,買うか否かを決めていることが多いのです。そのため,ロゴ等の力に,他社がフリーライドすることを防ぐため,法的に保護する商標というものが存在するのです,

余談ですが,私が関わっている後継者の学校も商標登録をしています。これも,先程述べた商標の力を十分に得るためということになります。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた記事に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり不可欠な知識を分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください。

 

債務者の口座って知ってますか?

後継者の学校パートナで弁護士の佐藤祐介です。

債務者の口座情報は,強制執行をするうえで大切な情報です。今回,これに関するニュースを見ましたので,それを記事にしてみました。

 

久しぶりにブログの記事を,書かせていただきます。

前回は,商標についての記事を書き,以降続きを書こうと思っていたのですが,今回,気になるニュースを見つけたので,当初の予定を変更し,それを記事にしたいと思いました。

 

気になるニュースというのは,法務省が,債務者の預貯金口座を,裁判所を通じて特定できる新たな制度を導入する方針を固めたというものです。

 

上記を理解していただくために前提の説明をします。

債権者が債務者に対して,「お金を返せ」と訴えを起こし,裁判で勝ったとしても,債務者が任意にお金を支払わない場合,それだけでは債務者の財産(不動産や預貯金等)に食って掛かることはできません。

別途,「強制執行」という手続が必要なのです。そして,この強制執行の1つとして,預貯金の差押えというものがありますが,これは,債権者の方で,銀行名と支店を特定する必要がありました。

とはいえ,債務者の口座なんて知らないことも多く,これまで特定が出来ずに未回収に終わったケースも多くあるだろうと思います。

 

今回の上記ニュースはこれまでの不都合性を解消するものになると思われます。債権回収もしやすくなると思われ,経営者や後継者の方にとっても朗報といえますので,今回はこのタイムリーなニュースを記事にしてみました。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた記事に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり不可欠な知識を分かりやすく学ぶことができます。

興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください。

 

御社のそのマーク,登録されていますか?①

今回取り上げるテーマは商標です。

後継者が今後会社を経営し,自社のブランディングしていくという点からも,商標は必要な知識となるかもしれません。

そのような理由から,今回は,この商標について取り上げたいと思います。

 

後継者の学校パートナーで弁護士の佐藤祐介です。

今回のブログは,本のタイトルのようになってしまいましたが,取り上げるテーマは,商標です。

最近,仕事で商標を取り扱うことが多く,後継者の方も知識として知っていても損は無いと思い,記事に書いてみることにしました。そんな感じで,今回以降,何回かに分けて,この「商標」を扱っていきます。

 

商標と聞いて,言葉自体を聞いたことはある方は多いかもしれません。ただ,商標と聞いて,具体的にイメージできる方はあまり多くないと思います。

商標とは,ざっくり言うとマークやブランドです。そして,この商標は世の中に溢れています。

このブログと書いている私のパソコンの脇にはスマホが置いてありますが,そのスマホには「SONY」と書かれており,これも商標ですし,私が昨日飲んだ「アサヒスーパードライ」や今日外出の際に履いた「NIKE」のスニーカーに付いていたスウォッシュのロゴも商標です。

そして,この商標は,登録することにより,法的に保護されることになります。これが商標権です。

法的に保護されることによって,他社が,自分たちと同じ商標を使っていた場合,商標権侵害として,差し止めや損害賠償請求をすることが可能となります。

なお,この登録は特許庁に対して出願することになります。よく早口言葉で「東京特許許可局」というものがありますが,ここに出願する訳ではありません(そもそもこのような局もありません。)。

 

このように商標は登録することによって権利として保護されるのですが,なぜ,わざわざ登録する人が多いのでしょうか。それは商標にはいくつかの利点があるからなのですが・・・この先の話は次回ということにしたいと思います。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた記事に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり不可欠な知識を分かりやすく学ぶことができます。

興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください。

刑事弁護をやっていて感じること

弁護士業務の1つとして,刑事事件という分野があります。今回は,それを通して,日々の生活だけでなく,事業承継でも大切なことだと思いましたので,ブログの記事にしました。

後継者の学校パートナーで弁護士の佐藤祐介です。

今季,「99.9」というタイトルで,テレビドラマが放送されます。何でも刑事事件を専門的に取り扱う弁護士を題材にしているとか。私はあまりドラマを見ない派なのですが,これにはちょっと興味を惹かれています。

弁護士の仕事のジャンルは,おおまかに分けると,民事事件と刑事事件があり,この「99.9」は,後者,すなわち刑事事件にスポットを当てています。なお,民事事件は,お金を返して欲しいや離婚したいといったものであるのに対して,刑事事件は,犯罪を行ったとされる人をサポートするというものです。

 

さて,この刑事事件において,弁護士はどのような活動をするのかというと,必ずしも無罪を主張するというだけではありません。罪を犯したこと(例えば,駅で酔っ払って人を殴ってしまったり,万引きをしてしまったり,覚せい剤を使ってしまったり。)を前提に,刑罰を軽くして欲しいという主張をすることもあり,刑事事件においては,むしろこっちの方が多いです(いわゆる「情状弁護」といいます。)。

この情状弁護の具体的内容ですが,典型的な内容は,示談や証人の方にお願いをして裁判の際に証言台に立ってもらうことです。妻や親だけでなく,友人や就業先の上司等が罪を犯してしまった人の更生と社会復帰を信じて,全力で協力してくれるのです。そして,このような周囲の方々のサポートに触れ,罪を犯してしまった人は,初めて身近な方々の有り難さや優しさを実感する,といったことも珍しくありません。

 

このような業務を通じて感じることは,私もそうですが,普段身近にあるものの有り難さなどは,しっかり向き合う時間がなければ,なかなか感じにくいということです。

これは事業承継において,後継者の方が,自己や自社と向き合う際も同じではないかと思います。自己・自社がどんな立場でどんな環境にあるかを考えることは,事業承継をするか否かの意思決定をするにあたり大切なことですが,一朝一夕でできるものではありません。早すぎるということはありませんので,このような向きあう時間を意識的に作ると良いかと思います。

 

なお,後継者の学校では,後継者の方が自己や自社と向き合うためのお手伝いをさせていただいております。興味のある方は,お気軽にHPをご覧いただいたり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください。

経営者の決断力について

今日は経営者の意思決定について,私が聞いた話を踏まえ,お伝えしたいと思います。人が決断をするにあたり,それを誤らせる1つの要因として,サンクコストの問題があり,今回はそれに関するお話です。

 

今日は,後継者の方々が今後経営者となり,日々決断をするにあたって気をつけなければならないことを,私が聞いた話を踏まえ,書いてみたいと思います。その話とは次のような内容でした。ある会社の社長は,経営の悪化を打開しようと,アドバイザーを社内に迎え,投資をしてインバウンドビジネスに取り組みました。しかし,様々な要因も重なり,そのビジネスは成功せず・・・。現在その社長は資金繰りに窮し,破産をせざるを得ない状況にあるとのことです,

 

この社長は,周りからのアドバイスを聞くものの,自分にとって辛い選択肢を迫られるものについては,目をつぶってきたとのことでした。たとえば,インバウンドビジネスについても,手を引くタイミングがあったかもしれません。また,破産せずに,民事再生の道を模索することが出来たかもしれません。

 

経営者の方々は,それぞれの専門家にアドバイスを求めることは必要です。自分のブレインとして活用しなければならないと思います。ですが,そのアドバイスをもとに決断をするのは経営者自身です。

 

では,上記のケースで,社長の決断を妨げたのは何か?必ずしも1つだけではありませんが,例えば,サンクコストの問題があるかと思っています。これは,これまでのコスト(費用・時間・努力等)をもったいないと思い,それが回収できるまで頑張ろうとしてしまうというものです。合理的に考えればその時点で止めるべきなのですが,正常な意思決定を妨げてしまうのです。

 

このサンクコストの問題は,日常生活の中にも潜んでいます。当たりの出ないパチンコを続けることなどが典型でしょう。

後継者の方々に限った話ではありませんが,いざというときに決断できるために,何が私達の判断を誤らせるのかというものを客観的に把握しておくことも大切かもしれません。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!

実態に即した契約書の作成について

インターネット上では,様々な契約書の雛形を手に入れることができる。しかし,その内容は必ずしも実際の取引の内容を反映しているとは限らない。最近のニュースも参考にして,今回はその点を解説する。

 

第1 はじめに

最近,テレビのニュースでは覚せい剤がらみの事件が賑わっています。オーソドックスにいけば,以下に書くことは刑事手続の流れや刑事弁護についてということになるでしょう。でも,今回はタイトルのとおり,契約書がトピックとなります。

 

第2 雛形は万能か?

最近はインターネット上で契約書の雛形が簡単に手に入ります。場合によっては,雛形どおりの内容で足りるケースもあるかも知れません。ただ,雛形は典型的な取引を念頭に作成されていることが多く,それぞれの取引の実情を反映しているわけではないため,その点を注意する必要があります。

 

第3 冒頭の例を参考に

ここでやっと冒頭の例を使います。ニュースでは芸能人が逮捕されていますが,

これが会社の社長であった場合どうでしょうか。会社の意思決定をする社長が逮捕勾留されてしまっていては,取引が滞る可能性もあります。そのため,場合によっては契約を解除し,新たな取引先を探すといったことも検討しなければならないところですが,社長の逮捕と会社間の契約は本来無関係であるため,簡単に解除することはできません。そのため,社長がこうなった場合を想定して条項を入れていおくことに意味が出てきます。

以上はやや極端な例かもしれませんが,このように,取引の実情に即して条項を設けることで,いざという時のリスクヘッジに繋がるということになります。

 

第4 最後に

後継者の方の中には,会社を継ぐにあたり,これまで社内で使われてきた契約書の雛形を引き続き使用することもあるかもしれません。ですが,一度立ち止まって,契約書の内容が取引実態に即したものになっているか確認してみることも必要かもしれません。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!

許認可事業者の事業承継

後継者の学校パートナーで弁護士の佐藤祐介です。

事業承継をする際,意外と見落としがちなポイントがあります。それは,事業に対する許認可です。これを見落としてしまうと最悪の場合,事業承継を断念せざるを得ないことにもなりますので,注意する必要があります。

事業承継をするにあたっては,後継者の方が,自分自身と向き合ったり,継ぐべき会社と向き合ったりして継ぐ覚悟を持たなければならない。そして,後継者の方が主体的に事業承継に取り組んでいかなければならない。表現は違えど,後継者の学校のパートナーそれぞれが,各ブログで同趣旨の内容を書いてきたと思います。

ただ,上記覚悟だけでは超えられない壁があります。

少し大げさかもしれませんが,その壁の一つに許認可があります。意外に見落としがちなので,今回はこれをテーマにしたいと思います。

さて,特定の事業を営む際には,行政手続を経て許認可を受けなければならないことがあります。たとえば,私の実家は酒類販売業を営んでいますが,その場合,税務署長の免許が必要になります。

このような許認可は,その事業主体に対して与えられるものですので,原則として別の事業主体に承継されることはありません。もっとも,例外的に承継が認められることがありますので,その場合は法律に定められた手続きをすることで,承継をすることが可能です。そして,この手続は,各業種ごとに様々な違いがあるので,コストやスケジュールをしっかりと把握して対応していく必要があります。簡単な例をあげれば,個人事業主を前提としますが,建設業の場合は,相続によって単純に承継することは出来ないのに対し,旅館業は相続による承継が可能です。事業承継をしたものの,無許可等の期間が生じてしまい,取引ができなくなったということは避けたいですよね。

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!

事業承継とプライベート⑤〜男女トラブルの視点から〜

プライベート(特に男女トラブル)という切り口から,後継者の方に知っておいて欲しいポイントをお伝えします。このテーマの最後として,不倫を取り上げたいと思います。

 

第1 はじめに

後継者の学校パートナーの弁護士の佐藤祐介です。

「プライベート」(特に男女トラブル)という切り口で,お話しをしていますが,今回でいったんこのテーマの最終回としたいと思います。最終回のテーマは「不倫」についてです。この記事は,もともと企画していたものですが,期せずして芸能ニュースも賑わっており,タイムリーな感じになりました。

 

第2 不倫が会社経営に与える影響は?

私は,職業柄,不倫問題を取り扱うことが多いです。不倫というと,プライベートの問題と捉えがちですが,会社経営にも影響を与える可能性があります。なぜなら,不倫のケースとして,社内不倫,すなわち上司部下での不倫が多く見られるからです。

たとえば,後継者として,先代の会社の社員として勤務していたとしましょう。そこで,部下と不倫をしていた場合,後に「セクハラだ!」と言われてしまう可能性があります。そうなってしまうと,後継者としての立場を追われることもありえます。

また,経営者の立場でそうなった場合,社内のモラルや指揮の低下等は覚悟しなければならないかもしれません。

さらに,これは後継者・経営者共通の話ですが,不倫が原因で夫婦関係が悪化すれば,仕事へも影響を及ぼします。

 

第3 最後に

このように不倫というプライベートな問題であっても,経営に与える影響は大きいです。なので,軽い気持ちで踏み出した一歩が,(悪い意味で)大きな一歩になってしまうことを頭の片隅においていただければと思います。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。

興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

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事業承継とプライベート④〜男女トラブルの視点から〜

プライベート(特に男女トラブル)という切り口から,後継者の方に知っておいて欲しいポイントをお伝えします。前回に引き続き,離婚と経営に関するお話です。

第1 はじめに

後継者の学校パートナーの弁護士の佐藤祐介です。

「プライベート」(特に男女トラブル)という切り口で,後継者の方が会社を継ぐにあたって知っておくべき知識・視点等についてお話しをしていますが,今回もその続きです。なお,このお話は第2回目・第3回目のお話が前提となっていますので,そちらを確認されたい方は,次のリンクに飛んでください(第2回目第3回目 )。

 

第2 そもそも株とは?

前回,株が財産分与の対象となる場合,会社の経営にどう影響を及ぼしてくるのでしょうか,という問いかけで終わりました。

この問いに答えるためには,株とは何なのかをイメージしてもらう必要があります。これについては,後継者の学校の他のパートナーの方々も触れていると思いますので,詳しいことは省きますが,「株(正確には株式)を持つ」ということは,その会社を所有する(≒経営に口を出せる)ということを意味します。なので,後継者は,事業承継をするためには,株を持たないといけません。

 

第3 株が財産分与の対象になると?

もうお分かりだと思いますが,そんな大事な役割を果たす株が,財産分与の対象になったらどうでしょう?極端な例をあげれば,会社の株全100株を社長である元夫が持っていた場合,財産分与により,その半分を元妻に分けることになります。そうなると,社長は経営の意思決定を自由に行うことができません。

また,株を妻に与えることを防ぐために,その代わりとしてお金を渡すということも考えられますが,株価が高額になる可能性があり,その場合は経営者個人の手元から,多額のキャッシュがなくなることになります。

 

第4 最後に

このように離婚というプライベートな問題であっても,経営者や後継者となると,経営に関する問題も現れてきます。離婚を検討されるのであれば,単に男女の別れとしてだけでなく,上記の点についても頭に入れておかれると良いと思います。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!。