後継者が事業承継する会社の内容を把握するには、決算書を読むスキルが求められます。
決算書の中でも、今回は損益計算書についてお話ししたいと思います。
損益計算書には、色々な項目が載っていますが、その中で押さえておきたいポイントがいくつかあるのです。
後継者の学校パートナーで、公認会計士・税理士・中小企業診断士の福岡です。
今回は、前回の内容を少し深掘りして、損益計算書についてお話ししていきたいと思います。
まずは前回の復習です。
前回、会社の事業承継を行うにあたって、後継者は① 損益計算書、②貸借対照表、③ キャッシュフロー計算書を読めるようにしておきたいとお伝えしました。
その中で、損益計算書は1年間に会社がどれだけ儲かったか、損したかを表しているものとなります。
後継者のみなさん、自社の損益計算書はご覧になったことがあるでしょうか?
売上高はどうなっているか、利益率はどの程度か、人件費は利益に対してどの程度の割合となっているのか、税金はどの程度支払っているのか、最終的な利益はどれくらいになっているのか等々、把握されていますか?
もし可能であれば、今、ご自身が事業承継をする予定の会社の決算書をお手元にお持ちください。そして、その中から損益計算書を出してみてください。
上から売上高、売上原価、売上総利益・・・等々、様々な項目が載っています。
これらの内容をすべて把握するのは困難です。そのため、まずは会社が儲かっているのか損しているのか、そうなっている理由は何かを把握するポイントをお伝えしたいと思います。
まずは売上高を見て、大体、自社の規模はどの程度か把握してみてください。
その次に、一番下に載っている当期純利益を見て、会社が赤字なのか、黒字なのかを掴んでください。
まずは最低減、これだけで会社の損益状況は分かります。
次に、もう少し詳しく見る場合は、損益計算書の真ん中あたりに載っている経常利益を見てみましょう。
経常利益は、会社が経常的に営業活動等を行ったことにより得た利益を表しています。
例えば経常利益は赤字だけど、一番下の当期純利益は黒字という場合は、通常の事業活動から得た利益は赤字だが、固定資産を売却したことによって臨時的に利益が出たので、最終的には黒字になったといったような状況になっていることが考えられます。
つまり、最終的な利益だけを見ていては、どうやって利益を獲得したのか(偶然なのか、本来の事業が調子いいからなのか等)が見えてこないのです。
自社の損益計算書は、どのようになっていたでしょうか?
これ以外にも、損益計算書から読み取ることができる重要な指標として、損益分岐点売上高や労働分配率といったものがあります。
損益分岐点売上高とは、最終的な利益をプラスマイナスゼロとするために求められる売上高のことであり、労働分配率とは、利益に対して人件費がどの程度の割合を占めているのかを示す指標です。
どちらも事業承継をする際に会社の状況を把握するために必要な指標ですし、事業承継してご自身が経営をされていく際にも継続的にモニターしておきたい指標です。
これらの指標についても、改めて解説していきたいと思います。
後継の学校でも、決算書を読むポイントについてご説明していますので、仲間と一緒に学習したい方は、是非、後継者の学校にもご参加下さい!
株式会社 後継者の学校
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