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補助金等の予算について

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

今年の国会は、森友学園が、大阪豊中市に建設していた小学校をめぐって、国会は、そしてマスコミも大騒ぎといった状況です。予算は、成立し国政の運営への影響は、当面何とか免れたものの、まだまだ尾を引きそうです。

しかし、ついに渦中の人、籠池元理事長(結局、理事長を辞任してしまいました)を国の補助金5千万円余りを不正に受給したとして「補助金等の予算の適正化に関する法律」(以下「適正化法」)という、長い名前の法律に違反した容疑での告発状を、大阪地検が受理したというニュースが流れました。

私には国民を補助金に狙う悪者と決めつけている天下の悪法としか思えないのですが、この法律が想定するような人が出てきてしまいました。

今回は、この正義の味方の法律が対象としている国の補助金等について見てみましょう。

補助金等とは、何でしょうか。国の予算の一般的な定義では、補助金等とは、補助金、負担金、交付金、補給金、委託費をいいます。

これらの経費の合計は、一般会計では30兆円で全体の30%、特別会計では17兆円で特別会計のほとんどが補助金等といわれる経費で占められています。

この補助金等のうち、適正化法の対象になるのは、①補助金②負担金(国際条約に基づく分担金を除く)③利子補給金④その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるもの(適正化法第2条)となっています。ということは、先の補助金等のうち、委託費は適正化法の対象から外れるように読めるのですが、④の政令で定めるもので、多くの委託費が適正化法の適用を受けるものとして政令で定められています。

この委託費のうち適用を受けるかどうかを決めるのは、予算を作る段階で要求する各省庁が財務省と一つ一つ協議して決めます。

また、これら補助金等が実際に交付される際には、個別に「交付要綱」といわれる取扱要領を定めますが、この要綱は当然適正化法に則って規定がつくられています。この要綱は各省庁がつくりますが、その過程で財務省のチェックが入ります。この要綱のチェックは、適正化法の対象以外のものについても行われ、チェックは適正化法対象補助金等の交付要綱とほぼ同じ基準で行われるため、実質的に補助金、負担金、利子補給金、委託費のすべてが適正化法または同等の規制を受けることになっています。

もっとも、これらの経費は「相当の反対給付」を国が受けない訳ですから、国民の税金を財源としたお金をあげるわけですから厳しい規制を受けることは当然と言えば当然です。(一方、反対給付のないものまで、法律上認められるべき、事業者の権利が実質上制限される事態が発生します。)

国がこれらの支出を行う場合に求められる要件としては①その事業が、国家的見地において公益性があると認められること②その事業の事務、事業の実施に資するものであること③財政援助の作用をもつものであること、とされています。

この適正化法には、公正かつ効率的に使用されるよう努めなければならない、あるいは誠実に補助事業を行うように努めなければならない(適正化法第3条)と求められているほか、交付省庁の指導に従うことや帳簿の整備など適正に使用され、その確認のための事務作業が求められます。

それが守られなければ交付の取り消しや補助金の返納を求められる場合があります。最後は、今回のように(まだ、起訴もされていませんが)「偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けた者は、五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」ということになります。

国のお金を使うのは、結構大変なんですよね。

事業承継を進める前に、補助金や助成金をチェックしておくことも大切ですね。

後継者の学校でサポートできることがあります。

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