実録 事業承継~株の事知っていますか?④~

後継者の学校パートナーの河合由紀子です。

前回は、株式の現経営者主導の移転の危険性についてお伝えしました。株式の移転には、「財産」と「会社の重要事項を決定する権利」の移転という2つの意味があり、財産の面についてのみ考えると、後でとんでもないことが起こる可能性があるということをお伝えしました。今回は、なぜ株の移転が経営者主導で動いていくのか、またその時の経営者の心境についてお伝えしたいと思います。

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは私自身の事業承継の経験を踏まえ、またお客様の事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきますので、よろしくお願いいたします。

本日も、引き続き株の移転のお話です。前回は、経営者主導で、早々に後継者に株式を移転してしまった場合、どのようなリスクがあるかお伝えしました。ではリスクがあるにもかかわらず、経営者主導の株式移転が多いのはなぜでしょうか。また、株式移転の際の経営者の心境はどのようなものなのでしょうか。今回は、経営者にスポットを当ててみたいと思います。

 

経営者が考える株式移転の実態

「株はオヤジの財産のことだから、気にはなるけど何も言えないんですよね。」とおっしゃる後継者の方がたくさんいらっしゃいます。後継者だけでなく、専門家の中にも、「株は経営者がどうするか決めることだから、経営者と話をすべるきだ。」と考えていらっしゃる方が結構いらっしゃいます。

しかし、経営者が引退した後、会社の重要事項を決めていくのは、法律的には株主であり、通常それは後継者です(ここでは、株主と経営者を同一と考えます)。本当にこのような考えていいのでしょうか?

また一方で、経営者の口からよくお聞きするのは次のような言葉です。

「後継者が頼りないからまだまだ引退しない。でも、株は相続対策で後継者に譲っておく。」

この言葉、なんだか矛盾を感じませんか?

経営者はご自身が引退した後、誰に会社を任せるか、本当に頭を悩ませていらっしゃると思います。

「順当に行くと長男なんだけど、しっかりしているのは次男なんだよな。」とか、

「本当にウチの息子でやっていけるんだろうか。こんな厳しい時代に。」という声を本当によくお聞きします。

でも、いくら心配しても、後継者は経営者が思うとおりにはなりません。なぜなら、当然ですが後継者は、経営者とは生きてきた時代も違えば経験も違うからです。だから、

経営者の方はいつまでも不安を抱えて悩んでおられるのです。「すぐには息子に会社を譲ることはできない。でも相続で揉めたり、税金が高かったりして、苦労させるのもかわいそうだし。その結果会社がめちゃくちゃになっても困るし。」と、相続税のことを考えて、渋々株式の移転をしていくというのが実態ではないでしょうか。

このような流れで株式の移転をして、経営者は安心して後継者に事業をまかせられるでしょうか?

経営者が主体となる株式移転がこのような考え方に基づいているのは、構造上仕方のないことです。また、株を財産と捉えると後継者から話を進めにくいのも当然です。では、どのように株式移転のプロセスを考えれば、みんながハッピーになれるのでしょうか?次回はその内容についてお伝えしていきます。

 

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