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後継者にまつわる小説あれこれ(その9)

司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでも何か感じてもらえそうなものをこれから少しずつ紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

私は通勤時間をもっぱら読書にあてております。

地下鉄なので外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。

 

経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

 

今回紹介するのは、

 

「仏果を得ず」三浦しをん 著(双葉社)

 

純粋に面白いので読んで欲しい小説で、ここで取り上げるのはどうかなぁと、ずっと悩んでいたのですが、まぁ四の五の言っててもしょうが無いので紹介します。

 

人形浄瑠璃・文楽の若き義太夫が主人公の物語です。

高校の修学旅行で文楽を観劇した主人公は、後に師匠となる老義太夫の語りに圧倒され、心奪われ、ついには一生をかけてやってみようと決意し、文楽の世界に飛び込みます。

 

義太夫の神髄を極めるため芸に打ち込む日々、そこに心乱す女性が現れたりして、という青春小説です。

 

後継者や事業承継に関係するものをということで続けておりますが、この話は今までとは少し違うと感じるかも知れません。

 

もちろん承継に関する話なのですが、自身の芸を極めるという、どちらかというと経営者というのではなく職人的なと読んだ方は感じるかも。

余りにも文楽に夢中で、純粋にその真髄を探る姿勢は、少し嫉妬すら覚えます。

 

「あぁ、こんなにも自分の好きなことにのめり込めたら幸せだろうなぁ」と感じる方も多いかもしれません。

 

主人公が「女殺油地獄(近松門左衛門作の人形浄瑠璃ですが、ものすごいタイトルですよね)」の登場人物である与兵衛の心情をくみ取ろうとするくだりで、「あらかじめ定めづけられた生への疑問」という言葉がでてきます。

 

生まれついた家により選択の余地が無くその人生が定められていることへの疑問。

 

主人公の仕事にのめり込む姿、世襲、この物語には後継者や後継者候補の心を刺激せずにはおかないものが多くあります。

 

ちなみに文楽の世界は、その家に生まれた者もいるが研修所出身者も多数いるとのこと。

 

自身の人生を単に窮屈に感じて過ごすのか、前の世代が造り次の世代に残したもの、残そうとしているものを受け取り、そこに自身の思いや考えを加え生かすのか。

 

色々な刺激を感じたい方、単に面白い小説が読みたい方、いずれでも是非ご一読を。

少なくとも、文楽観劇に一度は行ってみようと思うこと間違いなしの一冊です。

 

後継者の学校では、後継者や後継者候補が、自身の心情に深く触れることのできるプログラムを用意しています。

 

ご興味のある方は、一度ご連絡下さい。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

後継者の学校は、後継者を経営者に育てるプログラムをご用意しています。

詳しくはホームページをご覧ください

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
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