ラグビー日本代表にみるリーダーシップ

後継者の学校パートナーの中小企業診断士岡部眞明です。

年末に放送された番組(フジテレビ、ミスターサンデー)の中で、興味ある内容がありましたので紹介させていただきます。ラグビー好きの私が、興味をひかれたのは「五郎丸の日記」に関するものです。

 

正確ではありませんが、番組の内容をたどります。

番組は、日本代表の副キャプテンでバックスリーダー五郎丸歩選手のワールドカップ期間中の日記をもとに進められます。

今回のワールドカップに臨むにあたって、エディ・ジョーンズヘッドコーチは、高い質と練習量、そして私生活までも含めた選手の管理を徹底します。また、選手自身にも徹底した自己管理と自覚を求めます。どの国のまねでもないジャパンウェイを求めて。

あの南アフリカ戦の勝利から3日後のスコットランド戦での敗戦の際には、「君たちはなにも成し遂げていないのに、英雄にでもなったつもりか。」と苦言。また、五郎丸選手のパフォーマンスが悪かった時には、ホテルのドアに入れた叱責のメモに、電話をするようにとコメントを入れたにもかかわらず、連絡がとれたのは翌日以降で、しかも、話ができたのは数日後で叱責の話は一切なし。

五郎丸選手は、ワールドカップという舞台に臨むプレッシャーと戦って押しつぶされそうになっています。非情な指揮官に怒りが爆発寸前でいた。

そんな時、支えになってくれたのは、チームメイトであり、メンタルトレーナーであったのです。仲間たちの少しの心遣いやアドバイスに支えられて、走り、トライし、キックを積み重ねていったのです。

そして、何よりの支えは、ワールドカップのために犠牲にしてきた家族でした。いつもは試合のため家を空けることが多く、家のことは奥様に任せっぱなしで、家に帰っても長男はよりついてこないし、二男の出産時は海外遠征だったといいます。

今回のワールドカップには家族が応援のためロンドンに行かれたそうですが、家族の到着を待つ五郎丸選手は、初めて待つ人の気持ちに気づきます。改めて、家族への感謝の気持ちを強く感じたのです。

五郎丸選手が、注目されていますが日本代表の選手は皆同じ気持ちだったのではないでしょうか。

話は、また、南アフリカ戦です。

29-32と3点ビハインド、南アフリカのペナルティに対し日本のマイケル・リーチキャプテンが選んだのは、スクラムでした。ペナルティキック(3点)での同点ではなくトライ(5点)での勝利を選んだのです。その時のヘッドコーチの指示は同点狙いのペナルティキック、ヘッドコーチは、怒りで当たり散らしたようですが、結果は、皆さんご存じのとおりです。

五郎丸選手もキックはまるで頭に浮かばなかったそうです。

このとき、全日本の選手は、自ら考え判断し、日本代表のプライドを持ってジャパンウェイを貫いたのです。

番組の中で、エディ・ジョーンズヘッドコーチは、五郎丸選手へのメモの件について、自分で深く考えてもらうことが重要なことで、深く考えるきっかけを作ることに意味があったとコメントしています。

また、マイケル・リーチキャプテンが自分の意見に従わなかったのは100%正しい判断だったと言っています。

この試合で、マンオブザマッチに選ばれた五郎丸選手のコメントです。

「(他のチームと)違っていることは、このチームを愛しているということ。本当に、みんなの支えがあってここまで来たのだ。光が当たったからと言って(マンオブザマッチのこと)、適当なコメントなど出せるはずがない。光が当たったから、枝を少しづつのばしていこう。そして花を咲かそう。桜の花を。」また、「ラグビーに奇跡なんてない。必然だけだ。」(それより)「試合が終わって、長男が駆け寄ってくれたことがとても嬉しかった。」

この話に何を見ますか?家族や仲間の絆?五郎丸選手の謙虚さ?エディ・ジョーンズヘッドコーチの非情さ?

いろいろな要素含まれています。当然ですね、世の中におきるできごとは単純なものは一つもありません。

私は、このチームにリーダーの役割の重要性をみました。自分の評価におもねることなく選手に接したヘッド・コーチ、チームのプライドを選んだキャプテン、チーム愛に徹した副キャプテン、そこには信念のリーダーたちがいました。そこから、チーム全体やその家族への思いが広がっていく様が見えてきます。会社に似ていませんか?

後継者の学校は、人を見つめます。

 

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Photo credit: roy costello via VisualHunt.com / CC BY

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