後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。
ピョンチャンオリンピックが終わりました。わが日本としての結果は、冬のオリンピック史上最高のメダル獲得(金メダル4個、銀メダル5個、銅メダル4個)がという結果で、事前の予想を大きく超える盛り上がりでした。
オリンピックは、スポーツの素晴らしさやその舞台にかけた選手たちの物語に心を打たれるシーンを常に用意してくれます。今回も、スピードスケート女子500メートルで金メダルに輝いた小平奈緒選手がレース後、銀メダルに終わったイ・サンファ選手の肩を抱き健闘をたたえる姿、4年越しの銅メダルを獲得した高梨沙羅選手を抱きしめて祝福する伊藤有希選手を見て感動した!方が多かったのではないでしょうか。
その他にも数々の感動シーンがありましたが、今回取り上げるのは平野歩夢選手(19)です。
皆さんもご存じのとおり、彼は、スノーボードハーフパイプで銀メダルを獲得しました。
彼は、前回、ソチで銀メダルを獲得しているので、15歳の頃から世界の実力者であり続けたのです。2017年3月の大会で、左ひざ靭帯と肝臓を損傷する全治3ヶ月の大けがを負い、それから1年足らずで、彼の実力を世界に示す銀メダルだったのです。
スノーボードといえば何年か前の大麻吸引事件のイメージからか、おじさんとしてはあまり良いイメージではありませんでした。実際、テレビに移される平野選手はピアスをした現代っ子で、近頃の若いもんそのものという印象でした。
発する言葉も「まわりを黙らせるすべりをするしかない。狙うのは金メダル」と強気の発言、「もう少し謙虚な発言はできないのか、若者よ」と、私。でも、口調はあくまで穏やかです「!?」。「この子、いや、この青年、本当はすごいかも」
そして、別のインタビューでは、ここで「イェーイ!とか言いましょうか」との問いに「いえ、僕はそういう人間ではないので」と断る場面に出くわした私は、「歩夢ファンになるかも。」と、印象が変わっていきました。
そんなこんなで、迎えた決勝では、「ダブルコーク1440(4回宙返り2回ひねりということらしい)」という、世界でもできるのは2~3人というわけのわからない大技を2回連続で成功させ一時トップに出ますが、最後に、第一人者のショーン・ホワイト選手に逆転されて、惜しくも銀メダルに終わりというものでした。
昨年の大けがは、ダブルコーク1440(「せんよんひゃくよんじゅう」ではなく「フォーテーンフォティ」と読みます、念のため。)にチャレンジした際に起きたアクシデントだったそうで、恐怖もあったはずのその技をオリンピックの大舞台で2回も決める精神力の強さはさすがと言わざるを得ません。
試合後のインタビューです。「前回も銀で、上を目指すために4年間練習してきたので、ちょっと悔しさも残っているが、自分が今できる範囲の中では、全力でやれたのかな、と素直に思う。楽しかったです。最後の3人、みんな争って、最後の順番もいい並びというか。今までイチの大会だったと思う。本当に、全ての人たちに、感謝しかない。終わってみて考えると…。その力が今回、この大会でも結果になったのかなと思う。」(https://matome.naver.jp/odai/2151921022199982301)
平野歩夢、高梨沙羅、伊藤有希、高木美帆、高木菜那…女性ばかりになってしまいましたが…。渡部暁斗さんも言葉もすごかったけれど、骨折していたことを明かさなかったのもすごいというより、美しい!彼の美学なのでしょう。
選手一人ひとりに、悔しさや挫折があり、選手の数だけの物語が詰まった2週間余が過ぎた今、祭りの後のうら寂しさより、日本の若者はことのほかの(失礼)素晴らしさが残った大会でした。
社長、人が育つには挫折も時間も必要です。だから、渡すための時間と心と環境の準備が肝心です。