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事業承継と遺言

今回取り上げるテーマは遺言です。具体的な事業承継のケースを踏まえ,遺言の基本的なところや裁判例のお話をさせていただき,遺言についての理解を深めていただければと思っています。

 

第1 はじめに

こんにちは。後継者の学校,パートナーの佐藤祐介です。

今回,私は,後継者の学校のブログとは別に長めの記事を描かせていただきました。

その記事は,後継者の学校のHPでご覧いただけると思いますが,本ブログでは,そのダイジェスト版として,掲載させていただきます。

今回のテーマは遺言ですが,法的な話をする前に,2つのケースを紹介します。一澤帆布とニトリのケースです。

いずれも相続の場面で,遺産分割協議書や遺言の有効性が争われ,裁判にまで発展しました。

これらのケースで,もし仮に遺言について,適切な対応をしていれば,ここまで大きな争いに発展していなかったかもしれません。

 

第2 遺言の基本的内容

では,遺言の基本的内容です。

まず,遺言を作るメリットですが,遺言者の希望に沿った財産分配の実現とスムーズな相続の実現にあります。

また,遺言の種類としては,大きく分けて普通様式と特別方式というものがありますが,後者はあまり見かけることが無いと思いますので,今回は普通方式の遺言に焦点を絞ります。

普通方式遺言の種類は3つで,自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言です。

それぞれにメリット・デメリットがありますが,公正証書遺言を用いることをおすすめします。

たしかに,この公正証書遺言は,作成するにあたって手数料がかかりますが,その作成においては公証人という法的知識を有する専門家がチェックをするため,方式・内容について不備が発生するリスクが低くなるからです。

とはいえ,公正証書遺言であっても,遺言者が作成時に遺言能力,つまり有効に遺言を作成できる能力を有していなければなりません。

高齢者人口が進む中,近時,高齢者が作成した公正証書遺言について,その遺言能力の欠如から,遺言が無効であると判断される裁判例が見られます。

その1つとして,東京高裁平成25年8月28日判決というものがあります。

 

第3 最後に

以上,駆け足ではありましたが,ダイジェスト版をお届けしました。

より具体的な記事をご覧になる場合には,こちら(後継者の学校 佐藤祐介のコラム 事業承継と遺言)をご覧ください。

そして,この記事が,事業承継に望む方々の「技」の醸成に少しでも役立っていただければ幸いです(この「技」というのは,後継者が養うべきポイントとして後継者の学校が考えるものです。全てで3つあり,「心」「体」「技」となります)。

なお,遺言は事業承継における有効なツールではありますが,これだけで全てを解決できるものではないことは言うまでもありません。

上記事案では,たとえば,人的要因が鍵になっていたかもしれません。この点,後継者の学校では,事業承継に取り組むにあたって多角的な視点を養う場を提供しており,後継者の方々が事業承継に向けたロードマップを形成できるようなお手伝いをさせていただいています。

以上