一昔前、後継ぎは男子であることが当たり前だと考えられていました。
娘しかいなければ、「婿を取って継いでもらう」のがごく自然な流れでした。
でも皆がそう思い込んでいたことで、日本はこれまで大きな損をしてきたのかもしれません。
1) 友人のこと
学生時代、ゼミの友人に、江戸時代から続く老舗和菓子屋の娘だという女性がいました。確か妹がいるだけで男兄弟がいなかった彼女。将来について、自分は高校教師を目指しているので店は婿をとって継いでもらう、と話していました。
その言葉通り彼女は大学院修了後、出身県の難関教員採用試験を一発で突破。めでたく地元公立高校の教師となりました。ところがわずか数年後、風の噂で、高校を退職して和菓子屋を継いだらしい、と。和菓子作りの修行を一から始めて頑張っているらしい、と聞きました。
今から20年以上も前のことです。婿でなく彼女自身が、女性が伝統ある和菓子屋を継いだことを、正直なところ大変意外に感じました。
その後彼女は、老舗和菓子屋はどうなったか。
和菓子作りの修行を経て自分自身の腕を磨いた上で、経営面でも時代に合わせて販売方法を見直したり、新たに和の食文化を提供する会社を設立するなど、精力的に事業を拡大させたようです。先頃東京の人気スポットで出店も果たしたとか。
2) 日本は損をしている
男の子がいないと「後継ぎがいない」
女の子しか生まれなければ「婿を取らなければ」
日本人はなぜか自然に、そう考えてしまいます。昔の私もそうでした。
女性が後継者に向かないと、女性に会社経営は無理だと、「後継ぎは男子だ」と、そう決めつけてしまっていたことで、もしかしたら日本はこれまで、真に貴重な人財を半分しか生かすことができずにいたのではないでしょうか。
そして時代は変わり、今徐々に女性後継者にスポットライトが当たりつつあります。
中小企業を支援する「大阪産業創造館」(http://www.sansokan.jp/)は、女性後継者交流会を主催し、まだ数少ない女性後継者同士が交流できるプログラムを提供しています。
関西の大学で行われている「後継者ゼミ」、2014年にはその半数が女性になったそうです。
ダイヤ精機株式会社の諏訪社長に代表されるように、メディアでも近年女性後継者がよく取り上げられています。いよいよ女性後継者の時代が到来しつつあります。日本の未来も明るい!?
3) 私の願い
しかし、それで女性が後継ぎになることのハードルが低くなったわけではありません。
まず現経営者。父親が娘に後を継がせよう、継がせたいと考えられるでしょうか。
従業員が皆、納得できるでしょうか。
親族が納得するでしょうか。
そして一番肝心な娘本人が、自分をがんじがらめにしている固定観念を打ち破れるでしょうか。
息子でなく婿でもなく、娘が後継ぎになり経営者になる、つまりトップに立つことの困難さは、安易な言葉では言い表せないと思います。
それでも決心し、前に進もうとしている女性後継者を支えたい。それが今私が一番やりたいこと!
このブログでは少しずつ、応援メッセージを届けたいと思います。次回、請うご期待!
※歯科後継者塾のオープン勉強会があります。
私が講師を務めるのは9/23(水)朝の勉強会です。
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