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事業承継は10年かかる。「あの時これを知っていれば」というお話。

児玉写真後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

後継者の学校はこれから5年以内に事業を継ぐ方、継いで3年以内の経営者、今後も事業を継ぐつもりのない方の3つのどれかに当てはまる方を対象としています。事業承継から15年を過ぎた先輩のほろ苦い体験。あの時これを知っていれば・・・というお話。実際の事例をもとにお伝えしたいと思います。

 

 

後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

 

私のクライエントではないのですが、少し先輩の世代の経営者で製造業の方がいます。

その方は後継者で20年前に入社、15年前に社長になられました。

我々の後継者支援の在り方についてお話させていただいたときに、話していただいた経験談をシェアさせていただきたいと思います。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

ご実家は東京の下町で工場を経営されていました。

 

世はバブル末期。

 

ご自身は大学を卒業されてから、当時の憧れの職業であった、広告代理店に就職して充実した社会人生活を送っていました。

 

楽しい日々が永遠に続くと思われたある日、彼の人生は大きく変わりました。

 

 

「お前の親父さん倒れたらしいぞ」

「すぐ実家に帰ってやれ」

 

 

携帯電話など無い時代ですので、その知らせは職場の上司から聞くことになりました。

 

 

お父様は口にこそ出さないものの
本当は後を継いでほしかった様子。

 

でも本人はそのことにうすうす気づいていながらも
見て見ぬふりをしてきました。

 

 

ほどなくして最悪の事態が訪れます。

 

 

「工場どうしようか?」

「お母さんひとりでやってみるわ」

「番頭さんもいるしね」

 

 

一瞬の空白のあと・・・

ご本人は今まで一度も考えたことのないことを口にします。

 

 

「俺も一緒にやっていくわ」

 

 

お母様が社長に就任し、ご本人は専務として再スタートしました。

そこからが地獄の日々の始まりだったそうです。

 

 

バブル崩壊とともに受注は激減・・・

 

技術力をかわれ大手企業からの受注が多かったものの

大手への依存度が高く、失った注文の補てんができません。

 

 

営業だって今までほとんどしたことがない・・・

得意の広告戦略も大手と違って原資となるお金がない・・・

 

 

なんとか頑張って受注してきても

職人たちはやる気がない・・・

 

「こんなんうちの仕事と違いますよ」

「こんな誰でもできる安い仕事したくありません」

 

 

・・・・・・

 

 

古参の社員たちは不満を言うだけで全然協力してくれません。

新しく採用した若い工員もギスギスした会社の雰囲気になじめず

1か月で辞めていきます。

 

 

八方ふさがりでどうしようもない中で数々の専門家に相談に行ったそうです。

 

顧問の税理士さんはこう言いました。

「幹部社員のAさん、この人のコスト高すぎますね」

「整理できませんか?」

 

もやもやとした気持ちが湧いてきました。

 

あらゆる専門家が「コスト!コスト!」という中で

 

唯一、お父様の代から世話になっている社労士さんがこう言ったそうです。

 

「専務、先代は人を大事にする人でした。」

「”企業は人なり”といつもおっしゃってましたよ。」

「先代が大切にされてきた従業員の皆様を守るために、まだできることがあるか一緒に考えてみましょう」

 

 

この瞬間、目が覚めたそうです。

 

 

そこから猛烈に「事業ドメイン」を見直し、自社の強みをみんなで考え、

ついにニッチではあるが利益性の高い、技術力を生かしたビジネスモデルにたどり着きました。

 

 

その後、社長に就任し今では海外の重要なプロジェクトから声がかかるほどの「技術集団」になったそうです。

 

 

「あのとき、リストラしていたら今の我が社はないでしょうね」

「事業承継の本質を全く理解していなかった私に軍師として助言してくださったあの社労士さんこそ、父の残してくれた最高のアドバイスでした。」

 

「後継者の学校」のパートナーとしての専門家のあり方は素晴らしいと思う。

「あのとき、この考え方に出会っていればもう少し楽できたかな(笑)」

 

 

今でもその社長は給与明細を渡す時には社員ひとりひとりに手渡ししています。

そして手書きのメッセージと共に「いつもありがとう」と目を見て伝えているそうです。

 

 

あと10年早く・・・

 

 

このエピソードに胸がざわついた

そんな後継者の方!

まずは

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「後継者と共に強い会社をつくる財務戦略の専門家」

児玉秀人でした。
私が得意なのは以下です。

・資金調達のための経営改善計画書の作成
・設備投資と事業計画に基づいた財務計画の策定
・ホームページコンサルティング(1クール6か月)
・人材採用・育成コンサルティング(1クール6か月)

 

 

後継者の学校
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実録 事業承継~財務のデータを知っていますか?~

後継者の学校パートナーで税理士の河合由紀子です。

事業承継と一口に言っても、何から始めればいいんだろうと思われる後継者の方は多いようです。

小さいころから跡を継ぐものだと感じながら生きてこられ、何の迷いもなく親の会社に入り、真面目にやれることをやってきたという方は本当に多いです。

決して怠けているわけではないけれど、このまま頑張っていても社長になれる気がしない。そんな声にならない気持ちを感じることがよくあります。

 

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは私自身の事業承継の経験を踏まえ、またお客様の事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日は財務データについてです。

 

このままでいいのだろうか?

何年か経験を積み年齢的にもそろそろ、という時期になっていても、具体的にどのように動けばいいのか分からず、日々目の前にある業務を一生懸命こなしているという後継者の方はたくさんいらっしゃいます。

例えば営業をされている方であれば、お客様との関係をしっかりと築かれ、他の社員さんには到底こなせないような仕事きっちりこなしておられる方。努力して現場の仕事を覚え、古株の職人さんにもなかなかやるなと一目置かれるようになっている方。

皆さん後継者としての責任を感じ、大変な努力をされてきたのだと思います。

しかし、現在のスキルをさらに伸ばしていけばその延長線上に、立派な経営者となる未来がまっているのでしょうか?そうではない気がする。ここまでは何となく感じていらっしゃる方が多いです。しかしどのように動けば良いか分からず立ち止まっている状態。しかし動き出さなければ何もはじまりません。

 

いくら借金があるか知っていますか?

後継者の方に「会社の借金がどれくらいあるかご存知ですか?」と尋ねると、実は「分からない」「知らない」と答えられる方が多いです。

後継者の学校では、これまで後継者の方の実際のお気持ちや考え方、現状を知るために、後継者の方を対象にインタビューをさせていただいております。

質問の中に、承継する会社の財務状況を尋ねる項目があります。これまで全体で約100人の方にインタビューをさせていただきましたが、ほとんどの方が「知らない」「わからない」という答えでした。

このお話をすると、後継者の方の意識が低いからでしょ?と思われる方も多いかもしれませんが、実は後継者の方が財務状況について知らないということには理由があるのです。

考えてみてください。後継者の方はどのような働き方をしておられますか?

営業を頑張る、現場を知るために社員さんより長く働く、とにかく頑張る、などなど。思い当たられることはないでしょうか?目の前にあることに一生懸命になっている。

それが自分のやるべきことだと思っている方が、会社の財務状況を知る機会はあるでしょうか?

社員の中で一番になることと、経営者として会社の舵取りをすることとは根本的に違うのです。

事業承継の第一歩は現状を知る事です。現状を知るためには財務状況の把握は外せません。このように後継者が真の経営者になるために、押さえておくべきポイントがあります。

 

後継者の学校では、細かいテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みが入っています。また、後継者インタビューも無料でさせていただいています。ご興味のある方は是非ホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください!

 

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事業承継において後継者が不安になる問題は人

坂本さん後継者の学校パートナーで人を中心とした経営支援専門家の坂本典隆です。

後継者が事業承継をイメージすると様々な不安要素が存在すると思います。その中で、私の専門分野である「人」に関する内容を今回も掘り下げてお伝えしてまいります。

前回、組織、採用面の話を簡単にさせていただきましたが、今回はその内容に加えて従業員の力の発揮具合に関してもお伝えしていきます。

 

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。後継者の学校パートナーで人を中心とした経営支援専門家の坂本です。今回は、「従業員」をキーワードとして2代目経営者や後継者が心配な内容を簡単にご説明させていただきます。

 

前回の内容では採用に関しての注意点をお伝えさせていただきましたが企業にとって大切な事はその後ですよね。採用して終わりではなく、人が「成長」し続ける事で会社としての成長発展にも繋がっていきます。

 

後継者が気を付けるポイントとしては「従業員が力を発揮しているかどうか?」に尽きるのかもしれません。極端な話ですが、従業員が100%の力を発揮しているのか?半分なのか?全く発揮していないのか?そのレベルによって会社の利益は勿論ですが、お客様の満足度や提供できる価値が変わってきます。

 

今日はポイントとして「経営者との信頼関係」「仲間意識」「仕事への誇り」というワードでイメージをしていただきます。

 

全てが組織として完璧に機能していれば最高ですが、そんなに簡単な事ではないですよね。

意外に全てが上手くいっていない会社も多く存在します。例えば・・・頑張っているようで結果が出なかったり、離職率が高く、社員が定着しない、従業員の目が曇っている等・・・

ある程度この3つで分解すれば改善できるポイントが見えてきます。

 

■経営者との信頼関係

 

シンプルに考えて、経営者と従業員が信頼関係で結ばれている会社は強い。後継者の視点で考えると、今の経営者と従業員の信頼関係ではなく、事業承継後の後継者自身と従業員の信頼関係構築を今から目指すことです。これがあるか?ないか?で会社の経営は大きく変わってきます。

 

■仲間意識

 

従業員同士の関係です。お互いに尊敬し尊敬される間柄なのか?何かあったらフォローをしているのか?従業員が従業員に関心がない組織ほど恐ろしいものはありません。問題はこういった部分から起こっているものです。

 

■仕事への誇り

 

何のために仕事をしていますか?お金の為、生活の為も勿論ですが、経営理念に即した想いやお客様の事を考えた内容を従業員自身が持っている組織は発揮するエネルギーが全く違ってきます。受け身なのか?主体的なのか?もある程度、仕事への誇りを持っているかどうかで判断できるようになってきます。

 

後継者が事業承継をいつ行うのか?もし決まっているようでしたらその期日から逆算をして上記の3つのポイントを綺麗に整えていくことが出来れば未来が明るく開けていくと私は考えます。

 

一つの考え方になりますので、迷っている方は参考にご活用いただければ幸いです。本日もお読みいただきありがとうございました。

 

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小規模企業白書2015年版に見る事業承継 第1回

永井さん後継者の学校パートナーで中小企業診断士の永井貴之です。

小規模企業白書が今年度創刊されました。この白書には、政府による小規模企業に関する調査分析の結果などが掲載されています。事業承継に関して多くのページを割いており、後継者の皆さんにも一読してほしい内容となっています。今回は、「現経営者が事業承継を行うことを躊躇する理由」を取り上げます。

 

後継者のみなさん、白書って読んだことありますか?。大きな書店に行くと「政府刊行物」のコーナーがあって、「○○白書」というタイトルの本が並んでいます。

白書とは、「政府による公式な調査報告書」のことであり、小規模企業白書は昨年公布された小規模企業振興基本法に基づいた政府が国会に提出した報告書であり、報告内容は、「小規模企業の動向」と「小規模企業施策」です。つまり、小規模企業についての政府の公式な見解を示した本なんですね。

今年度の白書には、事業承継が大きく採り上げられていることから、政府としても事業承継問題を非常に重視していることが伺えます。

では、小規模企業白書(以下、白書と記述します)の中身を見ていきましょう。第1部1章は、小規模企業の実態調査です。その中に下記のグラフがあります。

※クリックすると図が大きくなります。

ブログ画像(永井)2014.09.21提出

【出典:小規模企業白書P57 現経営者が事業承継を行うことを躊躇する個人的な要因】

 

事業承継がうまく進まない理由に、現経営者自身が躊躇していることが見て取れます。最も多い要因は「厳しい経営環境下で事業を引き継ぐことへの躊躇」となっています。

では、このデータを考察してみます。

ここでいう「厳しい経営環境」とは何か?・・・やはり「売上や利益などの業績面の不振」や「借入金が多いことにより財務基盤が弱っている」という2つの理由が大きいでしょう。

つまり、「経営が少しでも楽な状態にしてから引き継いであげたい」という親心があるのですね。

その親心は理解できますが、事業承継全体を考えると大きなリスクがあります。業績向上や財務基盤の強化などは、改善レベルではなく、経営全体の革新が必要であり、長い期間が必要になります。その結果、事業承継の時期が大幅に遅れることになります。事業承継が遅れると、現経営者の加齢による衰えが懸念されますし、後継者の2代目社長へのモチベーション低下も考えられます。

ここは、現経営者による経営革新はなく、後継者が主体となって経営革新を促進し、現経営者はフォロー・支援に回るという体制を敷くのがベストです。

今後会社のかじ取りを行うのは後継者。後継者が主体となって厳しい経営環境を克服できれば、2代目経営者としての自信と社員との信頼関係構築への第一歩となります。

 

このように一つのデータから多くのことを考察できます。次回も小規模企業白書から事業承継を考察します。

 

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実録 事業承継~想いの違いは事業承継の第一歩~

後継者の学校パートナーで税理士の河合由紀子です。

事業承継の現場では、現経営者と後継者のすれ違いやいさかいが生じることが度々あります。

事業承継を考える前は良い関係であった場合でもです。なぜそんな事態になってしまうのでしょうか?

後継者が甘えているからとか後継者の辛抱が足りないからとか言われることもよくありますが、そう言われた後継者は自分を押し殺して意見を言わなくなるか、会社を飛び出してしまうということになりかねません。

ではどのようにすればよいのでしょうか?

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは私自身の事業承継の経験を踏まえ、事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

親子だからこそ生じるすれ違い

事業承継にかかわらせていただく際に、よく問題となるのが経営者と後継者の考え方の違いから生じるすれ違いやいさかいです。

事業承継には親子や兄弟、甥姪への承継など親族間の承継と、従業員など第三者への承継、譲渡(M&A)による承継など様々な方法があります。

現在の日本では、株の譲渡の問題や周囲の納得などの観点から親族間、特に親子間の承継が多くなっています。これは決して悪いことではありません。

しかし、親子間の事業承継でとくに問題となるのが、考え方の違いによるすれ違いやいさかいです。

親子であるがゆえの先入観はどうしてもついて回りますし、それを拭い去ろうとしても難しいものです。そして、経営者である親は「まだまだあいつは甘い」とか「修行が足りない」と感じ、それを実際に口にする方も少なくありません。

また、後継者である子は「考え方が古い」「今のままではわが社はダメになる」と現状を否定的にとらえる場合が多くあります。

例えば第三者間ではこのように互いに感じていても、直接本人に言うことは少ないでしょうし、言い方にも気を遣います。しかし、親子であるがゆえにストレートに想いを伝えてしまい、結果としてぶつかってしまうということが多いように感じます。

 

想いか違うことは悪いことではない

よく、親である経営者と同じように考え同じように行動しなければならないという考えに、がんじがらめになってしまっている後継者の方がいます。

しかし、親子とはいえ生きてきた時代も環境も全く異なる二人です。考え方が違って当たり前なのです。それに、時代は変化します。時代の変化に対応するためには、時代に合わせて新しい考え方を持った人が経営の舵をとるというのは合理的であるともいえます。

しかも、想いが違うことを互いにぶつけ合っていても会社にとって何も良いことはありません。むしろ従業員の士気の低下や取引先からの不信感を生む結果となりかねません。

会社をより良いものにしていくためには、想いの違いをうまく収束させていく必要があります。

 

まずは相手の立場や気持ちを理解する

では、このような関係をどのようにほぐしていけば良いのでしょうか?

大切なのは後継者のアクションです。

いくら古い考えでも、いくら時代に合っていなくても、現在の会社を存在させているのは現経営者の功績があったからです。

もしも後継者が、利益もでていない会社を継がされ、負債だけ負わされるつらい立場で、何一つ現経営者の功績として認められるところはないと考えている場合もあるかもしれません。本当にどうしようもない場合には、継がないという選択肢もあるでしょう。

しかし、会社にはお金の尺度では測れない価値がたくさん蓄積されています。例えば創業からの年数。金融機関から融資を受けようとしても、業歴が浅ければそれだけ信用力のポイントは低くなりますので、ハードルは高くなります。

仕入先、得意先の存在もそうです。一から取引をしてもらおうと思えば大きな壁があることが多いですが、すでにお付き合いの歴史がありますので、経営者が交代しても、創業間もない同業他社に比べれば大変有利です。こういったことに後継者が目を向けて、現経営者への感謝の気持ちを持ち、それを伝えることから関係性の構築が始まります。

 

後継者の学校では、このような実践的な課題に対する解決法について学んでいただく機会があります。ご興味のある方はホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください。

 

 

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2代目経営者が悩む組織や採用の問題とは?

後継者のパートナーで人を中心とした経営支援専門家の坂本典隆です。

今回の内容は後継者として事業承継する2代目経営者が悩む問題について組織・採用の部分に関してお話をさせていただきます。

現経営者は父親の場合が多いと思いますが、創業者である父親の会社はある意味、カタチが出来上がっております。

その中に後継者が飛び込んだとしたら人の問題が大きな悩みになる事があるのです。

 

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。坂本です。

私が、人を中心とした経営支援を行っておりますので、今回は2代目経営者が悩むポイントとしてあげられる組織と採用についてお話をさせていただきます。

事業承継後には人の問題に悩む経営者の方が多く存在している事が事実です。

 

■組織

創業者としての父親が経営する会社の従業員を思い浮かべて下さい。誰が採用したのか?それは父親の場合が多くないですか?特に中小企業に関しては経営者が採用を行う場合が多く、父親が選んで入社した方が大半を占めております。また、父親の人柄や経営手腕を認めている古株の従業員も多いかもしれません。

特に幹部は創業時から苦労をして頑張ってきたメンバーも多いのでその関係は大変強固なものとなっております。あなたが息子さんや娘さんだったら子供の頃に抱っこしてもらった方も多いと感じております。

よく後継者が言われるセリフとしては「昔はあんなに小さかったのに大きくなったね。」「お坊ちゃんだと思っていたら身長も伸びたね。」他にもあるかと思いますが、子供時代のイメージをずっと持っている従業員も多いでしょう。この微妙な関係性があるので、後継者として会社に入った時に、いきなり上から偉そうに指示や指導をすると、未完成な信頼関係にヒビが入る可能性があるので注意が必要です。

 

■採用

父親である経営者から採用権を継承して、あなた自身が中途採用の募集から面接を行う事があるかもしれません。採用をする時に気を付けないといけない事は、経営者が採用した従業員と新しく採用した従業員との関係性を良好なものにする仕組み作りになります。

新しいメンバーが入るという事は企業にとっては成長のチャンスであり、従業員にとっても新しい風が吹き、いい意味で成長できる関わりを持つことができるようになります。採用面で失敗するケースとしては、派閥が出来てしまうという事です。経営者側の従業員と、後継者が採用した従業員が社長派と後継者派というように分かれる事があるのです。

これは、昔からいる従業員の心理を考えると「自分たちは必要ないのでは・・・」というマイナス要素が出る場合があります。この気持ちを払しょくする為に、簡単な方法があります。それは、採用する目的を従業員に説明をして、会社の方向性や後継者の想いを伝えておくという事です。

そして忘れてはいけないのは、「あなた達の経験や技術を是非、新しいメンバーへ伝えて欲しい。」「いつもありがとう!!」という感謝の気持ちを含めたあなた自身の言葉です。意外に出来ていないのがこの動きかもしれませんね。裏でコソコソ動かれるのではなく公明正大に話をする事で後継者に対する目も変わってくるのです。

ポイントとしては相手の感情を捉えてどうする事が会社全体にとって良い方法なのか?このことを意識するだけで随分と会社の運営がスムーズになってきます。

一つの参考にしていただければ幸いです。引き続き、こういった実践にそった内容を発信してまいります。本日もお読みいただきありがとうございました。

 

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元官僚が伝える伝統的倫理観と強みのシナジー

後継者学校のパートナーの岡部眞明です。
中小企業診断士、行政書士です。

文部科学省で先端科学技術や産学官連携など科学技術政策の国家戦略の全体調整の仕事を主に財政面から担当してきました。我が国の伝統的倫理観と企業が持っている技術などの強みとのシナジーをサポートしたいと考えています。

「三方よし」と言われますが、事業承継は、経営者、事業承継者、従業員とその家族、会社を取り巻く全ての人の人生にまでかかわる問題なのです。

事業承継は、その責任と託し託されるものを、本当に価値あるものとして引き継いでこそ意味があるものであり、関係者はその責任を全うする義務があり、利益を享受する権利も有しているのです。

高齢化社会と言われます。高齢化は中小企業の経営者も同じです。
会社は長く続きますが、人には限りがあるのは事実です。
「三方よし」は近江商人の行動哲学と言われますが、会社には従業員や取引先など多くの人々(ステークホルダー)があり、それらの人々の生活を維持していく責任があります。

経営者には、誰かに会社を託さなければならない時期が必ず訪れ、正しく渡す義務があるのです。

一生懸命築き上げた会社を誰にどのように託すのか、その後の生活はどうなるか、経営者にとって重要な問題です。

一方、託される会社はどうなっているのか、従業員は?取引先は?許認可は?受け取る側にとっての関心事項は山のようです。

事業承継の場面では、会社の過去と現在そして未来に関して、良いことも悪いことも全て明らかにされなければなりません。

事業承継は経営の全てが詰まっています。

「三方よし」の三方は「売り手」「買い手」「世間」と言われますが、事業承継は、経営者、事業承継者、従業員とその家族、会社を取り巻く全ての人の人生にまでかかわる問題なのです。
事業承継は、その責任と託し託されるものを、本当に価値あるものとして引き継いでこそ意味があるものであり、関係者はその責任を全うする義務があり、利益を享受する権利も有しているのです。
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