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事業承継におけるキャッシュ(現金)の重要性

後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

経営において事業ドメインを定めて損益計算書(P/L)上で黒字化することは財務上最初に目指さなければならないところですが、損益計算書(P/L)上黒字なのに手元にお金がない・・・そんなケースについてお話します。

 

後継者の学校のパートナーコンサルタントの児玉秀人です。

 

皆さん、「黒字倒産」って聞いたことありますでしょうか?

 

事業が立ち行かなくなるには理由があります。

シンプルに言うと手元に支払いのためのキャッシュ(現金)が無くなったとき、会社は倒産します。

 

つまり黒字倒産とは「利益が出ているのに会社がつぶれてしまうこと」なんです。

シンプルな卸売業の場合、商品を仕入れて利益を乗せて販売先に卸します。

この取引自体は、本来なら仕入先にお金を払って販売先からお金をもらえば何の問題もありません。

P/L上は黒字です。

 

ところが多くの場合、販売先が支払い(売掛金)をすぐに払ってくれるわけではありません。

しかし、仕入れの支払いは約束通りに行われないと信用にかかわります。

 

会計上これを表す指標は「必要運転資本」と言います。

売ったお金を回収してから、買ったお金を払えばお金は忙しくありません。

しかし、多くの場合その反対なのが実情です。

 

私の得意なクリニックを例に説明しますと

 

病院に行った人は窓口でお金を払います。

多くの場合健康保険を使って3割負担して、7割の支払いは国がします。

 

病院側はその診療に対する「診療報酬点数」を計算して、「社会保険診療報酬機関」というところに請求をします。

これは月に1回行われて、間違いがあると返戻されます。

 

こうして概ね入金まで1か月から2か月ほどかかります。

 

しかし、その間もスタッフのお給料やボーナス、お薬などの仕入れ先への支払いは現金で行わなければなりません。

そのために必要なのが、「必要運転資本」つまりキャッシュなのです。

 

 

それは当たり前ですよ!と言われてしまいそうですが、それだけではありません。

 

キャッシュを潤沢に持つとどんないいことがあるのか?

1. 仕入先の信頼が厚くなる

支払を期日通りに行うことで信頼が生まれます。信頼が生まれることでより有益な情報を得たり、

前金やまとめ買いで仕入価格を増やし利益を増やすことができます。

 

2. 金融機関からの信頼が厚くなる

現金を持つと銀行借り入れだけでなく、様々な資金の調達方法の選択肢が増えます。

さらに財務諸表がスリムになり、見た目もよくなります。

 

3. 従業員からの信頼が厚くなる

辞めてしまう優秀な従業員の本音の退職理由は「上司、経営者の仕事の仕方が気に入らなかった 23%」

その他は全て給与、評価の不満です。(リクナビNEXT調べ)

裏を返せば「不安」だから辞めていくのです。会社にお金がないのが不安なのです・・・

 

4. 精神的余裕が生まれる

手元資金に余裕があると経営に専念できます。資金繰りが忙しいとほとんど仕事になりません。

こういうところを従業員は見ています。

 

5. 安い税金が選べる

利益を現金で残すためには税金を払わなければいけません。現金が手元にあれば有利な税金を選ぶことができます。

 

 

結論: キャッシュを潤沢に持つと儲かる

 

ではどうすればいいのか?

後継者の学校では基礎を学んだ後継者に専門家がサポートを行います。
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「後継者と共に強い会社をつくるヒトとおカネの専門家」

児玉秀人でした。

 

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「業績が30%向上する人事評価システム」教えます。
私が得意なのは以下です。

・人材採用・育成相談、人事評価システムの提供
・資金調達のための経営改善計画書の作成
・設備投資と事業計画に基づいた財務計画の策定
・Web戦略相談など

ここだけは知っておきたい!キャッシュフロー計算書の読み方

福岡さん後継者の学校パートナーの福岡雅樹です。

キャッシュフロー計算書は、会社のキャッシュが増えたか減ったか、その増減した理由は何なのかを表したものです。

事業承継をするにあたり、後継者の方は自社のキャッシュフロー計算書がどのようになっているか、把握しておきたいところです。

 

後継者の学校パートナーで、公認会計士・税理士・中小企業診断士の福岡です。

前回まで損益計算書、貸借対照表についてお話ししてきましたので、今回はキャッシュフロー計算書についてお話しします。

 

キャッシュフロー計算書は、会社のキャッシュの流れを表したもので、1年間でキャッシュが増えたのか減ったのか、その増減した理由が何なのか?を表したものです。

 

損益計算書と何が違うのか?とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、損益計算書とキャッシュフロー計算書は似て非なるものです。損益計算書は、収益と費用との差額で利益を出しているのに対し、キャッシュフロー計算書はキャッシュの動きを表しているのです。

例えば、200万円の車を購入した場合、原則として200万円をそのまま費用にすることはできず、一定期間をかけて徐々に費用としていきます。そのため、損益計算書上は費用200万円とはなりません。他方、200万円が出て行っていることは事実ですので、キャッシュフローは▲200万円となり、損益計算書とキャッシュフロー計算書の間で差が生じることになるのです。

借入金も同様です。借入金を返済した場合、単に債務を返済しただけなので、損益計算書上では費用として現れてきませんが、お金を返しているので、キャッシュフロー計算書上は借入金を返した分だけマイナスとなるのです。

 

黒字倒産という言葉を耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。

黒字倒産とは、損益計算書上では利益が出ているにも関わらず、キャッシュがなくなって倒産してしまったことを言います。まさに損益計算書とキャッシュフロー計算書の違いから生じる落とし穴ですね。

 

それでは、キャッシュフロー計算書の見るポイントをお伝えしますので、キャッシュフロー計算書をご準備下さい。

(キャッシュフロー計算書は貸借対照表、損益計算書と違い、作成されていない場合もあります。その際は、顧問税理士さん等に作成できないか、相談してみて下さい。)

 

キャッシュフロー計算書の一番下に、期末時点キャッシュの残高が載っていて、その2行ほど上に1年間でのキャッシュの増減額が記載されています。まず、ここを見ると1年間でキャッシュが増えたか減ったか把握できます。

次に、キャッシュフロー計算書は上から① 営業活動によるキャッシュフロー、② 投資活動によるキャッシュフロー、③ 財務活動によるキャッシュフローに区分されているのをご確認下さい。この①~③を合計すると、1年間のキャッシュの増減額と一致します。

つまり、キャッシュが増減した理由は、①~③に分けて分析ができるのです。

 

①は、営業活動を行うことによって獲得されたキャッシュを表しており、ここがプラスであれば営業活動を行ったことでキャッシュを獲得できたことを表しています。②は設備投資等によって使われたキャッシュであり、設備投資を行えばキャッシュはマイナスになり、設備を売却したのであればキャッシュはプラスになります。③はお金を借りたのであればキャッシュがプラスになり、返済したのであればキャッシュはマイナスになります。

 

①はプラスになっていることが良い状態でありますが、②、③は会社のおかれた状況によってプラスがいいのかマイナスがいいのか異なります。ただ、言えることは①はプラスで、かつ①~③を合計したらプラスになっているのが、望ましい状態でしょう。

 

このように自社のキャッシュの状況がどのようになっているかを把握し、今後、どのようにキャッシュを増やしていくかを検討することは、後継者の方が事業承継を行っていくにあたり大切なことだと思います。そのため、キャッシュフロー計算書をご覧になったことがない方は、是非、一度お手にとって見てみて下さい。

 

後継の学校でも、キャッシュフロー計算書を読むポイントについてご説明していますので、仲間と一緒に学習したい方は、是非、後継者の学校にもご参加下さい!

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
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