カテゴリー別アーカイブ: 知識茂雄

あたり前を知る

後継者の学校パートナーの知識茂雄です。

後継者の多くは、事業承継に関して“知らない”ことで漠然とした不安を抱いています。事業承継は多くの人にとって初めての経験なのに、知らないことに引け目を感じてしまっているように思います。

また、自分と現経営者の人としての違いにも多くの人が戸惑っています。自分と現経営者を比べて、自分に務まるだろうかと思ってしまうのです。

多くのことを知らないのもあたり前、他人と自分の強みやリーダーシップの発揮の仕方が違うのもあたり前。そこに気づいたとき、人は素直に学ぶことができるようになります。

 

多くの後継者は、何かしらの漠然とした不安を抱えているものだと思います。

 

アメリカの思想家・哲学家のラルフ・ワルド・エマーソンは、「恐怖はつねに無知から生じる」と言いました。

 

そして、多くの後継者は事業承継について無知です。

 

事業承継によって、自分の身にどんな課題が降りかかってくるのか?

 

そこにどう対処すれば良いのか?

 

それがわからなければ、怖くてあたり前、不安になってあたり前です。

 

そして、そこにはもう一つのあたり前があります。

 

それは、無知であること自体があたり前であるということです。

 

なぜならば、事業承継ってほとんどの方にとって初めての経験であるはずだからです。

 

だから、知らなくて、わからなくてあたり前なのです。

 

もう一つ、後継者が気づいていないかもしれない、いや頭でわかってはいても実感できていないかもしれないあたり前があります。

 

それは、人間は一人ひとり価値観も、判断基準も、思考パターンも、得意も苦手も、長所も短所も何もかも違うということです。

 

たとえ血のつながった親子であっても…です。

 

現経営者と自分のリーダシップのあり方の違いを感じ、それを不安に思う人も多いと思います。

 

でも、そもそも違ってあたり前なのです。

 

事業承継とは、ただそのままを受け継ぐことを意味しません。

 

後継者として、既に価値あるものを引き継ぎ、より価値を生み出していく、もっと能動的なものです。

 

自分なりのやり方で、変えていけば良いのです。

 

自分の色に染めていけば良いのです。

 

たった今が無知であるのはあたり前、無知であるがゆえに不安があるのもあたり前、現経営者と自分の違いに不安があるのもあたり前、すべてがあたり前なのです。

 

あたり前なのに、何となくそのままではいけないのではないかと思い込んでしまったり、多くを知らないことに引け目を感じてしまったりと、その漠然とした不安が”知らないからこそ積極的に学ぶ”ということを阻害してしまっているのかもしれません。

 

「そうか、あたり前なのか!」

 

そう思えただけで安心感が湧いてきませんか?

 

「後継者の学校」では、皆さんが多くのことを知らないことで不安になっていることを知っています。

 

知識だけ学んでも、「こうすれば良い」と頭で理解できても、なかなか実践には至らないことも知っています。

 

だからこそ、後継者の気持ちに寄り添いながら本質的かつ実践的な学びを提供します。

 

安心して学びに来てください。

 

まずは、「後継者インタビュー」を受けてみませんか?今抱えている悩みを語るだけでもすっきりしますよ!

 

ご興味のある方は是非ホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください!

コミュニティを承継する

後継者の学校パートナーの知識茂雄です。

被災地熊本の企業に今求められるは、この苦難を乗り越え立ち上がるためのレジリエンス(回復力、復元力)です。

そしてそのレジリエンスは様々なコミュニティとのつながりにより発揮されるものです。

事業承継とは、そのコミュニティとのつながりという大きな財産を承継するということでもあります。

 

平成28年熊本地震から50日が経過しました。

 

被災地熊本に住んでいると、50日経った今でも日常の生活から”地震”を切り離すことはできません。

 

未だ多くの人たちが避難生活を余儀なくされる一方で、街中では多くの人が行き交い日常を取り戻しつつあります。

 

熊本県内の多くの企業も大きな被害を受け、企業活動再開に向けてもがいています。

 

地元熊本に根ざした多くの老舗企業とて例外ではありません。

 

そういった企業が、先の見えない中で、それでも復興に向けて前を向いていけるのは、地域の期待と支えがあるからに他なりません。

 

今回の震災で150年近くの歴史を持つ醸造所も壊滅的な被害を受けました。

 

そして、その復興を先頭に立って支援しているのは、地元商店街の方たちです。

 

それはなぜか?

 

その企業が常に地元のコミュニティに対して貢献し続けてきた、すなわち公益性を追求し続けてきたからに他ならないと思います。

 

そして、そうやって築いてきた地域コミュニティとのつながりは、企業にとっても財産となるべきものです。

 

最近、心理学の世界では、レジリエンス(回復力、復元力)という言葉が注目を集めています。

 

まさに今、熊本の企業にはこのレジリエンスが求められています。

 

個人におけるレジリエンスは、人とのつながりを感じることによって得られるものだとも言われています。

 

「自分は一人ではない。」

 

こころの支えとなる他者の存在が、苦難を乗り越える原動力となります。

 

これは、企業においても言えることだと思います。

 

地域を始めとする様々なコミュニティとのつながりがあって初めて、企業はレジリエンスを発揮できます。

 

そしてそのつながりは、一朝一夕に築けるものではありません。

 

事業承継とは、このコミュニティとのつながりという大きな財産を承継することでもあるのです。

 

 

「後継者の学校」では、事業承継の本質を捉えた学びを提供しています。

 

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事実と向き合う覚悟

セブン&アイHDの鈴木前会長の引退劇を見て感じること。後継者が現実と正面から向き合い覚悟を決める必要があるのと同じように、経営者もまた事実と向き合い覚悟を決める必要があります。

後継者の学校パートナーの知識茂雄です。

セブン&アイHDの鈴木前会長の突然の引退問題がメディアを賑わせています。

「老害だ。」

「潮時を見誤った。」

「晩節を汚した。」

事ここに至って、散々な言われようです。

どんなに優秀な経営者であっても、いずれ、必ず事業承継の問題に突き当ります。

そして、この問題が難しいのは、自ら向き合おうとした人にしかその問題は見えないということです。

目をそむけようと思えば、いくらでもそうすることができるのです。

「まだまだ自分でやれる。」

「今はまだその時期ではない。」

「時期がくれば自ずと誰かが台頭してくるだろう。」

そう考えているうちに、時間はどんどん過ぎていきます。

優秀であればあるほど、実績を残せば残すほど、将来、いや本来目の前にあるはずの問題に向き合う意識は希薄になっていくのかもしれません。

(鈴木前会長がそうだったのかどうかは知る由もありませんが。)

後継者には後継者としての、事業を引き継ぐものとしての覚悟が必要です。

それと同時に、もう一人の当事者である経営者もまた、後進に道をゆずる覚悟が必要です。

その覚悟には、”自らの経営スタイルをそのまま踏襲する後継者は存在しない”という事実と向き合う覚悟も含まれるはずです。

これは、たとえ親子であっても異なる人格と資質を持つ以上、厳然たる事実です。

そして、自らが実績を上げていればいるだけ、向き合いたくないはずの事実です。

それでも、そことしっかりと向き合い、覚悟を決めた経営者だけが次世代へのバトンをしっかりと渡せるのだと思います。

経営者のそうした覚悟は、後継者にもしっかりと伝わり、受け継ぐ覚悟を決める勇気となるでしょう。

そして、また、そんな後継者の姿を見て、経営者は最大限の支援をするでしょう。

理想論かもしれないけれど、本質だと思います。

「後継者の学校」では、事業承継の本質を捉えた学びを提供しています。

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マネジャーからリーダーへ

後継経営者が事業承継を踏まえ、社内でマネジャーとして経験を積んでいることも多いと思います。でも、マネジャーとリーダーたる経営者は、本質的に異なる役割を担うものです。この違いを理解し、新たな役割を全うする覚悟を持つことが大切です。

 

後継者の学校パートナーの知識茂雄です。

後継経営者は、承継すべき会社内で仕事を覚えていくことも多いと思います。

一つの部門を任され、マネジャーとして経験を積んでいく方もいらっしゃいます。

一見、そのキャリアの積み方はスムーズな事業承継を実現するやり方のようにも思えます。

でも、そこには一つの大きな壁があるのです。

なぜならば、経営者とはリーダーであり、マネジャーではありません。

マネジャーの経験をいくら積んでも、簡単にリーダーにはなれないのかもしれません。

組織行動学者のハロルド・J・レビットは、リーダーとマネジャーの違いをこう表現しています。

「リーダーとは道を切り開く人であり、マネジャーとは問題を解決する人である」

”与えられた”問題を解決する立場から、”自ら”道を切り開く立場へ。

そこには、大きな、大きな意識の改革が必要なのかもしれません。

しっかりとリーダーとして生きていく覚悟を決めることも必要でしょう。

そして、そうやって覚悟を決めた人は、何もないところから道を切り開いてきた創業者の偉大さに気づき、感謝の念を抱くでしょう。

創業者とその仲間が築き上げてきた、”既にある”自社のリソースのありがたみに気づくでしょう。

そして、それがまた、後継者としてリーダーの役割を全うする覚悟を強固なものにし、一歩を踏み出す勇気につながるのだと思います。

現経営者にとっても、後継者にとっても、事業承継とは多くの場合初めてのことです。

だから、どうやって良いのかわからなくて当然。

でも、だからこそ本当はどういうものなのかを知ることが大事です。

知ることで、意識を変える、覚悟を決めることが大事であることに気づく。

そして、一旦覚悟を決めてしまえば自分から見た世界の見え方が変わります。

そこに本質的な学びを加えることで、本物の経営者になっていくのだと思います。

 

「後継者の学校」では、事業承継の本質を捉えた学びを提供しています。

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変えざるべきものと変えるべきもの

後継経営者の第一の役割は、自社を存続させることです。その役割さえ見失わなければ、変えざるべきものと変えるべきものの峻別は自ずとできるはずです。

 

前回のブログでは、後継者が現経営者と異なる資質や性格を持つならば、それに合わせた自分なりのリーダーシップのあり方を貫くべきと書きました。

 

一方で、その逆のようなこともまた起こりがちなのではないかと思います。

 

すなわち、豊富な経験と実績を持つ現経営者とは違う自分なりのやり方でやってこそ自分の価値があると思い込み、ことさら現経営者のやり方を否定し、変えようとしてしまうことです。

 

これもまた、後継者の勘違いと思い込みによって起こり得ることだと思います。

 

後継者は本来いるだけで価値のある存在です。

 

ことさらに自分の存在価値をアピールする必要など、本来ないはずなのです。

 

確かに、いち早く自分のことを経営者として従業員に、そしてステークホルダーに認めて欲しいと思い、”自分だけの”実力で何か成果を出したいと思う気持ちはわかります。

 

それでも、そこで立ち止まって、踏みとどまって思い出して欲しいのです。

 

後継経営者としての自分の本来の役割は何なのかということを。

 

後継経営者の第一の役割は、なんといっても自社を存続させることです。

 

そのためには、今あるリソースを、現経営者の豊富な経験からくる知恵を含めて最大限活用することです。

 

もちろん、何かを変えることが必要なタイミングは必ずあります。

 

しかしながら、変えること自体が目的化してはいけないのです。

 

変えざるべきものと変えるべきもの。

 

それは、本来の目的を見失わなければ、自ずと見えてくるはずです。

 

「後継者の学校」では、後継者、経営者としてのスキルだけでなく、心=マインド、あり方の部分も大切に扱います。

 

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自分のスタイルを貫く覚悟

後継者と現経営者では、資質や性格の違いにより本来得意とするリーダーシップの発揮の仕方は異なることの方が多いと思います。

それでも、現経営者は無意識に自分と同じスタイルを求め、後継者もそうあらねばと無意識に思い込み、そして従業員も大きな変革を望まないのが普通だと思います。

それでも、自ら得意とするスタイルを貫かねばうまくいかないのも事実です。だから後継者には自分の強みを知り、自分なりのスタイルを確立し、それを貫く覚悟が必要です。

 

2月から後継者の学校のパートナーになりました知識茂雄と申します。

主にコーチとしてコーチングとコミュニケーション系の研修を提供しています。今後、特にチームビルディング、組織活性化の観点から後継者支援にも力をいれていきたいと思っています。

 

私は、仕事柄人それぞれの多様性、特に人それぞれに異なる強み視点での多様性を活かすことの重要さを説くことが多いです。

 

その点を事業承継に当てはめたとき、例えそれが親子という関係性であったとしても、現経営者と後継者の資質や性格、すなわちどこに強みがあるかも異なることが多く、それゆえに後継者が悩み苦しむことが多いのではないかと思います。

 

現経営者、特に創業経営者の場合は、自分自身の強みを活かして事業を発展させてきたはずで、自分なりの確立したやり方を無意識に後継者に求めてしまうのは、ある意味自然なことでしょう。

 

そしてまた後継者としても、そんな現経営者の姿を見て、自分もまたそうあらねばと無意識に思い込んでしまうのも致し方無いことだと思います。

 

また、例え薄々自分には自分なりの得意なやり方があり、それが現経営者と異なるものだと認識していたとしても、現経営者のやり方に慣れている従業員のことを考えると、大きく経営スタイルを変えることに躊躇することもあるでしょう。

 

それでも、やはり自分が不得手とするやり方を捨て、得意なやり方を貫いた方が自分のパフォーマンスが上がるのも事実だと思いますし、経営者自身のパフォーマンスが会社全体としてのパフォーマンスにも大きく影響するのも事実です。

 

例えば、現経営者が独断型のリーダーシップを強みとしていたとして、後継者が調和型、調整型のリーダーシップを強みとしているならば、独断型のリーダーシップを求められるのは苦痛でしかありません。

 

多くの人の意見を聞き、合意点を求めることが最適解に近づく早道だと考える人にとって、自分一人で決めるというのは自然にできることでは決してなく、当然そのやり方では自分の最高のパフォーマンスは出せません。

 

だから、後継者に求められるのは、自己理解を深め、自分の強みを知り、自分の固有のスタイルを確立してそれを貫く覚悟です。

 

そしてそれは、並大抵の覚悟ではないのかもしれません。

 

「後継者の学校」では、そんな覚悟を決めた後継者、そしてまだ悩みの渦中にある後継者に寄り添い支援します。

 

まずは、「後継者インタビュー」を受けてみませんか?今抱えている悩みを語るだけでもすっきりしますよ!

 

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Photo credit: mgysler via VisualHunt.com / CC BY-NC-SA