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後継者にまつわる小説あれこれ(その1)

司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでもそのようなものを感じてもらえるものをこれから少し紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

後継者の学校パートナー司法書士の木村貴裕です。

私は通勤時間をもっぱら読書にあてております。

地下鉄なので外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。

 

経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

 

まず初回は、

 

「退職勧奨」江上剛 著(実業之日本社)

 

五十代後半の組織で働く男たちを主人公にした短編集です。

8つの物語の最後が「跡継ぎ」というそのものずばりの話。

 

100年近く続く豆腐屋の三代目を父に持ちながら、別の世界に身を置く主人公。

組織で順調に昇進していく中、家業を継いで欲しいと口には出さない父の本音に思いをはせ、その間で葛藤する姿が描かれています。

 

家業を継がずに全く別の職種に身を置く方は結構いるのではないでしょうか。

でも心の隅では、やはり最終的には継ぐべきかと漠然とした悩みを抱えている方も少なくないかも知れません。

 

この物語では、家業に少し古くさいものを感じたり継ぐのが当然という状況に反発し別の道を歩むことになった自身と、それでも家業やそれを守ってきた父を尊ぶ気持ちの間でゆれる姿に心動かされるものがあります。

 

その父が病に倒れたことを機に、主人公が思い悩んだ末に出した結論とは・・・という感じなのですが、それはこの小説を手にとってのお楽しみということにしておきます。

 

そのほかも、経営者の身の引き方や、組織内で意に反する仕事に葛藤苦悩する姿など、主人公たちをとりまく組織や家族の話です。

アラフィフ以上の方は色々身につまされる内容かもしれませんが、読後感は明るいものが多いので気軽に読んでもらえると思います。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

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