クリニックの事業承継⑯ 地域を継ぐということ

後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

私はクリニックの相談にのらせていただくことが多いです。クリニックの経営は財務のこと人事採用教育のこと、相続問題にマーケティングのことなど相談事は多岐にわたります。クリニックの事業承継は一般と何が違うのでしょうか。そのあたりをつづっていきたいと思います。本日は、地域を継ぐということについてです。

 

後継者の学校のパートナーコンサルタントの児玉秀人です。

 

事業承継はメンドクサイだけで何のメリットもない

事業承継で残すものなど何もない

 

事業承継は親主導(経営者主導)で進めるものだ

事業承継は相続と同じようなものだ

 

世間ではこのような誤解があるということを認識したうえで

後継者は医院の現状把握を進めていきます。

 

 

現在の立地は・・・

確かに便利ではない。

 

設備は・・・診療スタイルは・・・

最新のものとはいいがたい

 

スタッフさん達だって・・・

自分のことを本当に望んでいるのかどうかわからない

 

そもそも大先生は本当に自分が継ぐことで

良しとしているのだろうか?

 

 

後継者はいつだってこの問いに引き戻されてしまうのです。

そして・・・

 

「なにも、この厳しい現実で継ぐことに意味なんてあるのか?」

「いい立地を見つけて、自分だけで開業した方がいいのではないか?」

「みんな新規開業しているのに、自分はなぜ継ぐのだろう?」

「かかる費用はそんなに変わらない。経済的メリットもないじゃないか・・・」

 

このような問いがさらに襲ってきます。

 

 

でも、ここで立ち返ってほしいのです。

事業承継の本質が何なのかということを。

 

そこに立ち返ると、道が見えてきます。

 

後継者が受け取る価値は目に見えるものだけではありません。

その一つが「地域を継ぐ」ということです。

 

 

クリニックというのは地域のインフラです。

地域のインフラとして地域住民の健康を守っているからこそ

国の保険制度で護られていると言ってもいいと思います。

 

その地域を守ってきたのは、他でもなく大先生です。

そこには様々な人生があり、ドラマがあり、感謝や尊敬がありました。

 

クリニックが公共のものだという認識に立てば、

その歴史や安心感を地域の人に届け続けることも

クリニック承継の大事な要素になってきます。

 

開業30年の歴史は30年経たなければ手に入りませんし、

親子3代の患者さんの信頼も一朝一夕では手に入りません。

 

地域を継ぐということは、住民にとっては

「この地域で引き続き、安心して住んでいいですよ」

というメッセージかもしれません。

 

ともすれば経済的価値のみを判断基準に承継か否かを悩んでしまいがちですが、

地域を継ぐという視点で一度しっかり考えてみることが必要かもしれません。

 

 

クリニックが価値を届ける相手は、多くの場合、

地球の裏側や、遠く離れた場所ではなく、

半径数キロの顔なじみなのですから・・・

 

 

 

 

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児玉秀人でした。

 

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