司法書士の木村貴裕です。
小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。
ほんの少しでも何か感じてもらえそうなものをこれから少しずつ紹介したいと思います。
後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。
後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。
私は通勤時間をもっぱら読書にあてております。
地下鉄なので外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。
経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。
後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。
今回紹介するのは、
「これは経費で落ちません! 経理部の森若さん」青木祐子 著(集英社)
タイトル、そして裏表紙に、「営業部のエースが持ち込んだ領収書には「4800円、たこ焼き代。」」とあったので、てっきり池井戸潤著の「不祥事」に登場する花咲舞のような女性が主人公の話かと勘違いしていました。
勝手な予想に反して、大変おとなしく波風を立てるのを嫌う女性でした。
主人公の視点を中心に、たまに他の登場人物の視点を交えて、社内の人間模様を描く作品です。
読後、主人公(のような女性?)に会ってみたいと思ったし、その先の物語が気になるというなかなか楽しめる作品でした。
が、しかし、どうも納得のいかない部分が多いのです。
本意ではありませんが、作品にけちを付けているように受け取られるだろうなぁというのを覚悟の上で申し上げると、
いくつか生じる問題の解決方法に「それで良いのでしょうか、森若さん。」と問いたい気持ちがわき上がってきます。
コンプライアンス上問題だ、と大上段にかまえるつもりはありませんが、今回は小さな問題かもしれないが、小さなほころびがやがて大きなほころびになりはしないかと不安になります。
「放っておいたら後々大きな問題に発展するかもしれない。ああ、社内のこのたるんだ空気をなんとかしたい。」と。
でもこの思いをストレートにぶつけるとどうなるのでしょうか。
実はここで考えたいのは、後継者が第三者的な目で社内を見ると、色々改善したいところが目に付き、それらに着手するも、社員からはどんどん浮いた存在になっていく。
正論を言い、正しい行いをしているはずなのに、皆からはうっとうしがられ疎外感を味わう。
そういう経験をされた後継者も少なくないのではないでしょうか。
この「将来的に問題になる前になんとかしたい。」という思いは間違っているわけではありません。
会社を少しでも良くしたいという気持ちは大切です。
でもそれを行動に移す前に知っておきたいこと、注意しなければならないことがあります。
後継者候補、もしくはもう後継社長となっているかもしれませんが、まだ会社に馴染んでいない浮いた存在のままで、ストレートに正論をぶつけても良い反応は返ってこないでしょう。
後継者の学校では、後継者や後継者候補のために、人・組織の問題や独自のリーダーシップ論など事業承継に関する幅広い内容のプログラムを用意しています。
ご興味のある方は、一度ご連絡下さい。
今回紹介した小説は、「風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室」という話の続編のようです。
そちらも読んでみようと思います。
もしよろしければ、皆様も一度手に取ってみて下さい。
この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。
後継者の学校
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気になる方は、ぜひ一度、後継者インタビューをお試しくださいね。