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事業承継期に後継者が知らなきゃこわい「財務体質」のお話

笠井さん後継者の学校パートナー 人・組織・風土づくりの専門家 笠井智美です。

後継者の方の中には、「実はここだけの話、財務のことは、ほとんど知らないんです。」という方もおられます。

大丈夫、あなただけではありません。これから学べばいいのです。今日は、財務に体質があるというお話を書かせていただきます。

 

こんにちは。後継者の学校パートナー

人・組織・風土づくりの専門家 笠井智美です。

人や組織の成長プロセスをデザインして、

そこに集う人たちが自ら望む未来を実現するお手伝いをしています。

 

今日は、経営の4つの要素の中の、財務のお話の3回目です。

 

さて、あなたは会社の財務に体質があるって、ご存じでしたか?

「財務体質」といいますが、

いったいどんな体質のことでしょう?

 

太りやすい体質? 痩せやすい体質?

お金に愛される体質?

 

まぁ・・・そんな感じかな。(^^:)

 

個人の健康状態に関して、体質改善という言葉が、

使われることがありますよね。

 

会社の財務にも体質があります。

 

その財務体質がどうなっているかによって、

新規事業に参入する前に、

「まず、財務体質の改善からですよ!」と、

アドバイスさせていただく場合があります。

 

新規事業が軌道に乗るまで持ちこたえられるのか、

どのくらいまでの負荷に耐えられる財務体質なのか、

それによって、戦略・戦術が変わってくるものなのです。

 

会社の財務体質を見る指標は2つあります。

 

 

≪儲かる体質かどうか?≫

 

「どれだけの総資産を使って、どれだけの利益を生み出したか?」

ということを見る指標です。

 

つまり、「投資に対するリターンはどれくらいか?」ということ。

これを収益性といいます。

 

その収益性を見る指標が、総資産利益率です。

リターン・オン・アセッツの略、ROAと呼ばれています。

 

ROA = 利益/総資産

 

 

≪つぶれにくい体質かどうか?≫

 

「総資産」というのは、そもそも事業をしなければいらなかった

土地や建物や機材やお金(運転資金)のことです。

 

つまり資産を「持っている」という言い方はしますが、

実は、この事業をするために、すでに使っているということですよね。

 

そうなんです。

 

資産 = 「使ったお金」なのです!

 

総資産というのは、土地や建物や機材を買うために、

銀行から借りたり、創業者が資本金として出資したりして、

事業をするために集めたお金で、形成されています。

 

集めたお金の中で返す必要のあるお金を「負債」、

返す必要のないお金を「純資産」と言います。

 

「集めたお金の中で、返す必要のないお金がどれだけ占めているか?」

それが安全性を示す、純資産比率(自己資本比率)です。

 

純資産比率(自己資本比率) = 純資産/総資産

 

 

資産が大きくなればなるほど、

事業に大きな投資をしているわけですから、

それに見合った利益が上がらなければ、

儲からなくなり、会社は潰れやすくなります。

 

例えば個人の生活だって、

大きな家、立派な家具、外車、別荘、クルーザー、

自家用ジェット機などの資産をたくさん持っていたら、

維持費や管理費が大変でしょう。

パーティーやお付き合いもあって、衣装代や交際費もかかるでしょう。

莫大な財産は、持っているだけで、毎月お金が掛かります。

 

もしも、ローンを組んでいたら、月々の支払いも、利息も上乗せされます。

加えて、月々の生活費もいります。

それ以上の収入がないと、自己破産しかねません。

 

今月の支払いが間に合わない。

あ、友達に貸したお金、返してもらおう!

 

うーん、ほんとに、返ってきますかね? 貸したお金・・・・。

相手も返せる状況にあるか、わかりませんよね?

 

給料日まで、待ってよ、って言うかもしれませんし、

こっそり引っ越しちゃってて、返してもらえないかもしれません。

 

貸したお金は、あてになりませんね。

 

じゃあ、財産を全部売り払って、借金を清算しよう、

ローンを返済してしまおう!って?

 

まぁ、ちょっと待ってください。

よぉ~く考えてみましょうよ(^^:)

 

その財産、今の実際の価値はどれくらいなのかな?

時価にすると、いったいどれくらいになるのかな?

 

果たして購入した時と同じ額で、売れるのでしょうか?

 

 

たぶん、残りますよね、借金が・・・・

 

これを漢字4文字で、「債務超過」と言います。

 

 

法人でも、同じことが言えます。

 

 

つまり、資産が増えたら、

それに見合う利益を稼がないといけません。

 

資産は持っているだけで、収益性が悪くなるのです。

 

ちょっと利益があがったからといって、

安易に自社ビルを建てるとか、土地を買うとかは、

お勧めいたしません。(^^:)

 

資産はあくまで儲かるために持つものです。

 

「持っているor買おうとしているその資産は、利益を生むか?」

そして、その資産は、本当に利益を生み続けるでしょうか?

 

災害や不測の事態に陥った場合や、

当てが外れたときには、どうなりますか?

 

ぜひ、企業として資産を持つ意味を、見直してみてくださいね。

 

 

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実録 事業承継~継ぐべきか継がざるべきか②~

事業承継は敷かれたレールに乗っかるだけではうまくいきません。継ぐべきか継がざるべきか、どこかでその判断をしなければ、前に進めません。とはいえ、事業承継って一生のうちに何回もするものでもないし、どうしていいか分からないまま、「親の気持ちもわかるし…えいやっ!継いでしまえ」。こんなお話、実は結構あります。でも実はあるんです。判断する方法。

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

実家が事業をしているけれど、継ぐべきか継がざるべきか悩まれている方、結構いらっしゃいます。本日は、前回に引き続き、そんな時どのようにその判断をするのかについての具体的な方法を一つお伝えします。

 

総勘定元帳って見たことありますか?

決算書を見ることは、継ぐか継がないかの判断をする際に必要不可欠です。では、決算書のデータの基になっている、総勘定元帳ってご存知ですか?

決算書には、貸借対照表という会社の資産、負債等が記載されているものと、損益計算書という会社の一年間の活動の結果いくら利益がでたか、またその利益は売上から何をいくら差し引いて出たのかが記載されているものがあります。

この決算書に載っている数字は、日々のお金の動きなどを帳簿に記録して、集計されてまとめられたものです。だから、日々のお金の動きなどを詳しく知ろうと思えば、集計される前の個々の記録が分かる「総勘定元帳」というものを見ます。

 

本当に正しい数字?

総勘定元帳を見れば、決算書よりは詳しい情報を得ることができます。しかし、継ぐか継がないかの判断をするためには、総勘定元帳だけでは不十分です。私は税理士事務所を経営しておりますので、お客様の会計に関わらせていただいています。中小企業の場合、ほとんどが税務会計ベースの会計処理をされています。これは、税法という法律に「このように処理しなければならない」と書かれている方法で処理しているということです。この処理方法が会社の実態に合っていれば良いのですが、実際は合っていないことの方が多いです。会社が稼ぐ本当の力を知るには、実態に合わせた処理をしていくことが必要です。

また、決算書に載っている財産の金額は時価でないものもありますので、会社の本当の財産や債務を知るためには、実態をつかむことが必要です。実態をつかむ方法は、一つ一つ確認していくしかありません。この作業を会社を継ぐ前にしていくことにより、なぜ利益がでているのか、あるいはなぜ赤字なのかという根本的な原因にまで辿りつくことができます。

会計というと敬遠されがちですが、どんどんブレイクダウンしていき詳しい資料をみることによって、数字だけではなく事業そのものや組織の状態まで知ることができます。顧問税理士任せにせず、自ら細かい資料まで自ら見ていくことにより、継いだ後も会社のコントロールがしやすくなりますのでオススメです。

 

後継者の学校では、細かいテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みがたくさん入っています。

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