実録 事業承継~株の事知っていますか?③~

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

前回の記事で、事業承継の際に重要なポイントとなる株式の移転の主役は「後継者」であることを書きました。しかし、株の評価の依頼や、移転方法について相談されるのは、圧倒的に現経営者つまり株式を渡す立場の方が多いです。現経営者主導で株式を移転した場合どのようなデメリットがあるのか、本日はその具体的な事例をお伝えしていきます。

 

こんにちは。

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは私自身の事業承継の経験を踏まえ、またお客様の事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきますので、よろしくお願いいたします。

本日は、前回に引き続き株の移転のお話です。前回は、株式移転のプロセスと、その主役は後継者であるということを書きました。今回はなぜ後継者が主役なのか、経営者が主体的に後継者に株式を移転した場合のデメリットについて整理していきます。

 

株式を移転するということは

しつこいようですが、株式を移転する際の主役は後継者です!!しかし現実には、株式を保有しておられる経営者の方からの相談が圧倒的に多いです。上場していない企業の株価は、市場価格がありませんので、相続税などの計算に使うために税務署がその価格の計算方法を定めています。株式の移転を考える際には、株価の目安としてこの評価方法を用います。具体的にはきちんと評価しなければなりませんが、赤字が続いていて債務超過になっている会社は通常株価はつきません。しかし、大変株価が高くなっている場合もあり、売却してお金に変えられない株式も相続税の対象となることから、相続税の心配をされて税理士に相談されるというパターンです。

確かに多額の相続税が課税されることにより、納税資金がなく、たいへんなことになってしまうというのは、とても心配なことです。しかし、株の取得は財産の取得という意味合いもありますが、別の側面として会社を支配し、重要な事項を決定する権利も持つということにもなります。つまり、後継者が経営力を持つ前に株式のほとんどを移転してしまえば、財産としての価値だけでなく、会社の重要な事項を決定する権利も移してしまうことになるのです。

会社のいわば支配権を後継者に移転するということは、経営者の方からすれば、自身の経営者としての地位を後継者にゆだねるということを意味します。後継者の方からすれば、「何かよくわからないけど、相続税がかかったら大変だし、自分が将来社長になるんだから、株式を移転してもらえるなら、しておいてもらった方がいいか」、といった程度の感覚です。もちろん後継者の方が経営者をクビにするということは考えられないかもしれません。しかし、何が起こるかは誰にもわかりません。

 

クーデターの予感

ある経営者が相続税のことを心配して、株式をほとんど後継者に移転しました。事業は順調に推移し、利益も出て、「早く移しておいて良かった。今移したら大変な税金がかかることになっていた。」と喜んでおられました。しかし、業績が急激に悪化し、株価はみるみるうちに下がりました。そして、社長は事業立て直しのためにリストラを決断し、ある部門を閉鎖することを決定しました。しかし、そこで問題が起こったのです。株主である後継者が、社長が閉鎖を決定した部門の継続を主張し始めました。会社は大混乱です。

 

そんなことありえないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現実に起こる話なのです。ではどうすればよかったのか?次回のブログで解決していきます。

 

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