カテゴリー別アーカイブ: 司法書士 木村貴裕

後継者にまつわる小説あれこれ(その4)

司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでも何か感じてもらえそうなものをこれから少しずつ紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

私は通勤時間をもっぱら読書にあてております。

地下鉄なので外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。

 

経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

 

今回紹介するのは、

 

「翻訳会社「タナカ家」の災難」千梨らく 著(宝島社)

 

帯に「日本ラブストーリー大賞シリーズ」とあります。

うーん、取り上げて大丈夫なんでしょうかと、自分に問いかけております。

私は大丈夫なんですが、著者には申し訳ない。

著者の意図しない方向へ話が行くと思います。

 

社員を家族、社訓を家訓と呼ぶちょっと変わった実務翻訳会社が舞台です。

家長(もちろん社長のことです)の田中氏が亡くなったところから物語は始まります。

経営者が倒れてばたばたの承継。。。事業承継小説の王道(?)です。

 

オーナー経営者である社長には、離婚を境に幼いときに別れたままの一人息子がおりまして、彼は18歳で渡仏し10年後に帰国して(そのまた約9年後の)現在ではシェフのみならずレストランチェーン経営者としても脚光を浴びる存在になっております。

 

ちなみに主人公は、閉所恐怖症になってCAを退職した女性従業員です。

 

社長に相続人がいたことを亡くなって初めて従業員たちは知り、連絡がついたその相続人である息子は決算書等からここ数年赤字であることなどを見て会社を清算するという決断をします。

 

しかし、従業員らが懇願するので、自身が社長になり当面給料半減を含む厳しい提案を従業員全員がのむことなどを条件に会社を存続することに。

 

従業員は創業者の色に完全に染まっている、というか創業者に惹かれて集まってきた人ばかりなので、自分色に染めようと社訓から全否定するような態度の現社長に反発しながら再建を図っていきます。

 

しかし現社長は、従業員たちが漠然としか意識していなかった会社の価値をより明確にしたりして、リスクをとりながらも高付加価値化を進め、利益を生み出す会社に改革していきます。

この物語では、従業員が一つの方向を向いて、各々の役割を把握し、協力し合っていくというのも成功の大きな要素であると思います。

 

母から聞いていた話の影響もあり、父である前経営者に反発心ばかり抱いていた(従業員が心酔しているのでちょっと嫉妬も感じられる)息子も最後には、父のやりかたを多少なりとも認める心境に変化していく。

 

最後は、番頭格である従業員に経営等の全てを引き継がせる形で会社から去るので、この事業承継は結局従業員への承継ということになるのでしょうか。

 

たぶんですが、いきなりこの従業員が継いでいたら会社の存続はなかったと思われます。

 

創業者に感謝し尊敬する心は大変重要ですが、冷静に会社の分析をして、その価値を明確にし、悪い部分は切り離し、事業を再構築していくということができたから存続していくことができたと思います。

 

現実には後継者も含め内部にいる者は、冷静に会社を分析するということがなかなか難しいものです。

物語では息子が、同業他社との比較から特筆すべき価値を見つけたり、反対に危機管理のなさを指摘したりと、かなり冷静に(清算してもよいと思っているので冷淡に)分析します。

 

当たり前と思っていることに実は大きな価値があったり、その逆もしかりで、それに気づき理解し何かの行動につなげることはなかなかできることではありません。

時には外部の目を入れてゼロベースで見直すことが重要になってきます。

 

なお、帯には、

「ヘンテコな会社をめぐる、笑いあり、涙あり、翻訳ウンチクありの人情エンターテイメント!!」

とありますので、今回の紹介文は著者にとってはかなり迷惑だと思います。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

後継者の学校のプログラムの内容について気になる方は、下記から詳細をご覧ください。

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http://school-k.jp/program/

 

プログラム参加はちょっとなあ・・・という方は、

まず、後継者インタビューを受けてみてはいかがでしょうか?

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後継者にまつわる小説あれこれ(その3)

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでも何か感じてもらえそうなものをこれから少しずつ紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

私は通勤時間をもっぱら読書にあてております。

地下鉄なので外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。

 

経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

今回紹介するのは、

 

「プライド」真山仁 著(新潮社)

 

プライド=誇り を題材にした6編と掌編からなる短編集で、

その中でも今回は表題作となった、プライドを取り上げます。

 

著者はハゲタカシリーズやマグマなどでご存じの方も多いと思います。

私の中ではちょっと気持ちを上げたいときに読む著者の1人です。

 

まもなく創業100年を迎えるという洋菓子メーカーで、期限切れ食材使用などの内部告発がマスコミに流されたところから話は始まります。

 

創業者一族である現社長含む後継者たちは、残念ながら余り良い描かれかたをされていません。

特に社長は、「御曹司」「理想を掲げることには熱心だが現場の声を聞く耳を持たない」と初っぱなから悪印象で登場します。

 

余談ですが、「御曹司」って言葉は、恋愛小説では甘い響きを持ちますが、ビジネス小説では好印象を抱きませんよね。

世間の嫉みがあるのかなぁ。

後継者候補の皆さんは、この言葉に複雑な感情をお持ちかもしれませんね。

 

小説の現社長も部下から見ると、アメリカのビジネススクールで学んだ現場軽視のコストカッターとなります。

裏から読むというか斜に構えた読み方をすると、実際は会社の生き残りをかけ必死だっただけかもしれません。

 

(小説はあまり裏読みは好きではないので、これ以上掘り下げませんが、もし身近に後継者がいらっしゃったらその言動は少し立場を変えて見ても良いと思います。)

 

小説の従業員たちは、創業者の熱い想い(言い換えるなら企業理念)とは反する行動を強いられることが多く疲弊していきます。

誇りを傷つけられることから、信頼関係もゆらぎ、社内風土も悪くなっていく。

 

著者のあとがきを引用すると、

「胸の内で強く思い、黙って行動している時、”誇り”ほど人を強くする情熱はない。」

とあります。

「ところが、ひとたびこの言葉を口にすると、急に怪しくなる。」

とも続くのですが。

 

事業承継の場面で後継者は、特に何か新たなことに取り組むときには、感謝を忘れ従来を全否定し、会社の存在意義に反したり、従業員の誇りを傷つけていないか注意しなければなりません。

 

前経営者の否定、従来からの仕事のやり方の否定は、そのまま従業員そのものへの否定と受け取られ、大きく信頼関係を損ねる恐れがあります。

 

今までの話は横に置いておいて(他者でなく自分を全否定は構わないでしょう)、プライドは、著者の思いがはっきりと伝わってくる作品ばかりです。

一度手に取ってみて下さい。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

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後継者にまつわる小説あれこれ(その2)

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでも何か感じてもらえそうなものをこれから少しずつ紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

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経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

 

今回紹介するのは、

 

「わたし、型屋の社長になります」上野歩 著(小学館)

 

タイトルからも推測されるとおり、女性が金型製造の会社を継ぐ話。

ちょっと軽めのタイトルや表紙で、正直おっちゃんには少し手を出しにくい雰囲気なのですが、事業承継の話なら手に取らないわけにはいきません。

 

広告代理店のOLが、経営者である父親が病に倒れたことを機に会社を継ぐことを決意し、資金調達やら人材流出やらの難題に取り組んでいく姿を描いた作品です。

 

この小説の話にいく前に、、、

「現経営者が病に倒れたことを機に」という話が多いですね。

現実の世界でも、このようなケースが少なくないのではないでしょうか。

何の準備もしていない状態で、いきなり経営のバトンを渡される。

 

もちろん準備を完全にしてからということは難しいかもしれませんが、それでも準備の仕方はあります。

ここではその話はしませんが、ご興味のある方は後継者の学校までご連絡下さい。

 

さて話を戻します。

主人公は父の会社を心底愛しており、会社のことを「自分の分身」や自身が生まれる前に創業したので「姉」とまで表現して、その存続を決意します。

 

読んでいて、主人公が余りにも思い先行で突っ走ってる感があっておいおい大丈夫かいなということが多いのですが、

前経営者である父親が大変素晴らしく、彼が築き上げ残してきたものは会社という器だけでなく、人はもとより信頼という目に見えない大きなもので、ああこうありたいと、そちらに心動かされます。

 

主人公も立場が違えば見えるものも変わるというか、

表面だけしか見ていなかったIT企業のちゃらいと思っていた社長が実は泥臭い男だったことを知ったり、

従業員に助けを求めながらも時に厳しく声をかけるようになったり、

単なる下請けからの脱却をはかったり、

新規事業を立ち上げたりと日々成長していきます。

 

しかし、社長の成長物語ではなく、ここで取り上げたいのは実は、女性が製造業の社長を継ぐという部分です。

 

「女性だから後継者にはなれない」という考えから事業承継が進まないということも多いと思います。

小説なのでうまくいくのはご都合主義といわれるかもしれませんが、しかし本当にそうかどうか一度立ち止まって考えて見る価値はあるのではないでしょうか。

 

子どもの頃から家業に接し事業を肌で感じている、

経営者の子であるという周りの納得感、

資産の承継のしやすさ等、

男で無ければと思い込み変に娘婿に継がせようとするより良い結果を生む場合があるかもしれません。

 

単に思いだけでうまくいくほど甘くはないでしょうが、家業や先代に対する思いが無ければ事業承継がうまくいかないのも事実です。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

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プログラム参加はちょっとなあ・・・という方は、

まず、後継者インタビューを受けてみてはいかがでしょうか?

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後継者にまつわる小説あれこれ(その1)

司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでもそのようなものを感じてもらえるものをこれから少し紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

後継者の学校パートナー司法書士の木村貴裕です。

私は通勤時間をもっぱら読書にあてております。

地下鉄なので外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。

 

経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

 

まず初回は、

 

「退職勧奨」江上剛 著(実業之日本社)

 

五十代後半の組織で働く男たちを主人公にした短編集です。

8つの物語の最後が「跡継ぎ」というそのものずばりの話。

 

100年近く続く豆腐屋の三代目を父に持ちながら、別の世界に身を置く主人公。

組織で順調に昇進していく中、家業を継いで欲しいと口には出さない父の本音に思いをはせ、その間で葛藤する姿が描かれています。

 

家業を継がずに全く別の職種に身を置く方は結構いるのではないでしょうか。

でも心の隅では、やはり最終的には継ぐべきかと漠然とした悩みを抱えている方も少なくないかも知れません。

 

この物語では、家業に少し古くさいものを感じたり継ぐのが当然という状況に反発し別の道を歩むことになった自身と、それでも家業やそれを守ってきた父を尊ぶ気持ちの間でゆれる姿に心動かされるものがあります。

 

その父が病に倒れたことを機に、主人公が思い悩んだ末に出した結論とは・・・という感じなのですが、それはこの小説を手にとってのお楽しみということにしておきます。

 

そのほかも、経営者の身の引き方や、組織内で意に反する仕事に葛藤苦悩する姿など、主人公たちをとりまく組織や家族の話です。

アラフィフ以上の方は色々身につまされる内容かもしれませんが、読後感は明るいものが多いので気軽に読んでもらえると思います。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その5)

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

「知っていて欲しい会社の登記」というタイトルなのに、登記内容を見てもわかりませんよという話の続きです。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

株式会社の「所有」と「経営」。

会社を所有している人、これが株主で、会社を経営している人が、役員。

 

役員はその会社の登記内容を確認すれば良いのですが、誰が株主かを知るにはどうすれば良いのかというところで前回は終わりました。

 

さて、株主を知る方法ですが、、、

いわゆる中小企業で、株主を外部から知る方法はほぼありません。

身も蓋もない答えですが。

 

知るには会社内部の資料を見るしかありません。

 

では会社内部の資料とは何でしょうか。

 

「株主名簿」という言葉が頭に浮かんだ方が多いのではないでしょうか。

はい、正解です。

でも、満点ではありません。

 

「私のとこの会社に株主名簿なんてあったっけ。」

と思われた方も多いのではないでしょうか。

特に後継者や後継者候補の方には。

 

会社法の規定に以下のようなものがあります。

「第125条 株式会社は、株主名簿を(中略)備え置かなければならない。」

このように定められているにもかかわらず、後継者の方が感じたとおり、たぶん多くの会社は備え置かれていないのが現状ではないでしょうか。

 

株主名簿もきちんと作成されていない場合に、ではどうやって株主を調べましょうか。

 

決算書類の中に「別表二」というものがあり、それに株主名や持株などが記載されています。

しかし、これはあくまで税務申告用に作成された書類で、困ったことに正確とは言い切れないものがあります。

 

あとは、会社設立時の定款などの書類(設立時に作成した定款を原始定款と言います。)、過去の議事録など、保存されている書類を丹念に読み解いていく作業が必要になるかもしれません。

当初の株主は誰で、その後誰かに株が譲渡されていないかなど。

場合によっては、亡くなっていたり、全く面識もなく連絡がとれなくなっている方が含まれているかも。

 

会社の所有者である株主。

その重要な存在が、普段の経営では意識されず結構放ったらかしにされているのが現状かもしれません。

それでも日々は困らず、会社は回っているので。

 

でも、何か事が起こったときに、その放っておいたツケを払わなければならないことになるやもしれません。

それもかなり大きなツケを払うのは、事業承継する後継者が多い。

 

不安になった後継者や後継者候補の方、その感覚は間違っていません。

株主名簿がきちんと作成されていて、それをご自身で確認したことがあるという方以外は少し不安になって当然です。

 

今回は心のもやもやを煽る形で終わります。

ごめんなさい。

 

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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その4)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

株式会社は、「所有」と「経営」が分離しているという言葉を耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何やらとっつきにくい話になってきそうですか?

内容はいたって簡単です。

少しお付き合い下さい。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

株式会社は、「所有」と「経営」が分かれているという言葉を聞いたことがありますか。

 

会社を所有している人、これが株主で、会社を経営している人が、役員。

 

会社の所有者である「株主」は、その社名や事業内容、そしてその会社を経営するのは誰にするかなど基本的、根本的なことを決定する権限を持っています。

その株主から、実際の会社の経営を任された人が「役員」である取締役。

 

しかし、たいていの中小企業は、特に創業社長は、ご自身が出資して会社をつくり、当然ご自身が経営をしているので、所有と経営の分離とか言われてもぴんとこないことが多いと思います。

 

法律的には、株主である自分が、自分自身を取締役として選び経営を任せているという構図になります。

 

社長が、日々経営判断を行い、時には事業内容を大きく変化させたりして会社を運営している。

ごくありふれた光景だと思います。

 

ですので、端から見ると社長が会社を所有しているというように思いますよね。

でも、本当にそうなのかどうかは見た目ではわかりません。

 

創業社長は所有者であり経営者であるかのような表現をしましたが、株式を全く所有していないということは無いかもしれませんが、全ての株式を所有しているとは限りません。

他にも株主がいる可能性は十分あります。

 

大きな枠での事業内容を決めたり、取締役を誰にするのかを決めたりできる会社の所有者である株主。

重要な存在ですよね。

 

これまで、後継者や後継者候補の方に対して、事業承継する会社や取引先の会社のことを知るために登記内容を確認してみて下さいと申し上げてきましたが、残念ながら株主が誰かということは登記内容にはなっていません。

 

では、株主が誰であるのか知る方法はあるのでしょうか。

 

この続きは、また次回にしたいと思います。

 

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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その3)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

その1でお伝えしたように株式会社の登記内容の一つに「役員」があります。

役員とはご存じのように取締役や監査役のこと。

事業承継する会社の登記は、現在どのようになっていますか。

登記内容を確認する費用はたった600円ですよ。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

平成18年5月に会社法が施行されてから、10年近くになろうとしています。

余談ですが、他の方のパートで「労働法」という名前の法律は無いという話がありましたが、それ以前は「会社法」という名前の法律もありませんでした。

 

それまで株式会社を規律していた法律は商法なのですが、これが会社法になってから株式会社にとって大きく変更になったことがいくつかあります。

代表的なものの一つに、取締役が1人だけでもよくなったこと。

そして、監査役という役職の人を置くことも任意になったこと。

 

以前は、最低でも取締役が3名、監査役が1名必要だったため、人数あわせのために無理に誰かに取締役や監査役になってもらっていたという会社も多くありました。

実際は会社に一切関わっていない人の名前だけ借りていたということも。

 

会社法が施行されてから、

「これを機に実質的な役員のみを残し、名前だけ借りていた取締役や監査役などの役員は登記から省きたい。」

という相談がよくあります。

 

でも結局はそのまま人数あわせの役員の名前を残すという選択をされる会社も、これまた少なくありません。

理由は、通常の役員変更登記より費用がかかるということからです。

 

多くの中小企業では、ただの役員変更登記なら登録免許税という実費が1万円なのに、例えば取締役を2名にしたいとか監査役はいない状態にしたいとなると7万円になってしまいます。

 

この登録免許税が高額になる理由は、簡単にいうと一部の役員の名前を単に省くということに限らず、それ以外にも登記の内容がいくつか増えることから起こります。

 

これくらいの登記費用がかかりますよ(ここには当然司法書士の報酬なども加算されますが)とお伝えすると、

「そんなに費用がかかるなら今まで不自由していなかったので、そのままにしておきます。」という返事をいただきます。

 

後継者や後継者候補の方に伺いたいのですが、この答えには何か違和感というかしっくりこないものを感じませんか。

 

また、会社の登記内容は誰でも確認することができるようになっていると以前お伝えしましたが、登記所で登記事項証明書を発行してもらうのにかかる費用は600円、ネット上で内容を確認するだけなら337円ですることができます。

 

会社として数万円もかけてきちんとするのはちょっと思っていても、登記というのは、外部からはその内容を気軽に確認することができるものなのです。

できるというより、確認されているものだという認識を持ったほうがよいでしょう。

 

事業承継の際には当然役員変更登記をすることになります。

ご自身が承継する会社の登記を、今一度確認してみてください。

 

先に述べた、違和感、しっくりこない感じは何なのか、感じた人も感じなかった人も後継者の学校で一緒に考えてみませんか。

 

まずは
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無料で受けられて、会社やご自身のことを客観視できる機会を持つことができたとのお声をいただいております。

 

後継者インタビューについては下記から詳細をご覧ください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その2)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

会社の登記にはどんな役割があるのでしょうか。

例えば誰かがある会社と取引しようという場面を想像してください。

受け取った名刺に社長と書かれていても、本当にその人が代表者なのか、そもそもその会社は存在するのかなど、考えるとちょっと不安ですよね。

そのような不安を解消するには、まずは会社の登記を確認します。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

前回はどのようなことが登記されているのかをお話ししました。

さて、社会の中で会社の登記にはどんな役割があるのでしょうか。

 

一番の役割は、「取引の安全、円滑な取引」の手助けをするためと言われています。

 

例えば誰かがある会社と取引しようという場面を想像してください。

 

受け取った名刺に社長と書かれていても、本当にその人が代表者なのか、そもそもその会社は存在するのかなど、考えるとちょっと不安ですよね。

そのような不安を解消する手段として、会社の登記が存在するということです。

 

取引先の登記内容を確認するのは、信用情報を調査するときの基本です。

 

登記内容の確認は、誰でも、登記所(法務局)で登記事項証明書というものを取得すればできます。

郵便で取り寄せることもできますし、証明書ではありませんが、内容を確認するだけならカード決済でネットで閲覧することもできます。

 

会社の登記は、人でいうところの戸籍や住民票のようなものであり、また会社の存在を証明する唯一のものと言っても良いでしょう。

それが誰かというのは別にして、人なら目の前に居ますから存在を疑う余地はありませんが、会社は目に見えませんからその存在を証明するものは誰でも取得できるようになっているのです。

 

その会社が存在し、どのような事業を行い、誰が代表者なのかなど、登記を確認すると知ることができる。これが「取引の安全、円滑な取引」を手助けする役割ということです。

 

そのためには登記内容が常に最新のものでなければなりません。

正確な情報を保つため会社の登記には、内容に変更があったり、新たな登記すべき事柄がでてきたら2週間以内に申請しないといけないというルールがあります。

これを守らなかったら会社の代表者に過料、わかりよい表現をすれば罰金がかかるとまでなっているのですができていないことも多いです。

 

特に代表者の住所変更なんてのは忘れがちです。

運転免許証の書き換えや口座のある銀行など、色々手続きはされていると思うのですが、会社の登記まではなかなか思いつかないようです。

私どもにご依頼のあったときには、変更があってからかなりの日数、場合によっては1年以上経っていましたなんてことも少なくありません。

 

また詳しくお話しする予定ですが、役員変更登記なんかを怠っているなんていうのはかなり良くない状態だと思いませんか。

「私どもの会社はこういう内容です」と公開しているものであり、唯一の証明である登記が、古いままで手入れしていないというのは相手にどのような印象を与えるのか想像してみて下さい。

 

前回の繰り返しになりますが、是非一度、後継者や後継者候補の方は、ご自身が継ぐまたは継ぐ予定の会社の登記事項証明書を入手して、内容を確認するようにしてください。

古い登記内容のままになっていませんか。

 

 

株式会社 後継者の学校
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後継者に知っていて欲しい会社の登記(その1)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

日々の業務を通じて感じるのは、後継者や後継者候補の方は、ご自身が継ぐ会社の登記内容についてご存じない方が多いということ。

手続きの細かなことを覚えてもらう必要は全く無いのですが、最低限の知識は持っていただきたいので、登記やそれらに関連する基本的なことをいくつかに分けて話をしていきたいと思います。

まずは、株式会社の登記にはどのようなことが書かれているのでしょうか。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

司法書士の主な仕事の一つに会社の登記申請の代理業務があります。

 

日々の業務を通じて感じることは、創業した方(その会社を作った方)もご自身の会社の登記内容をあまりご存じない人が意外と多いということです。

ましてや後継者や後継者候補の方は、ご自身が継ぐまたは継ぐ予定の会社の登記についてはもっとご存じない方が多いのが現状です。

 

私は、手続きの細かなことを覚えていただく必要は全く無いと思っています。

しかし、後継者または後継者候補の方には、会社の登記については最低限の知識を持っておいていただきたいので、登記やそれらに関連する基本的なことをいくつかに分けて話をしていきたいと思います。

 

なお、なるべくわかりやすく表現しようと思いますので、法律的には多少正しくない場合もありますがご了承下さい。

 

まずは、登記内容について。

株式会社の登記にはどのようなことが記載されているのでしょうか。

 

・商号(会社の名前)

・本店(会社の住所)

・目的(どのような事業をする会社なのか。)

・資本金

・株式数

・役員

などがおもだったところです。

思っていたとおりの内容でしたか?

そうかもしれませんが、きちんと内容を確認している方は意外と少ないです。

 

これ以外にも登記されている事項はありますし、以外と重要なことだと思うのに登記されないものもあります。

また、次回以降にその話はしたいと思います。

 

株式会社を例にとりましたが、それ以外の法人でも必ず登記されているのは、何という名前で、どこが活動の拠点なのか、どのような目的で存在している(営利であれば、どのような事業をしている)法人なのか、また、代表者は誰なのかなどです。

 

もし身近な法人や会社の登記内容を見る機会があれば確認してください。

 

いえ、是非一度、後継者や後継者候補の方は、ご自身が継ぐまたは継ぐ予定の会社の登記事項証明書を入手して、内容を確認するようにしてくださいね。

 

 

後継者の学校

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後継者に知っていて欲しい会社の登記(序)

 

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

初回は自己紹介がてら、タイトルのなぜ会社の登記を知って欲しいかをお話ししたいと思います。

後継者や後継者候補の方には、登記やそれに関連するごく基本的なことを是非知っておいていただきたいのですが、それは登記に触れるということが自然とあることに触れることになるからです。

 

初めまして、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

初回は自己紹介がてら、タイトルの会社の登記を後継者になぜ知って欲しいかをお話しします。

 

私が司法書士の業界に入ったのは今から20年以上前で、現在も勤務している事務所に学生時代にアルバイトとして入ったのがきっかけです。

司法書士がどのような仕事をする職業なのか何の予備知識もなく入り、資格を取る環境に置いてもらったり一人前の司法書士に育ててもらい、事務所所長には感謝しきれない思いで一杯です。

事務所に勤務していた司法書士は数名いましたが現在は皆独立していき、いつからか私がナンバー2の立場になっていました。

所長とは親子ほどの年齢差であり、流れとしては事業承継に、親子親族ではありませんので従業員への承継といったところでしょうか。

 

そのように自身のこともあり数年前から意識し始めて周りをみれば、形は違えど後継者だったり後継者候補だったりする者が多いことに気づかされました。

そして、「軍師アカデミー」に出会い、そこで巡り会った高い専門性をもった仲間と、事業承継が社会問題化する中で、1人でも多くの後継者の力になろうと活動し始めています。

 

さて、司法書士の主な仕事の一つである「登記」手続きの中に会社に関する登記があります。

会社の登記は簡単に言うと、どこにどんな会社がありますよということを証明するものなのですが、登記という形に表れるまでの全てのことに関して当然法律が関係しています。

登記というものに関わるということは、会社を取り巻く法律に関わるということなのです。

 

会社というのはその規模に関係なく、そもそもその設立から運営、終了まで会社法という法律にしたがってなされており、そのほかにもすべての場面において様々な法律の枠組みの中で経営を行わなければなりません。

 

後継者が事業を承継していく過程の中で、また経営者が日常の経営の中で、例えば「株式を譲渡したい」「事業の目的を変えたい」「役員を変更したい」という時、これら全てに法律が関わっています。

 

「会社の登記」の専門家と名乗るためには、その根底にある法律の知識が必要であり、私自身このようにお話ししていて、専門家であり続けるために、その能力の向上に努めていかなければならないと改めて気を引き締めております。

 

私は、企業法務という形で大上段に構えるのではなく、経営者が法律をあまり意識せずに判断し経営している普段の場面で、きちんと法律にしたがって運営しなかったがために困ったことにならないように、気軽に相談してもらえる立場で助言やサポートをしていきたいと思っています。

そして、そうは言っても私ができることは限られており、他の専門家と協力してサポートすることが大変重要だとも考えています。

 

後継者の皆さんへ、登記の専門家から伝えたいこと

登記に触れると自然と会社法という基本的な法律に触れることになります。

また、登記には、そこにいたる過程に経営判断があり、その結果が現れているとも言えますし、それ以外にも重要な役割があります。

後継者や後継者候補の方には、登記や関連するごく基本的なことを是非知っておいていただきたいのです。

それを知っていただくために、今後いくつかにわけて話をしていきたいと思いますのでお付き合い下さい。

 

後継者の学校

http://school-k.jp/