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企業の不祥事とノーベル賞と経営者冥利

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

相次ぐ大企業の不正問題。その根本的原因は何なのか?長い人類の歴史の中で人は何を学んできたのか?繰り返される不祥事は後継者にとっては事業承継前に絶対に知っておかなければ命取りになる大変な問題です。この問題に対して個人的に切り込んでみました。

 

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

フォルクスワーゲンの不正ソフトウェアの問題が世界を駆け巡りました。

「日本への影響は、ディーゼル車の販売延期程度かなぁ。」と思っていたら。今度は、マンションの基礎杭のデータ改ざんや手抜き工事が発覚しました。

フォルクスワーゲン社はソフトウェアの改修で、マンションを販売した三井不動産、杭工事を請け負った旭化成建材は、マンションの建替えで莫大な費用負担を抱え込んでしまうことになりそうです。

そのほかに、課徴金や損害賠償金なども相当な額になることが見込まれています。加えて、関連会社を含めた企業イメージは大きく毀損される結果となりました。支払うこととなった代償は、社会的影響も含めてあまりにも大きい。

目の前の利益のために不正を働く、その代償は、得ることができた利益とは比べようのない額の金銭的損失と社会的信用の失墜。今回の事件の主人公となった企業はいずれも名の通った大企業です。もちろん、だからこそ大きなニュースにもなるのですが…。

梶田隆章さんがノーベル賞を受賞されたことは、このブログでもお話させていただきました。

(以前のブログ↓)
http://blog.school-k.jp/okabe3/

「ニュートリノに質量があることを発見」して、それまでの定説を覆し、宇宙物理学に大きく貢献したということだそうです。難しすぎてよくわかりませんが、昔、コペルニクスやガリレオが初めて唱えた地動説は常識となり、「太陽が地球の周りをまわっている。」と考える人は、一部の宗教的理由を除いて誰もいないと思います。(断言できませんけど)

そして、今はアインシュタインの相対性理論や量子論、超ひも理論など、とても私などでは理解不能なほど科学技術は進歩して、私たちの生活もどんどん便利になってきました。

一方で代償の大きさはわかっているのに、繰り返される企業の不祥事。それも、あんな大企業で。社長さんたちは、いい大学を出て頭がいいはずだろうに…。

何故でしょうか。(ここからは全くの私見なので、この先は読まれている皆さんでお考えくださって結構です)

その差は、知識の蓄積とそれを実践する対象の違いにあるのではないでしょうか。

自然科学の知識は、文献や実験データで着実に蓄積され、時代を超えて研究者間で伝承されて行きます。そして、その知識を実践する相手も基本的に自然界、機械などで、だれがやっても同じ結果となることで事実として認められることになります。

一方、人間や社会を相手にする経営を考えてみますと、知識は、文献などを通して得ることができるでしょう。しかし、その実践の場は、激しく変化する市場(社会)でり、十人十色の従業員(人間)相手であって、自然科学の場合のように同じことは起こるとは限りません。というより、同じことは決して起こらないのです。

さらに、文献などに残された先人たちの知識は、データ化された自然科学と違い、受け取る側の解釈がまちまちですし、その実践は、機械装置ではなく生身の人間の行為にります。実践されて初めて知識として意味があるとすれば、人間が一生を終えるとその知識は本当の意味では承継されないのです。そういえば、哲学の主題は、2千年以上昔のプラトンや孔子の時代から「いかにあるべきか」です。

自然科学の知識は、順調に効率よく蓄積され、膨大な量であり、それらを勉強し理解することは、凡人の私には不可能です。経営にもつながる「いかにあるべきか」は2千年以上の間、今日的問題であり続けています。そして、あの松下幸之助さんも80年の人生をかけて学び、実践されてきたのです。いつもとは言いませんが、できる限り的確な経営判断を続けていくためには、知識とそれを的確に実践し結果を出す能力(=コンピテンシー)が必要です。

自分の一生をかけて学び、実践するということは、松下幸之助さんと私たちとは同じであると言えます。一生かけて会社を経営することで、松下さんに少しでも近づけるとすれば、そして家族や従業員が幸せになるとすれば、経営者冥利に尽きますよね。ひょっとしたら、追い越せるかも・・・。

 

PS

コンピテンシーについては、後継者の学校でも取り上げます。

※コンピテンシー:成果を導く地頭。思考・行動特性。すなわち、モノの見方・考え方・動き方。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

ノーベル賞受賞者の「心・技・体」

後継者の学校パートナーで中小企業診断士の岡部眞明です。

今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。北里大学の大村智さん、東京大学の梶田隆章さんです。

お二人の意識・知識・行動から学ぶ後継者が事業承継に備えて持つべき「心・技・体」についてお話します。

 

後継者の学校パートナーの岡部眞明です。

今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。医学・生理学賞は、「寄生虫によっておこる感染症の治療法の発見」によって北里大学の大村智さん、物理学賞は「ニュートリノに質量があることを発見」し、それまでの定説を覆した東京大学の梶田隆章さんです。

10月6日、7日と2日続けての吉報に日本中が沸きました。私も同じ日本人として誇らしい気持ちになります。

大村さんは、受賞の記者会見で、「とにかく人のためになることを考えなさい。」という祖母の教えを忘れず「常に世の中のためになる研究を心がけ。」土壌の微生物をコツコツ集め続けたそうです。また、梶田さんは、「きちんと(研究を)やっていけば、何かに結びつく、自分の進んでいる道が正しいと思って頑張った。」と研究を進めました。

おふたりのこの言葉からは、仕事に取り組む一本の芯、決意を感じ取ることができます。

また、このおふたりは同じような発言をされています。大場さんは、「微生物がやってくれたことを私が見つけただけで、そんなに自慢できることではない。賞は微生物にあげたい。」、梶田さんは「ニュートリノに感謝をしたい。それから、ニュートリノは宇宙線がつくるものなので、宇宙線にも感謝したい。」と。自分たちの成果は、研究対象から教わったものということでしょうか。

おふたりは、「世の中のためになる」ために「何かに結びつく」という「自分の道」を「きちんと」「コツコツ」研究を進め、「感染症の治療法」や「物理学の定説を覆す」という大きな成果を「微生物」や「ニュートリノ」からいただいたわけです。

従業員を牽引し成果をあげる経営者の方に鍛えていただきたいものがあります。

それは、心(=経営に対する決意と覚悟)、技(=ビジネス知識)、体(=結果をもたらす行動)です。

受賞のおふたりに重ねて見ると、「世の中のため」に「自分の道」という決意・覚悟(心)を以て、いろいろな課題を解決しながら(=体)、研究分野に対する知識(=技)を拡大させて、大きな成果に結び付けています。

おふたりは、何年何十年と毎日、コツコツ仕事を積み重ねてきたわけです。

二宮尊徳は「積小為大」と言ったそうです。これは、日々の積み重ねの大切さのたとえとされています。

残念ながら、受賞のおふたりや二宮尊徳ほどの心・技・体を持ち合わせない身としては、「積小」だけは同じくらいできそうです。そして、それは成果となって現れるでしょう。

「できなかった場合でも、それを反省することで何とか成長したい」。などと思う私は論外かもしれませんが。

PS.

鍛えるべき経営者の心・技・体については、「後継者の学校」で学べます。

 

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