事業承継の現場から -そこの後継者のあなた。自社に企業理念はありますか?-

後継者の学校パートナーの高浜亮です。

経営理念や企業理念という言葉はよく耳にしますよね?ふたつとも同義語だという考えもありますが後継者の学校ではこのような定義をしています。

企業理念とは自社の存在価値。つまりなんのために自分の会社はあるのかを明文化したもので、

最上位概念に位置するもの。

経営理念とは経営者がどのような経営をするかを明文化したもので、企業理念の下の概念です。

後継者の方と話しているとこんな質問をされることがあります。「企業理念って小さい会社でも必要ですか?作る意味ってありますか?」今回はある事業承継をされたばかりの後継経営者の相談事例から答えを探していきたいと思います。

 

企業理念は小さな会社でも必要かということですが、結論から言うと、必要かというよりも、なくてはならないものだと言えます。なぜかといいますと・・・

 

2月の最初に最近、事業承継をされた40歳の社長が来られました。業種はガス販売業で社員は6名の会社です。現在の状況や社長になってからのことをいろいろと聞いていきますと、大きく分けて2つの悩みを抱えていらっしゃるようです。

 

まず1つ目の悩みは自社の将来の見通しが見えないということ。

細かく聞くと、まず現在の顧客は高齢の方が多いため将来的には顧客は減少してしまい先細りになってしまうのではないかということ。

さらにガスに変わるエネルギーによって単価が下がってくる可能性があるということ。のふたつが不安な要素ということです。

このようなことは、この業界だけではなくいろんな業界が抱える問題でもあります。

 

2つ目の悩みは自分の考えや方向性を社員が理解してくれていないのではないか。ということです。

この悩みは引き継いでしばらくすると多くの後継者の方が陥る悩みです。特にやる気があって自社を成長させていきたいという想いが強い社長ほど悩みます。

 

2つの悩みを聞かせていただいた後、「社長の会社は何のために存在していますか?その想いを表現するような企業理念はありますか?」と聞いたところ

 

「お客様や地域に貢献したいという想いはありますが、言葉にはしっかりしていません。」という返答でした。

 

そこで、別日に1日かけて企業理念を策定していきました。ちなみに企業理念は1日でできるものでは

ありません。また、社長が一人で作るよりも社員と一緒に作っていったほうがいいものです。

今回はたたき台という意味で、社長が大切に思うキーワードを出していき、何のために存在したいのかを考えていかれました。明文化するというのは簡単なようでなかなか大変なのですが、ああでもないこうでもないと理念作成を進め、最終的にぬくもりというキーワードを使った企業理念のたたき台が出来上がりました。

 

その企業理念のたたき台を自社に持ち帰り、社員を交えて企業理念について話し合いを行い、自分たちが何をやっていくかを毎月話し合う場を設けて進んでいっています。

 

後日、社長からこんな感想をもらいました。

 

「うちみたいな小さい会社が理念とかをつくるのは何か抵抗がありましたが、実際にたたき台を作って社員の皆と話すといろいろと意見が出てきますし、そんな場を共有することで全体のモチベーションも上がってきているんです。今まで、皆が言うことを聞いてくれていないと感じていたのは、何のためにをしっかり伝えて、一緒に考える時間をもたなかったからなんだと分かりました。

また、企業理念に沿って考えると既存のガス販売だけではなく新たなサービスやエリアへの展開もできるのではないかという考えも生まれてきました。気持ちがずいぶん楽になり、前向きになりました。頑張ります!」

 

つまりは大きかろうが小さかろうが企業である限りは必ず企業理念はなくてはならないものなんです。そして企業理念があることで自社に大きな大黒柱ができ、会社が存在し続ける限りそこに集う人たちの礎になるのではないでしょうか?

 

後継者の学校では企業理念の作り方や必要な要素、企業理念を用いたマネジメント手法を学ぶことができます。現在、後継者の学校は東京校、大阪校、熊本校の全国3ヶ所で開催される予定です。

プレセミナーも各地で開催していますのでお気軽にご参加されてみたら宜しいかと思います。

 

ご興味のある方は是非ホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください!

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