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経営とコンプライアンス

後継者の学校パートナーの岡部眞明です。

不正、不祥事はなぜ繰り返されるのか?企業にとって命を奪われかねないような不祥事が続きますが、これらが起こる原因は何か?コンプライアンスとは何なのか?考察してみたいと思います。

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

前に取り上げた建設基礎杭のデータ不正はついに業界全体の問題に発展してしまいました。

何度も繰り返される企業の不祥事にうんざりという方も多いかと思います。しかし、胸に手を当ててよーく考えてみましょう。「自分だったら・・・」。元受会社から、「工期を守れ」と言われ、データの取り損ねには「データがないなんて言うことは、ありえない。」と言われる。やむに已まれず、ついつい・・・。そして、その代償はとてつもなく大きなものになってしまうのです。

コンプライアンスとよく言われます。決まりを守ることは当然です。でも、お得意様との今後の関係や、売上のことなどいろいろなことが頭をめぐります。

そんな時、会社とは?経営者とは?と考えてみましょう。

経営学の泰斗、P.ドラッカーはこんなことを言っています。

「企業にとって、社会との関係は自らの存立のかかわる問題である。企業は社会と経済のなかに存在する。ところが企業の内部にあっては、自らがあたかも真空に独立して存在していると考えてしまう。事実マネジメントの多くも、自らの事業を内部から眺めている。

しかし企業は、社会と経済のなかに存在する被創造物である。社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力を持つ。企業は、社会や経済の許しがあって存在しているのであり、社会と経済が、その企業が有用かつ生産的な仕事をしているとみなす限りにおいて、その存続を許されているに過ぎない。」(P.ドラッカー「マネジメント」)

「そんなことを言ったって、従業員や家族の生活を考えたら、会社を一番に考えてしまうよ。」その通りですね。ドラッカーは、「企業は利益を必要とするが、それは企業の目標を達成するために伴うリスクに備えるためであり、利益とは、未来の費用、事業を続けるための費用である。」(前掲書)とも言っています。

経営者は、会社の今こと、将来に備えること、従業員のこと、家族のこと、取引先のこと、考えなければならないことが、たくさんあって、実際、数学の答えのような「正解」を得ることは至難の業に思えてしまう。

ご安心ください!!そうです。経営には正解なんてないんです。日々起こる難事件にその都度、最善を尽くして、できる限り、皆が、そして社会が満足する答えを導き出す。これが、経営なんです。だからこそ、経営者には、「力」と「意志」が必要なのです。

シク教の宗教家、インド人のグル・ゴービルド・シンは、「シク教徒は戦士のような聖人であるべきで、聖人のような戦士であってはならない。」といっています。正しくあるためには、強さ、ときには非情さまでも必要ということでしょう。

経営は、実に奥が深い営みですね。

後継者塾では、後継者自身の心・技・体に着目します。

 

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