こんにちは。後継者の学校パートナー 人・組織の専門家 笠井智美です。
今回は、人の力を引き出すコミュニケーションについてお伝えします。自律的な社員を育てるためには、褒めて育てるのか、認めて育てるのか?そもそも、“褒める”と“認める”の違いってどんなことなのでしょうか?
前回は、経営の4つの要素の中の、
人・組織・風土づくりについて、お話しさせていただきました。
今回は、その中で少し触れた、“認める”ということについて、
掘り下げてみたいと思います。
現経営者のカラーに染まっている会社の中で、
後から入ってきた後継者さんが次の時代を担っていくには、
社員さんに、いかに力を貸してもらえるか、
いかに力を発揮してもらうかが重要になってきます。
後継者であるあなたが、社員さんと信頼関係を構築し、
リーダーとして認められなければ、
これから行っていく改革案に聴く耳を持ってもらうことも、
力を発揮してもらうこともできません。
そのためには、まず、あなたが社員さん一人ひとりの、
課題もいいところも含めて、“認める”ことが第一歩となります。
ところで、似たような意味に使われることが多い言葉に、
“褒める”という言葉があります。
“褒める”と“認める”、いったいどう違うのでしょうか?
褒めるというのは、基準が褒める側にあります。
「○○ができたから、えらいね。」
「100点取ったから、すごいね。」みたいな感じです。
つまり、背景に上下関係や評価の質があります。
他人に評価されるためにやるということは、裏を返せば、
誰かに評価されなければやらないということでもあります。
つまり、受け身の状態ですね。
また、個人が評価されることが動機付けで動く環境では、
他人と協力することよりも、
自分が評価されることにエネルギーを注ぎ、
“本質的な”チームや組織での結果に機能しなくなります。
そもそも他人の評価で動いているということは、
自律的な社員になるはずはないのです。
そればかりか、やらされ感が募り、
メンタル不全の引き金になりかねません。
成果主義で、比較や評価でがちがちにしながら、
自律的な社員、自ら考えて会社のために動く社員を育てたいなんて、
相反することなのかもしれませんね。
昇進や給与の額を決める人事評価制度は必要ですが、
人材育成や、組織の活性化、風土づくりは、
互いに尊重しあうコミュニケーションのベースがあってこそです。
では、“認める”というコミュニケーションとは、
具体的に言うと、どんなことでしょうか?
「あなたのこんなところが(こうしてくれたことが)、
私にとってこんな風に助かっている。ありがとう。」
このように、評価の基準を満たしていることではなく、
その人が貢献してくれていることへの気づきや感謝、
つまり自分やチームへの影響を伝えるコミュニケーションです。
自分が人の役に立っている、リーダーやチームや会社の
役に立っているという貢献を本人が認識することは、
自分が周りに影響を与えられる存在であるという自己効力感
(自己に対する信頼感、有能感)が高まることにつながり、
全体性から自分の役割を認識した、
自発的な行動への動機づけにもなっていきます。
しかし、悲しいかな、
他人の欠点や、できていないところに目がいきやすいのも
人間の性ですね。
だからこそ、意識して、ささいなことでいいので、
いいところや、貢献してくれていることや、
お陰様を見つけて、
社員さんに伝えてあげてほしいのです。
それを見つければ見つけるほど、
あなたの社員さんを見る目が変わり、
社員さんを信頼でき、社員さんも、
それを伝えてくれるあなたを、
リーダーとして信頼してくれます。
できないことや知らないことがいっぱいある、
身の丈のままの後継者であるあなたを、
リーダーとして認めて、協力してくれるようになるでしょう。
また、自分より勤続歴が長く、現場の仕事を知っている社員さんとも、
“認める”コミュニケーションなら、信頼関係を築くことができますよね。
そして、コミュニケーションは伝搬します。
あなたが社員さんを“認める”コミュニケーションをしていれば、
きっと、社員さん同士が互いに認め合い育ちあう風土が
できてくるはずです。
もちろん、現経営者にも、その貢献を認めるコミュニケーションを、ね!
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