実録 事業承継~継ぐべきか継がざるべきか③~

事業承継は敷かれたレールに乗っかるだけではうまくいきません。それは何となく分かっているけど具体的にどうしていいか分からないまま時間だけが過ぎていく。そんな状態に陥っていませんか?継ぐべきか継がざるべきか、どこかで判断をしなければ、前に進めません。とはいえ、事業承継って多くの人が経験するものでもないし、誰に相談しても明確な答えも返ってこないし、どうしていいか分からないまま「悩んでいてもしかたない!ここは覚悟を決めて…えいやっ!継いでしまえ」。こんなお話、実は結構あります。でも継ぐ前に押さえないといけないポイント、明確にあるんです。

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合由紀子です。

実家が事業をしているけれど、継ぐべきか継がざるべきか悩まれている方、結構いらっしゃいます。そして、「なんとなく」とか「当たり前だと思って」代表に就任してしまうパターンが結構あります。本日は、前回に引き続き、事業を継ぐべきか継がざるべきか判断する際の具体的な方法をお伝えします。

 

契約書って見たことありますか?

事業をしていると、様々な契約を結んでいます。

例えば事務所や工場が賃貸物件であれば、賃貸借契約、仕入先、得意先との取引に関する基本契約、大切な機器のリース契約、金融機関から借入をしている場合には借入に関する契約、従業員さんとの雇用契約などなどです。

これらは契約書として書面になっているものもあれば、口約束になっているものもあるかもしれません。人に関すること、お金に関すること、取引に関すること、モノ(有形・無形)に関すること、といった分類でそれぞれの契約をチェックしていってみましょう。

 

なぜ契約のチェックがいるのでしょうか?

以前のブログで、会社の実態を数字から把握していくことが、事業承継をするかしないか判断する際の一つのポイントになるとお伝えしました。しかし、決算書や総勘定元帳や請求書や領収書を見ても、掴めないものがあります。

例えば主要工場が賃貸物件で、あと3年で契約期間が満了するという契約になっていて、契約は更新されないという約束になっていたとすると、後継者が継ぐと決めるなら、3年後には移転しなければならないということを頭に入れておかなければなりません。そして、移転するための費用はどれくらいかかるのか、それにより財務面はどうなるのか知っておかなければなりません。また、書面上は契約の更新はしないとなっていても、交渉により更新できる可能性があるのかについても早めに探ることもできます。

他にも、例えばリース契約を結んでいたとすると、残り何年間でいくらの支払が必要なのか、帳簿上に出ている場合と出ていない場合がありますので、その総額を把握する必要があります。

一例をあげましたが、詳細に帳簿の内容を把握しても、帳簿には載っていないリスクが隠れている場合があります。継ぐか継ぐのをやめるか判断する際には、こういったリスクを改めて整理して把握することが重要です。普段当たり前のように思っていて、気にしていなかったことも、実は経営をしていく上でとても重要な事柄があります。それを整理し、リスクを把握するためにも契約書(契約書がない契約についても)のチェックは必須です。

 

後継者の学校では、このようなテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みがたくさん入っています。

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