後継者のためのワンポイント労働法②〜懲戒処分〜

後継者の学校パートナーの佐藤祐介です。

事業承継をすれば,後継者は必ずと言っていいほど労務管理という場面に直面します。そこで,その労務管理をするにあたり深い関わりをもつ労働法について,ざっくりと解説します。今回のテーマは懲戒処分です。

第1 はじめに

後継者の学校パートナーの弁護士の佐藤祐介です。

今回は,労働法の「懲戒処分」について,ざっくりとお話させていただきます。前回に引き続き,まずは次のケースをご覧ください。なお,下記登場人物は株式会社後継者の学校とは関係ありません。念のため。

<ケース>

大川原さんは,後継車の高校という会社(もはや何の会社かわからなくなってしまいました・・・)の社長です。そんなある日,部下の児玉さんが,大川原さんのもとへやってきました。

児玉:社長!佐藤がまた社内でトラブルを起こしましたよ・・・さっき,始末書を書かせたところです。処分はどうしますか?

大川原:そうだなぁ・・・懲りないやつだから,給料を下げるのも止むを得ないかもなぁ・・・

第2 上記事例を見てどう思いましたか?

上記ケースのようなやり取りは,程度に差はあれ,よくある話かと思います。ですが,この事例において,大川原さんが懲戒処分として減給を行うことには問題があります。というか,問題ばかりです。

会社の秩序維持のため,懲戒権を行使するか否か,経営者として判断を迫られる場面もあります。できればそんな場面に直面しない方が良いですが,いざという時のために問題意識を知っておくことは,後に裁判で争われないためにも有意義です。

 

第3 上記事例の問題点は?

さて,それでは上記事例の問題点をざっくり挙げていきます。

・佐藤の起こしたトラブルは具体的にどのようなものだったのか,確認できているのか。

・そもそも就業規則に懲戒処分の根拠は記載されているのか。

・そもそも始末書を書かせること自体が譴責として,懲戒処分ではないのか。

・減給は,懲戒処分としてバランスを失しないのか

・佐藤の言い分は聞いたのか。

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。これらが具体的にどのような法的問題を持っているのかは省略しますが,単純な事例1つをとってみても,こんなに問題があるんだというのがお分かりいただけたかと思います。

 

第4 まとめ

今回は,懲戒処分にスポットをあててみました。頻繁に懲戒権を行使することはないかもしれませんが,いざという時のために上記問題意識をもっておくことは後のトラブルを回避するために必要かと思います。

なお,最後に,私の関わっている後継者の学校における活動の1つを紹介させてください。

後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評を得てきました。

興味が湧いた方は,お気軽にインタビューを受けてみてください。自社と向き合う良いきっかけになるかもしれません。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
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