カテゴリー別アーカイブ: 著者

小規模企業白書2015年版に見る事業承継 第2回

永井さん後継者の学校パートナーで中小企業診断士の永井貴之です。

中小企業庁の「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」より、後継者候補の有無と廃業について考えてみます。

後継者候補がいる場合は、後継者候補と現経営者が承継に関する本音の話し合いを持って、明確な合意形成を図ることが事業承継への第一歩です。

廃業には費用も手間もかかります。親族内承継・親族外承継以外には、M&A(企業の合併・買収)や第二創業等の可能性があります。廃業と決めてしまう前に、それらの可能性の検討をお勧めします。

 

後継者の皆さんこんにちは。後継者の学校パートナーの永井貴之です。

今回は「小規模企業白書2015に見る事業承継」の第2回として、後継者の確保について考えてみます。

ブログ画像(永井)2015.11.01提出

※画像をクリックすると拡大します。

【出典:小規模企業白書2015年版】

 

まず、数字を整理しておきます。

■後継者候補の有無

後継者候補がいる           約40%

後継者候補がいない          約40%

廃業するので、後継者は不要      約20%

■現経営者の考え

事業承継を考えている         約50%

事業承継を考えていない        約30%

事業承継しない(自分の代で廃業する) 約20%

 

では、後継者候補の有無を考えてみましょう。後継者候補がいる小規模企業事業者は約4割です。

ここで、2つの問いを立てることができます。

Q1:これらの現社長の考えは、後継者候補に伝わっているか? Q2:後継者候補は現社長の考えを理解して納得しているだろうか?

ただし、「後継者」ではなく「後継者候補」となっていることに注意が必要です。「長男に継いでほしい」などと考えている現経営者が4割あるということですね。あくまで候補ですので、事業承継を進めるには「後継者候補」を「後継者」にしなければなりません。特に親子間の承継の場合は、「継ぐ・継がない」の腹を割った話し合いをしていないケースが多いものです。

 

現経営者と後継者候補との合意形成は事業承継への第一歩です。現経営者は「継いでほしい」という意思を伝え、後継者候補は「継ぐならこういう会社にしたい」という対話による合意形成が必要です。

 

次に、廃業を考えてみましょう。

廃業とは、「理由に関わらず、経営をやめてしまうこと」です。後継者不在により自発的に会社をたたむことも廃業ですし、資金繰り悪化により事業が行き詰まり、法的整理するのことも廃業です。つまり、「廃業=事業の行き詰まり」ではないことに要注意です。

 

廃業と言葉でいえば簡単ですが、費用も手間もかかります。法的手続きを行政書士などに依頼すれば費用がかかりますし、設備や在庫の処分をしなければなりません。何らかの解約金や違約金もかかる場合もあるでしょう。

 

廃業により失うものがあります。雇用です。年間廃業社数約29万社のうち約7万社は「後継者がいない」ことを理由とする廃業であると推定され、これだけの雇用が完全に喪失された場合を仮定すると、失われる従業員の雇用は毎年約20万人~35万人に上ると推定されています(平成18年度版中小企業白書より)。

 

親族への事業承継が不可能ならば、M&A(第三者への売却)や第二創業という可能性があります。第二創業とは、後継者が先代から事業を引き継いだ場合などに、コア技術等の強みを活かして業態転換や新事業・新分野に進出することです。M&Aについては、多くの人が「当社を買う会社なんて無いよ」と考えてしまいがちですが、中小企業においてもM&Aの市場が整備され、成功事例が増えつつあります。財務状況が悪い場合でもM&Aが成立する可能性は大いにあると思ってください。

 

廃業には費用もかかりますし、雇用という大きなものを失います。価値を日々産み出している事業を一部でも残す(M&A)、あるいは姿を変えて残す(第二創業)という可能性を廃業を決断する前に、探ってください。ただし、「廃業はダメ」という意味ではありません。親族や親族外(社員)への承継以外にも選択肢があることを、後継者候補の皆様には知っておいていただきたいですね。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

事業承継によくある話「専門家に相談すると・・・」

後継者の学校の代表の大川原基剛です。

事業承継って、社会的にいろいろと取り上げられていますし、事業承継支援をしているという専門家の方はたくさんいますが、実は事業承継の本質がわからずに支援している専門家の方が結構いらっしゃいます。

そんな専門家に事業承継の相談をした際によくある光景を5つ上げてみました。

 

こんにちは

後継者の学校の代表の大川原基剛です。

事業承継って、社会的にいろいろと取り上げられていますし、事業承継支援をしているという専門家の方はたくさんいますが、実は事業承継の本質がわからずに支援している専門家の方が結構いらっしゃいます。

事業承継と相続がごっちゃになっている専門家がそうなってしまう可能性がありますが、

そんな専門家に事業承継の相談をした際によくある光景を5つ上げてみました。思い当たる節ありませんか?

 

①本当の悩みに応えてもらえない。

本当の不安や悩みは表面に出ていないので、注意深く観察しなければわかりませんし、事業承継について本質的な理解をしていないと、悩みがあることすらわからないかもしれません。

専門家は、不安や悩みをじっくり聞いて本当のところに応える努力をするよりも、持てる知識とテクニックをどう駆使しようかと考える傾向があります。

②相談しても親身になってもらえない。

後継者は何もしらない、何もできないと思い、上から目線で「こんなこともわからんのか」「自分の方が会社のことわかっているから言うこと聞け」とか態度に出てしまう専門家・・・。いますいます。

本当にたまに出くわしますが、同じ専門家としては、ちょっと残念な感じがしてしまいます。後継者が本物の経営者へ成長していくのはこれからですよ。

③専門的な方法論は教えてくれるが、大きな方向性についてのアドバイスはない。

専門家は各論は知識があるのでたくさん教えてくれます。相続税の話とか不動産、会計、事業価値の話とか・・・。でも、事業承継ってもっと大きいもの。次の世代につないで、また次の世代につないで、次の世代につないで・・・ そういうものですよね。

専門家が経営者と後継者と一緒にその将来について考えなければ、いったいどんな事業承継のアドバイスをするのでしょう。小手先のアドバイスだけでは、大きな将来は描けません。

④譲る側(現経営者)の視点ばかりで、受け取る側(後継者)の視点が抜けてる

事業承継アドバイスの依頼を受けるのは大抵が現経営者からですし、報酬をいただくのも現経営者からということになると、現経営者が最終的にうまくいく方法を考えます。これは当たり前のことですし、致し方ないところです。ただ、だからといって受け取る側の視点が抜けてはだめです。これからの企業を背負うのは後継者ですから、事業承継の主役は後継者でなければなりません。

事業承継は、「経営者が後継者に受け継ぐ」ものではなく、「後継者が経営者から受け継ぐ」ものと考えましょう。え・・何が違うかって?主役が違うんです。

⑤事業承継と経営の可能性を広げてくれない。

事業承継を点で考えると、いかにして現経営者と後継者をうまく引き継がせるかという点に注力してしまいますが、事業承継はその機会を生かすか殺すかで、その後事業が大きく発展することもありますし、逆に衰退して、  しまいには大変なことになってしまう可能性もあります。

事業承継は、その取り組み自体で企業価値を高め、将来の可能性を広げる活動にも成り得るのです。

 

※コンテンツby 軍師アカデミー

 

いかがでしたでしょうか?

不安や悩みがあるので、専門家に相談するのは良いことですが、その専門家選びを間違えると、逆効果になってしまいます。下手したら、もっと苦労することになってしまうかもしれません。

 

じゃあ、どうすりゃいいの?だれに相談すればいいの?と思われた方・・・

この後継者の学校のパートナーブログは、後継者が事業承継するヒントがたくさん詰まっていますので、

毎日お読みいただければ、何かをつかめるかもしれません。

 

もっと、聞きたいという方は直接ご連絡いただければ、後継者の学校のパートナーが無料で御相談に応じます。

 

 

また、ブログを見て,ちょっと後継者の学校勉強をしたいなと思った後継者の方

後継者の学校で同じ境遇の後継者の仲間と共に学んでみませんか?

プログラム内容については下記から詳細をご覧ください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://school-k.jp/program

 

プログラム参加はちょっとなあ・・・という方は、
まず、後継者インタビューを受けてみてはいかがですか?

無料で受けられて、気持ちがすっきりするとのお声をいただいております。

後継者インタビューについては下記から詳細をご覧ください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://school-k.jp/interview/

 

「後継者を導く江田島平八」
後継者の学校代表の大川原基剛でした。

ノーベル賞級を支える縁の下の力持ち?

後継者の学校パートナーの岡部眞明です。

今回は、梶田さんがノーベル賞を受賞した「ニュートリノ振動」を実証する実験について、高校生に講演した多田将(ただ しょう)さんが「ニュートリノを研究して何に利用できるんですか?」という質問に答えた言葉をご紹介したいと思います。

「ニュートリノを研究して何に利用できるんですか?」

 

「1個1個の研究成果だけを見ると、一見何の役に立つかわからないし、意味のあることだとは思わないかもしれない。「それ何の役に立つんですか?」って訊かれてうまく答えられない。…ニュートリノは理論的に提唱されてから実際に発見されるまで26年。…(素粒子物理学の世界では)スケールとしては、50年とか100年とかなんて簡単に経ってしまうような、そういう世界なんですね。でも、今それをやらないと、50年後あるいは100年後に、自分たちの子孫が何もできなくなってしまいます。…僕の生きているあいだに、ニュートリノの利用法はたぶん見つからないと思いますよ。でも、いつかニュートリノを利用できる日が来るかもしれない。そういうことなんですよ。

成功した技術など、お金を出せばいくらでも買うことができます。しかし、失敗した経験は、どんなにお金を積んでも手に入れることはできない。実際にやった者だけが手に入れることができる。貴重な財産なのです。」(多田将「すごい実験」(株)イーストプレス)

多田さんは、京都大学大学院を経て、小柴さんを始め何人ものノーベル賞受賞者やノーベル賞級の研究者が集う高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所で、ニュートリノの研究をなさっている、金髪長髪、作業服のユニークな研究者(助教)です。(お会いしたことがないのですが、KEK敷地内で遠目で見る限り、工事現場の変なおじさんといった感じでした。)

多田さんの言葉の中には、自分達の研究の明確な現状認識、世代を繋ぐ長い時間軸の中での果たすべき役割と覚悟、次の世代への深い愛情と強い信頼、人類の未来に対する希望と自信が詰まっているように感じられます。(少々オーバーですか?)

失敗こそが財産といっても、莫大なお金を使って行う実験ですから、緻密な考察に基づいて、綿密な計画のもと、一定の研究成果を目指して、日々の実験とその評価を積み上げていく地道な作業(目指す現象が現れる確率は50億分の1だとか)が、ノーベル賞にもつながる成果となって現れるわけです。

創業の時、あるいは、会社を引き継ぐとき、その会社が長く続いてくれることを望まない人はいないと思います。

50年後、100年後の我が社はどのような姿になってほしいのか?

そして、そのためには今日何をしなければならないのか?または、してはならないのか?

「日々の積み重ねが大切!」といってもお金も人も限られるなか、やみくもに突っ走るのは無鉄砲すぎます。限られた経営資源をどう使っていけばよいのか?従業員やその家族のためによりよい未来を獲得して、理想の会社をつくり上げるには、目標到達までのシナリオが必要です。

経営者の学校では、そのシナリオ作りも学べます。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

後継者は自分のトリセツを持とう!

笠井さん後継者の学校パートナーの笠井智美です。

自分がどんな時に力を発揮し、どんな時に力を発揮しづらいか?自分を客観視することで、あなたらしくリーダーシップを発揮することができ、周りをどう活かすかが観えてきます。

今日は後継者自身が、自分のトリセツ(取扱い説明書)を持つことをお勧めする理由についてお伝えします。

 

こんにちは。後継者の学校パートナーの笠井智美です。

このブログでは、後継者の方々が自分の人生や事業承継に向き合い、

経営者としてのリーダーシップを発揮して、

経営革新を起こしていくための自己革新のプロセスについて、

書かせていただいております。

 

今日は後継者自身が、自分のトリセツ(取扱い説明書)を持つことを

お勧めする理由についてお伝えします。

 

中小企業では経営者の物事の捉え方、考え方や行動の特性が、

直に経営に影響を及ぼします。

つまり、経営者が自分を客観視できていないと、

判断を誤って、まわりを巻き込んでしまう危険がありますよね。

 

そもそも自分は、どんなものの捉え方をしやすいのか?

どんな時に活き活きと力を発揮し、どんな時に力が発揮できなくなるのか?

何に捉われやすく、どんなことに影響されやすいのか?

 

無意識のままでは、コントロール不能ですが、

意識できれば、予防策をとったり、サポート体制をとることもできます。

また、どんな時に自分のバイタリティが発揮できているのかに気付けると、

それを経営に意識的に活かすこともできます。

ほうっておいてもパフォーマンスを発揮するところを、

活かさない手はないですものね。

 

そして、自分を観察して、自分のトリセツを作るように、

周りの人を観察して、自分やチームを助けてくれる特徴を、

見つけてみてもいいですね。

 

この人は、どんな時にどんな力を発揮する人なのか?

どんな時に活き活きと能力を発揮してくれるのか?

どんな時に、力を出せなくなってしまうのか?

 

それが観えてきたら、その人への関わり方も、

より相手が力を発揮できるような関わり方になっていくでしょう。

 

自分を知って、相手を活かす。

相手を知って、自分を活かす。

 

互いを活かしあって、

共に目指すところを実現していく。

 

そんなパートナーシップを社員さんたちと築きたい方は、

ご自身のトリセツから作ってみて下さい。

 

どうやって作るかって?

ほら、スポーツ選手がよくやっていますよね?

サッカーノートみたいなもの。

うまくいったとき、うまくいかなかった時を観察し続けると、

おのずと自分のトリセツが出来てきます。

ぜひ、そのトリセツを経営に活かして下さいね。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

後継者に知っていて欲しい会社の登記(その4)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

株式会社は、「所有」と「経営」が分離しているという言葉を耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

何やらとっつきにくい話になってきそうですか?

内容はいたって簡単です。

少しお付き合い下さい。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

株式会社は、「所有」と「経営」が分かれているという言葉を聞いたことがありますか。

 

会社を所有している人、これが株主で、会社を経営している人が、役員。

 

会社の所有者である「株主」は、その社名や事業内容、そしてその会社を経営するのは誰にするかなど基本的、根本的なことを決定する権限を持っています。

その株主から、実際の会社の経営を任された人が「役員」である取締役。

 

しかし、たいていの中小企業は、特に創業社長は、ご自身が出資して会社をつくり、当然ご自身が経営をしているので、所有と経営の分離とか言われてもぴんとこないことが多いと思います。

 

法律的には、株主である自分が、自分自身を取締役として選び経営を任せているという構図になります。

 

社長が、日々経営判断を行い、時には事業内容を大きく変化させたりして会社を運営している。

ごくありふれた光景だと思います。

 

ですので、端から見ると社長が会社を所有しているというように思いますよね。

でも、本当にそうなのかどうかは見た目ではわかりません。

 

創業社長は所有者であり経営者であるかのような表現をしましたが、株式を全く所有していないということは無いかもしれませんが、全ての株式を所有しているとは限りません。

他にも株主がいる可能性は十分あります。

 

大きな枠での事業内容を決めたり、取締役を誰にするのかを決めたりできる会社の所有者である株主。

重要な存在ですよね。

 

これまで、後継者や後継者候補の方に対して、事業承継する会社や取引先の会社のことを知るために登記内容を確認してみて下さいと申し上げてきましたが、残念ながら株主が誰かということは登記内容にはなっていません。

 

では、株主が誰であるのか知る方法はあるのでしょうか。

 

この続きは、また次回にしたいと思います。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

実録 事業承継~株の事知っていますか?②~

後継者の学校パートナーの河合由紀子です。

事業承継というと、株の所有権を後継者に移せば終わりと考えていらっしゃる方が割と多いかもしれません。でも、事業承継って本当にそれだけで終わるのでしょうか?所有と経営の一致しているオーナー企業の場合、株式の移転とともに後継者に経営権を移していかなければなりません。この考え方や手順を間違うと大変なことになる可能性があります。

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは私自身の事業承継の経験を踏まえ、またお客様の事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

本日は、前回の続きの株の移転のお話です。前回は、オーナー企業の所有と経営の考え方について少し書かせていただきましたが、今回は具体的にどのように移転していくかについて書かせていただきます。

 

株式移転のプロセス

理想的な株式移転のプロセスは、後継者が代表者になる前に株主の株式を買い取るということです。複数の株主がいる場合には、個別に話し合いをして、後継者が経営者になることを認めてもらうことが大切です。

普段はあまり気にされることがなく、意外と見落としがちな株式ですが、会社の所有権を左右する重要な事項です。分散している場合などは特に、大変なことがおきる可能性があるため注意が必要です。ブログをお読みいただいている後継者の方、特に確認してください。

まず、現在の株主を確認します。誰が何株持っているのか?です。いったい何を確認すればいいの?と思われるかもしれません。たいてい、法人税の申告の際の別表2を見てくださいと言われますが、それを信じて良いかどうかはケースバイケースです。

次に株価を算定します。これは必ず専門家にお願いしてください。根拠のない金額で取引すると後々もめる可能性を残すことになりますし、実際の価値より低すぎる金額で売買してしまった場合には、贈与税の問題が発生する可能性もあります。

そして、株主それぞれと交渉してください。

 

主役は後継者

株の移転のご相談を受けることがよくありますが、お話をいただくのは後継者の方ではなく、経営者の方からの場合が圧倒的に多いです。経営者はご自身の財産と考えておられますので、基本的な考え方が相続の問題とからめてのご相談ということになります。しかし、中小企業の株の価値は経営者の努力次第で上がったり下がったりするものです。だから、基本的には所有権と経営権は同一の方が持つべきです。

しかし、経営者の財産と考えると、後継者の方から株式を移転してほしいという話はなかなかしにくいものです。そこで、株は相続と切り離して考えるということが重要になってきます。相続と切り離すためにも後継者が買い取ることが必要なのです。

 

後継者の学校では、細かいテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みがたくさん入っています。

また、後継者インタビューも無料でさせていただいています。ご興味のある方は是非ホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください!

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

 

事業承継が創業と違う理由をキャッシュフロークワドラントにあてはめて考える

児玉写真後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

後継者は経営者になるとき、どのようにステージが上がるのか?をある歯科医院の先生とお話していたら、キャッシュフロークワドラントの話になりました。深めていくと面白い発見があったので共有したいと思います。

 

後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

「キャッシュフロークワドラント」という言葉を聞いたことがありますか?

十数年前に流行った「金持ち父さん・・」のロバート・キヨサキさんが著書の中で触れていた言葉です。

(気になる方は検索してください)

 

CFQUAD

 

4つの収入の得方の分類で、左と右では「労働収入」と「権利収入」に分けられ、

左側は収入の増加は労働時間の増加と比例し、右側は反比例すると本には解説されています。

 

E=従業員

S=自営業者

B=ビジネスオーナー

I=投資家

 

 

都内のある歯科医院の院長先生とお話した時のことです。

その方は後継者で10年前に現在のクリニックを承継されて院長になられました。

経営者と職人ついて話していただいた内容をシェアさせていただきたいと思います。

 

・・・・・・・・・・・・

 

歯科医というのは技術者です。

しかし、ひとたびクリニックを構えれば「経営者」になります。

 

多くのクリニック経営者がそうであるように、歯科医院の経営者もまた「経営」という未知のものが好きではない傾向があるようです。

 

大学でも就職先でもそんなことは誰も教えてはくれないのです。

多くの社会人がそうであるように 大学を出たからといって、すぐに一人前になれるわけではありません。 自分の診療の技術を高めるために学び続けなければいけません。

与えられた環境ですべてが学べるほど甘くもありません。

そして、E=従業員であることの限界が見えてくると開業準備が始まります。

 

S=自営業者 のステージに行くわけです。

 

とここまでは順調なストーリーであり、このまま歯科医師人生を全うする人も少なくありません。

職人としての誇りを持ち、自営で家族を養う。素晴らしい生き方です。

 

ただ、このあとにも進もうとすれば道はあります。

・分院展開をしてより多くのキャッシュポイントを持とうとする場合

・事業承継してご子息または第3者に渡す場合

 

こんなケースが出てきます。

 

 

これがまさに

S=自営業者からB=ビジネスオーナーへの転換期だということです。

この転換がうまくいかないと

・分院つくっても忙し過ぎて夜も眠れない・・・

・親父はいつになったら、医院を譲ってくれるんだ・・・

ということになるのだなということになりました。

 

ビジネスオーナーになれたかどうかは収入と時間の関係を見れば判断できます。

収入は増えていくのに労働時間が減っているのであればビジネスオーナーになっていると言えます。

 

分院の場合は自分より優秀な技術者、経営者を雇う器量があるかどうか、権限移譲ができるかどうかが重要になります。

「これは自分じゃできないな~この人がいてよかった。この人大事にしよう。」

こう本心で思えるようになるまでは、S=自営業者 のままです。

 

 

事業承継もそれと同じだと

後継者が自分より優秀な「親父」を S=自営業者 として乗っ取ることができたら

B=ビジネスオーナーになり、真の経営者になるのだなと

これは創業と承継の「受け取るもの」の大きな差なのではないかと思うわけです。

なかなか面白い議論になりました。

 

 

このエピソードに胸がざわついた

そんな後継者の方! まずは

後継者インタビューを受けてみてはいかがですか?

無料で受けられて、気持ちがすっきりするとのお声をいただいております。 後継者インタビューについては下記から詳細をご覧ください。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://school-k.jp/interview/

「後継者と共に強い会社をつくる財務戦略の専門家」
児玉秀人でした。

私が得意なのは以下です。
・資金調達のための経営改善計画書の作成
・設備投資と事業計画に基づいた財務計画の策定
・ホームページコンサルティング(1クール6か月)
・人材採用・育成コンサルティング(1クール6か月)

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

後継者のためのワンポイント労働法②〜懲戒処分〜

後継者の学校パートナーの佐藤祐介です。

事業承継をすれば,後継者は必ずと言っていいほど労務管理という場面に直面します。そこで,その労務管理をするにあたり深い関わりをもつ労働法について,ざっくりと解説します。今回のテーマは懲戒処分です。

第1 はじめに

後継者の学校パートナーの弁護士の佐藤祐介です。

今回は,労働法の「懲戒処分」について,ざっくりとお話させていただきます。前回に引き続き,まずは次のケースをご覧ください。なお,下記登場人物は株式会社後継者の学校とは関係ありません。念のため。

<ケース>

大川原さんは,後継車の高校という会社(もはや何の会社かわからなくなってしまいました・・・)の社長です。そんなある日,部下の児玉さんが,大川原さんのもとへやってきました。

児玉:社長!佐藤がまた社内でトラブルを起こしましたよ・・・さっき,始末書を書かせたところです。処分はどうしますか?

大川原:そうだなぁ・・・懲りないやつだから,給料を下げるのも止むを得ないかもなぁ・・・

第2 上記事例を見てどう思いましたか?

上記ケースのようなやり取りは,程度に差はあれ,よくある話かと思います。ですが,この事例において,大川原さんが懲戒処分として減給を行うことには問題があります。というか,問題ばかりです。

会社の秩序維持のため,懲戒権を行使するか否か,経営者として判断を迫られる場面もあります。できればそんな場面に直面しない方が良いですが,いざという時のために問題意識を知っておくことは,後に裁判で争われないためにも有意義です。

 

第3 上記事例の問題点は?

さて,それでは上記事例の問題点をざっくり挙げていきます。

・佐藤の起こしたトラブルは具体的にどのようなものだったのか,確認できているのか。

・そもそも就業規則に懲戒処分の根拠は記載されているのか。

・そもそも始末書を書かせること自体が譴責として,懲戒処分ではないのか。

・減給は,懲戒処分としてバランスを失しないのか

・佐藤の言い分は聞いたのか。

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。これらが具体的にどのような法的問題を持っているのかは省略しますが,単純な事例1つをとってみても,こんなに問題があるんだというのがお分かりいただけたかと思います。

 

第4 まとめ

今回は,懲戒処分にスポットをあててみました。頻繁に懲戒権を行使することはないかもしれませんが,いざという時のために上記問題意識をもっておくことは後のトラブルを回避するために必要かと思います。

なお,最後に,私の関わっている後継者の学校における活動の1つを紹介させてください。

後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評を得てきました。

興味が湧いた方は,お気軽にインタビューを受けてみてください。自社と向き合う良いきっかけになるかもしれません。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

 

後継者に知っていて欲しい会社の登記(その3)

後継者の学校パートナーの木村貴裕です。

その1でお伝えしたように株式会社の登記内容の一つに「役員」があります。

役員とはご存じのように取締役や監査役のこと。

事業承継する会社の登記は、現在どのようになっていますか。

登記内容を確認する費用はたった600円ですよ。

 

こんにちは、後継者の学校パートナー、司法書士の木村貴裕です。

 

平成18年5月に会社法が施行されてから、10年近くになろうとしています。

余談ですが、他の方のパートで「労働法」という名前の法律は無いという話がありましたが、それ以前は「会社法」という名前の法律もありませんでした。

 

それまで株式会社を規律していた法律は商法なのですが、これが会社法になってから株式会社にとって大きく変更になったことがいくつかあります。

代表的なものの一つに、取締役が1人だけでもよくなったこと。

そして、監査役という役職の人を置くことも任意になったこと。

 

以前は、最低でも取締役が3名、監査役が1名必要だったため、人数あわせのために無理に誰かに取締役や監査役になってもらっていたという会社も多くありました。

実際は会社に一切関わっていない人の名前だけ借りていたということも。

 

会社法が施行されてから、

「これを機に実質的な役員のみを残し、名前だけ借りていた取締役や監査役などの役員は登記から省きたい。」

という相談がよくあります。

 

でも結局はそのまま人数あわせの役員の名前を残すという選択をされる会社も、これまた少なくありません。

理由は、通常の役員変更登記より費用がかかるということからです。

 

多くの中小企業では、ただの役員変更登記なら登録免許税という実費が1万円なのに、例えば取締役を2名にしたいとか監査役はいない状態にしたいとなると7万円になってしまいます。

 

この登録免許税が高額になる理由は、簡単にいうと一部の役員の名前を単に省くということに限らず、それ以外にも登記の内容がいくつか増えることから起こります。

 

これくらいの登記費用がかかりますよ(ここには当然司法書士の報酬なども加算されますが)とお伝えすると、

「そんなに費用がかかるなら今まで不自由していなかったので、そのままにしておきます。」という返事をいただきます。

 

後継者や後継者候補の方に伺いたいのですが、この答えには何か違和感というかしっくりこないものを感じませんか。

 

また、会社の登記内容は誰でも確認することができるようになっていると以前お伝えしましたが、登記所で登記事項証明書を発行してもらうのにかかる費用は600円、ネット上で内容を確認するだけなら337円ですることができます。

 

会社として数万円もかけてきちんとするのはちょっと思っていても、登記というのは、外部からはその内容を気軽に確認することができるものなのです。

できるというより、確認されているものだという認識を持ったほうがよいでしょう。

 

事業承継の際には当然役員変更登記をすることになります。

ご自身が承継する会社の登記を、今一度確認してみてください。

 

先に述べた、違和感、しっくりこない感じは何なのか、感じた人も感じなかった人も後継者の学校で一緒に考えてみませんか。

 

まずは
後継者インタビューを受けてみませんか?

無料で受けられて、会社やご自身のことを客観視できる機会を持つことができたとのお声をいただいております。

 

後継者インタビューについては下記から詳細をご覧ください。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://school-k.jp/interview/

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ

企業の不祥事とノーベル賞と経営者冥利

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

相次ぐ大企業の不正問題。その根本的原因は何なのか?長い人類の歴史の中で人は何を学んできたのか?繰り返される不祥事は後継者にとっては事業承継前に絶対に知っておかなければ命取りになる大変な問題です。この問題に対して個人的に切り込んでみました。

 

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

フォルクスワーゲンの不正ソフトウェアの問題が世界を駆け巡りました。

「日本への影響は、ディーゼル車の販売延期程度かなぁ。」と思っていたら。今度は、マンションの基礎杭のデータ改ざんや手抜き工事が発覚しました。

フォルクスワーゲン社はソフトウェアの改修で、マンションを販売した三井不動産、杭工事を請け負った旭化成建材は、マンションの建替えで莫大な費用負担を抱え込んでしまうことになりそうです。

そのほかに、課徴金や損害賠償金なども相当な額になることが見込まれています。加えて、関連会社を含めた企業イメージは大きく毀損される結果となりました。支払うこととなった代償は、社会的影響も含めてあまりにも大きい。

目の前の利益のために不正を働く、その代償は、得ることができた利益とは比べようのない額の金銭的損失と社会的信用の失墜。今回の事件の主人公となった企業はいずれも名の通った大企業です。もちろん、だからこそ大きなニュースにもなるのですが…。

梶田隆章さんがノーベル賞を受賞されたことは、このブログでもお話させていただきました。

(以前のブログ↓)
http://blog.school-k.jp/okabe3/

「ニュートリノに質量があることを発見」して、それまでの定説を覆し、宇宙物理学に大きく貢献したということだそうです。難しすぎてよくわかりませんが、昔、コペルニクスやガリレオが初めて唱えた地動説は常識となり、「太陽が地球の周りをまわっている。」と考える人は、一部の宗教的理由を除いて誰もいないと思います。(断言できませんけど)

そして、今はアインシュタインの相対性理論や量子論、超ひも理論など、とても私などでは理解不能なほど科学技術は進歩して、私たちの生活もどんどん便利になってきました。

一方で代償の大きさはわかっているのに、繰り返される企業の不祥事。それも、あんな大企業で。社長さんたちは、いい大学を出て頭がいいはずだろうに…。

何故でしょうか。(ここからは全くの私見なので、この先は読まれている皆さんでお考えくださって結構です)

その差は、知識の蓄積とそれを実践する対象の違いにあるのではないでしょうか。

自然科学の知識は、文献や実験データで着実に蓄積され、時代を超えて研究者間で伝承されて行きます。そして、その知識を実践する相手も基本的に自然界、機械などで、だれがやっても同じ結果となることで事実として認められることになります。

一方、人間や社会を相手にする経営を考えてみますと、知識は、文献などを通して得ることができるでしょう。しかし、その実践の場は、激しく変化する市場(社会)でり、十人十色の従業員(人間)相手であって、自然科学の場合のように同じことは起こるとは限りません。というより、同じことは決して起こらないのです。

さらに、文献などに残された先人たちの知識は、データ化された自然科学と違い、受け取る側の解釈がまちまちですし、その実践は、機械装置ではなく生身の人間の行為にります。実践されて初めて知識として意味があるとすれば、人間が一生を終えるとその知識は本当の意味では承継されないのです。そういえば、哲学の主題は、2千年以上昔のプラトンや孔子の時代から「いかにあるべきか」です。

自然科学の知識は、順調に効率よく蓄積され、膨大な量であり、それらを勉強し理解することは、凡人の私には不可能です。経営にもつながる「いかにあるべきか」は2千年以上の間、今日的問題であり続けています。そして、あの松下幸之助さんも80年の人生をかけて学び、実践されてきたのです。いつもとは言いませんが、できる限り的確な経営判断を続けていくためには、知識とそれを的確に実践し結果を出す能力(=コンピテンシー)が必要です。

自分の一生をかけて学び、実践するということは、松下幸之助さんと私たちとは同じであると言えます。一生かけて会社を経営することで、松下さんに少しでも近づけるとすれば、そして家族や従業員が幸せになるとすれば、経営者冥利に尽きますよね。ひょっとしたら、追い越せるかも・・・。

 

PS

コンピテンシーについては、後継者の学校でも取り上げます。

※コンピテンシー:成果を導く地頭。思考・行動特性。すなわち、モノの見方・考え方・動き方。

 

後継者の学校
http://school-k.jp/
後継者の経営、後継者の勉強、後継者主導の事業承継を学びたいなら「後継者の学校」へ