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実録 事業承継~後継者が決して忘れてはいけないこと③

後継者の学校パートナーの河合由紀子です。

前回は、後継者はどんな存在なのか、また、後継者が存在する意味について考えてみました。後継者はその存在だけで会社の未来を明るくします。しかし、後継者が忘れてはならない大切なことを忘れてしまい、間違った考え方に陥ってしまうとどうなるでしょう。本日は、後継者が決して忘れてはいけない大切なことについてお伝えしたいと思います。

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは、私自身の事業承継の経験を踏まえ、またお客様の事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきますので、よろしくお願いいたします。

本日は、前回に引き続き後継者が事業を承継していく際に、決して忘れてはいけないことについて書かせていただきます。

 

忘れていた大切なこと

ある後継者が陥った間違いについて、前回書かせていただきました。後継者が「社長のやり方は古くて時代遅れだ」と感じることはよくある話です。これは当然といってもいいかもしれません。違和感を持つことは悪いことではありません。ただ、後継者は既に形になっている生きた事業を引き継ぐと言う意味で、明らかにゼロから創業する場合と異なります。

従業員がいて得意先や仕入先、金融機関などの取引先があり、お金が回り、商売が成り立っているのです。それを引き継ぐという立場にある後継者は、確かにその存在自体素晴らしいものですが、すでに目の前に引き継ぐことのできる会社が存在することも素晴らしいことなのです。だから、引き継ぐ会社がどのようにして成り立ってきたかを知り、そして、まずはこれまで会社を支えてきてくれた人々に『感謝すること』が最も大切なことなのです。

 

感謝が大切な理由

従来のやり方に違和感を覚え、改革しなければ我が社は生き残れないと必死になる後継者は多いです。引き継ぐ会社の事を愛し、危機感を感じ、みんなが幸せになるためにと頑張っているのに、オヤジからは反対され、古参の社員からは疎まれ、重要な人物が退職し、と様々な障壁にぶつかるという事態に、悩み苦しんでいる後継者の方によくお会いします。

こういった方は、真面目で優秀な方が多いです。しかし、目の前の問題をどうにかしようと思うあまり、これまでの歴史、なぜ引き継ぐことのできる会社があるのかを真剣に考えたことがない、あるいは気にしていない方が多いように感じます(実は私もその一人でした。)。口先では感謝していると言うものの、心底感謝しているかというと、感謝しきれていないのです。

「なんでこんな状態になるまで放っておいたんだ。」「企業とは名ばかりの個人事業の延長じゃないか。」心のどこかで先代や古参の社員がやってきたことを否定してしまう自分がいて、それが普段の言動に反映されてしまうのです。しかし、逆の立場だったらどうでしょうか。これまで一生懸命やってきたことを否定されて、後から入ってきた後継者のやり方に右へならえと賛同する気になるでしょうか?

もう一度言います。まずは『感謝』です。協力を得るには、後継者が感謝の気持ちをもつこと!これが、後継者が決して忘れてはいけないことなのです。時には腹も立つでしょう。思い通りにいかず、「頑固おやじ!」「石頭!」と思う時もあるでしょう。でも、引き継ぐことができるものを残してくれたことには、感謝しても余りあるのではないでしょうか。ついつい、分かっていても忘れてしまう、当たり前だけれどなかなかできないことかもしれません。普段から、これまでがあるから今があり未来があるという思いを持って、感謝できるところを意識して探すのも心の鍛錬に良いかもしれません。

 

後継者の学校では、細かいテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みがたくさん入っています。

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