後継者の学校パートナーの木村貴裕です。
その1でお伝えしたように株式会社の登記内容の一つに「役員」があります。
役員とはご存じのように取締役や監査役のこと。
事業承継する会社の登記は、現在どのようになっていますか。
登記内容を確認する費用はたった600円ですよ。
こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。
平成18年5月に会社法が施行されてから、10年近くになろうとしています。
余談ですが、他の方のパートで「労働法」という名前の法律は無いという話がありましたが、それ以前は「会社法」という名前の法律もありませんでした。
それまで株式会社を規律していた法律は商法なのですが、これが会社法になってから株式会社にとって大きく変更になったことがいくつかあります。
代表的なものの一つに、取締役が1人だけでもよくなったこと。
そして、監査役という役職の人を置くことも任意になったこと。
以前は、最低でも取締役が3名、監査役が1名必要だったため、人数あわせのために無理に誰かに取締役や監査役になってもらっていたという会社も多くありました。
実際は会社に一切関わっていない人の名前だけ借りていたということも。
会社法が施行されてから、
「これを機に実質的な役員のみを残し、名前だけ借りていた取締役や監査役などの役員は登記から省きたい。」
という相談がよくあります。
でも結局はそのまま人数あわせの役員の名前を残すという選択をされる会社も、これまた少なくありません。
理由は、通常の役員変更登記より費用がかかるということからです。
多くの中小企業では、ただの役員変更登記なら登録免許税という実費が1万円なのに、例えば取締役を2名にしたいとか監査役はいない状態にしたいとなると7万円になってしまいます。
この登録免許税が高額になる理由は、簡単にいうと一部の役員の名前を単に省くということに限らず、それ以外にも登記の内容がいくつか増えることから起こります。
これくらいの登記費用がかかりますよ(ここには当然司法書士の報酬なども加算されますが)とお伝えすると、
「そんなに費用がかかるなら今まで不自由していなかったので、そのままにしておきます。」という返事をいただきます。
後継者や後継者候補の方に伺いたいのですが、この答えには何か違和感というかしっくりこないものを感じませんか。
また、会社の登記内容は誰でも確認することができるようになっていると以前お伝えしましたが、登記所で登記事項証明書を発行してもらうのにかかる費用は600円、ネット上で内容を確認するだけなら337円ですることができます。
会社として数万円もかけてきちんとするのはちょっと思っていても、登記というのは、外部からはその内容を気軽に確認することができるものなのです。
できるというより、確認されているものだという認識を持ったほうがよいでしょう。
事業承継の際には当然役員変更登記をすることになります。
ご自身が承継する会社の登記を、今一度確認してみてください。
先に述べた、違和感、しっくりこない感じは何なのか、感じた人も感じなかった人も後継者の学校で一緒に考えてみませんか。
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