タグ別アーカイブ: 認める

与えられた立場と持っているチカラ

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

今回は自慢話です。

私たちの後継者の学校と提携関係にある「軍師アカデミー」という団体のある会員の方、Tさんのお話です。

彼女は、今回地震見舞われた熊本県にあるトラックの荷台部分を製作する会社の社長の娘さんです。弟さんが次期社長として役員をなさっていますが、ほぼ、現社長であるお父様のトップダウンで物事が決まっています。

弟さんも、他社へ修行に行ったりして、業界や会社のことを一生懸命勉強していますが、どうしても、お父様の存在が大きく悪戦苦闘する日々が続きます。

社員の皆さんも、社長の指示待ちで、仕事に対しても消極的であったようです。

そんな中、Tさんは社長と弟さん、そして社員の間に立ち、社長の考えを弟さんに伝え、役員の考えを社員に伝え、社員の思いを社長や役員に伝える、いわゆるパイプ役、緩衝役を務めます。

しかし、会社の雰囲気はよくなりません。

そこで、Tさんは気づきます。「こんな風にしていること自体がみんなの積極性を奪っている。」

それから、社員の皆さんが積極的に仕事をしてもらうために、弟さんが次期社長として成長してもらうために、軍師アカデミーで学習したことを実践します。軍師として・・・、社長の娘として・・・、後継者の姉として・・・。

いろいろな取り組みをなさっていますが、私がここでする自慢話は2つです。

Tさんのなさったことその①・・・《お誕生日プレゼント》

それまで、社員の方のお誕生日には、退社時に粗品的なものをお渡しをしていたそうです。

それを朝礼の時に時間をずらし、全員の前で大々的に贈呈することにしました。お祝いの品は、Tさんが一所懸命選びます。そして、もちろんかわいらしいラッピングと女性らしい心づかいのメッセージを添えて・・・。

Tさんのなさったことその②・・・《ちょっと、いいことメモ》

社員の皆さんが、普段、仕事をしているなかでしている何気ない行動。そのちょっとした行動、「いいなぁ」と感じたことをノートにメモをします。そして、社員の方とお話しする機会があったとき、それ伝え、社員の方を褒めるようにしました。

「最近は、社内の掃除はもちろん、皆さんが積極的になって、会社が明るくなってきました。」と、Tさんは話します。

『「私は、社員の方がこの会社に入ってよかった。」家族の方や皆さんに「あの会社は、いい会社だよね。」といわれるようになりたいんです。』

そうおっしゃるTさんの決意は周りの人を包み込むような優しくも強いものを感じさせてくれました。

そのような仲間がいることが私の自慢です。

 

話は変わって、古事記のお話。

登場人物は、ご存じの「大国主命(オオクニヌシノミコト)」。

一生懸命、国造りに励みますが、「自分のやっていることが本当に皆のためになっているのか。」と不安になります。

そんなあるとき、「すくなさま」(=少名毘古那神(スクナビコナノカミ))を手伝って、国造りを行うことを命じられます。

大国主命はたくさんのよいことをしてきましたし、そのたびに「大国主命」のおかげですと感謝されてきました。

ところが、「すくなさま」は、名前のとおり小さな小さな、見えないくらい小さな神様でしたので、いっぱい良いことを施しても、みな自分たちでやったと結果とってしまいます。

けれど、大国主命は、すくなさまと一緒にした仕事に、みんなが本当に喜んでいるのを見て、本当に満足します。それまでの、不安な気持ちは吹っ飛んでしまいます。

 

この二つのお話、Tさんと大国主命。共通するところは、自分の与えられた立場とそのもっている力を正しく認識し信じること、また、その力は自分に力ではなく、与えられた力であることに気づくことだと思います。

経営者は大きな力を持っていますが、その力は社員やお客様あってのこと。当たり前のことにきちんと気づきくことは、大国主命やTさんならずとも難しいことではないと思いますが、それを実践するまでには、さらに深い気づきが必要です。

今回は、自慢話から始まりましたが、日本人に昔からある心と経営を考えてみました。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

 

気になる方は、ぜひ一度、後継者インタビューをお試しくださいね。

後継者インタビューお申し込みはこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓
http://school-k.jp/interview/

後継者が知っておきたい“褒める”と“認める”の違い

笠井さんこんにちは。後継者の学校パートナー 人・組織の専門家 笠井智美です。

今回は、人の力を引き出すコミュニケーションについてお伝えします。自律的な社員を育てるためには、褒めて育てるのか、認めて育てるのか?そもそも、“褒める”と“認める”の違いってどんなことなのでしょうか?

前回は、経営の4つの要素の中の、

人・組織・風土づくりについて、お話しさせていただきました。

今回は、その中で少し触れた、“認める”ということについて、

掘り下げてみたいと思います。

 

現経営者のカラーに染まっている会社の中で、

後から入ってきた後継者さんが次の時代を担っていくには、

社員さんに、いかに力を貸してもらえるか、

いかに力を発揮してもらうかが重要になってきます。

 

後継者であるあなたが、社員さんと信頼関係を構築し、

リーダーとして認められなければ、

これから行っていく改革案に聴く耳を持ってもらうことも、

力を発揮してもらうこともできません。

 

そのためには、まず、あなたが社員さん一人ひとりの、

課題もいいところも含めて、“認める”ことが第一歩となります。

 

ところで、似たような意味に使われることが多い言葉に、

“褒める”という言葉があります。

 

“褒める”と“認める”、いったいどう違うのでしょうか?

 

褒めるというのは、基準が褒める側にあります。

「○○ができたから、えらいね。」

「100点取ったから、すごいね。」みたいな感じです。

つまり、背景に上下関係や評価の質があります。

 

他人に評価されるためにやるということは、裏を返せば、

誰かに評価されなければやらないということでもあります。

つまり、受け身の状態ですね。

 

また、個人が評価されることが動機付けで動く環境では、

他人と協力することよりも、

自分が評価されることにエネルギーを注ぎ、

“本質的な”チームや組織での結果に機能しなくなります。

 

そもそも他人の評価で動いているということは、

自律的な社員になるはずはないのです。

 

そればかりか、やらされ感が募り、

メンタル不全の引き金になりかねません。

 

成果主義で、比較や評価でがちがちにしながら、

自律的な社員、自ら考えて会社のために動く社員を育てたいなんて、

相反することなのかもしれませんね。

 

昇進や給与の額を決める人事評価制度は必要ですが、

人材育成や、組織の活性化、風土づくりは、

互いに尊重しあうコミュニケーションのベースがあってこそです。

 

では、“認める”というコミュニケーションとは、

具体的に言うと、どんなことでしょうか?

 

「あなたのこんなところが(こうしてくれたことが)、

私にとってこんな風に助かっている。ありがとう。」

 

このように、評価の基準を満たしていることではなく、

その人が貢献してくれていることへの気づきや感謝、

つまり自分やチームへの影響を伝えるコミュニケーションです。

 

自分が人の役に立っている、リーダーやチームや会社の

役に立っているという貢献を本人が認識することは、

自分が周りに影響を与えられる存在であるという自己効力感

(自己に対する信頼感、有能感)が高まることにつながり、

全体性から自分の役割を認識した、

自発的な行動への動機づけにもなっていきます。

 

しかし、悲しいかな、

他人の欠点や、できていないところに目がいきやすいのも

人間の性ですね。

 

だからこそ、意識して、ささいなことでいいので、

いいところや、貢献してくれていることや、

お陰様を見つけて、

社員さんに伝えてあげてほしいのです。

 

それを見つければ見つけるほど、

あなたの社員さんを見る目が変わり、

社員さんを信頼でき、社員さんも、

それを伝えてくれるあなたを、

リーダーとして信頼してくれます。

 

できないことや知らないことがいっぱいある、

身の丈のままの後継者であるあなたを、

リーダーとして認めて、協力してくれるようになるでしょう。

 

また、自分より勤続歴が長く、現場の仕事を知っている社員さんとも、

“認める”コミュニケーションなら、信頼関係を築くことができますよね。

 

そして、コミュニケーションは伝搬します。

あなたが社員さんを“認める”コミュニケーションをしていれば、

きっと、社員さん同士が互いに認め合い育ちあう風土が

できてくるはずです。

 

もちろん、現経営者にも、その貢献を認めるコミュニケーションを、ね!

 

 

後継者の学校は、後継者を経営者に育てるプログラムをご用意しています。

詳しくはホームページをご覧ください

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

 

気になる方は、ぜひ一度、後継者インタビューをお試しくださいね。

後継者インタビューお申し込みはこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓
http://school-k.jp/interview/