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ノーベル賞級を支える縁の下の力持ち?

後継者の学校パートナーの岡部眞明です。

今回は、梶田さんがノーベル賞を受賞した「ニュートリノ振動」を実証する実験について、高校生に講演した多田将(ただ しょう)さんが「ニュートリノを研究して何に利用できるんですか?」という質問に答えた言葉をご紹介したいと思います。

「ニュートリノを研究して何に利用できるんですか?」

 

「1個1個の研究成果だけを見ると、一見何の役に立つかわからないし、意味のあることだとは思わないかもしれない。「それ何の役に立つんですか?」って訊かれてうまく答えられない。…ニュートリノは理論的に提唱されてから実際に発見されるまで26年。…(素粒子物理学の世界では)スケールとしては、50年とか100年とかなんて簡単に経ってしまうような、そういう世界なんですね。でも、今それをやらないと、50年後あるいは100年後に、自分たちの子孫が何もできなくなってしまいます。…僕の生きているあいだに、ニュートリノの利用法はたぶん見つからないと思いますよ。でも、いつかニュートリノを利用できる日が来るかもしれない。そういうことなんですよ。

成功した技術など、お金を出せばいくらでも買うことができます。しかし、失敗した経験は、どんなにお金を積んでも手に入れることはできない。実際にやった者だけが手に入れることができる。貴重な財産なのです。」(多田将「すごい実験」(株)イーストプレス)

多田さんは、京都大学大学院を経て、小柴さんを始め何人ものノーベル賞受賞者やノーベル賞級の研究者が集う高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所で、ニュートリノの研究をなさっている、金髪長髪、作業服のユニークな研究者(助教)です。(お会いしたことがないのですが、KEK敷地内で遠目で見る限り、工事現場の変なおじさんといった感じでした。)

多田さんの言葉の中には、自分達の研究の明確な現状認識、世代を繋ぐ長い時間軸の中での果たすべき役割と覚悟、次の世代への深い愛情と強い信頼、人類の未来に対する希望と自信が詰まっているように感じられます。(少々オーバーですか?)

失敗こそが財産といっても、莫大なお金を使って行う実験ですから、緻密な考察に基づいて、綿密な計画のもと、一定の研究成果を目指して、日々の実験とその評価を積み上げていく地道な作業(目指す現象が現れる確率は50億分の1だとか)が、ノーベル賞にもつながる成果となって現れるわけです。

創業の時、あるいは、会社を引き継ぐとき、その会社が長く続いてくれることを望まない人はいないと思います。

50年後、100年後の我が社はどのような姿になってほしいのか?

そして、そのためには今日何をしなければならないのか?または、してはならないのか?

「日々の積み重ねが大切!」といってもお金も人も限られるなか、やみくもに突っ走るのは無鉄砲すぎます。限られた経営資源をどう使っていけばよいのか?従業員やその家族のためによりよい未来を獲得して、理想の会社をつくり上げるには、目標到達までのシナリオが必要です。

経営者の学校では、そのシナリオ作りも学べます。

 

後継者の学校
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