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企業の不祥事とノーベル賞と経営者冥利

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

相次ぐ大企業の不正問題。その根本的原因は何なのか?長い人類の歴史の中で人は何を学んできたのか?繰り返される不祥事は後継者にとっては事業承継前に絶対に知っておかなければ命取りになる大変な問題です。この問題に対して個人的に切り込んでみました。

 

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

フォルクスワーゲンの不正ソフトウェアの問題が世界を駆け巡りました。

「日本への影響は、ディーゼル車の販売延期程度かなぁ。」と思っていたら。今度は、マンションの基礎杭のデータ改ざんや手抜き工事が発覚しました。

フォルクスワーゲン社はソフトウェアの改修で、マンションを販売した三井不動産、杭工事を請け負った旭化成建材は、マンションの建替えで莫大な費用負担を抱え込んでしまうことになりそうです。

そのほかに、課徴金や損害賠償金なども相当な額になることが見込まれています。加えて、関連会社を含めた企業イメージは大きく毀損される結果となりました。支払うこととなった代償は、社会的影響も含めてあまりにも大きい。

目の前の利益のために不正を働く、その代償は、得ることができた利益とは比べようのない額の金銭的損失と社会的信用の失墜。今回の事件の主人公となった企業はいずれも名の通った大企業です。もちろん、だからこそ大きなニュースにもなるのですが…。

梶田隆章さんがノーベル賞を受賞されたことは、このブログでもお話させていただきました。

(以前のブログ↓)
http://blog.school-k.jp/okabe3/

「ニュートリノに質量があることを発見」して、それまでの定説を覆し、宇宙物理学に大きく貢献したということだそうです。難しすぎてよくわかりませんが、昔、コペルニクスやガリレオが初めて唱えた地動説は常識となり、「太陽が地球の周りをまわっている。」と考える人は、一部の宗教的理由を除いて誰もいないと思います。(断言できませんけど)

そして、今はアインシュタインの相対性理論や量子論、超ひも理論など、とても私などでは理解不能なほど科学技術は進歩して、私たちの生活もどんどん便利になってきました。

一方で代償の大きさはわかっているのに、繰り返される企業の不祥事。それも、あんな大企業で。社長さんたちは、いい大学を出て頭がいいはずだろうに…。

何故でしょうか。(ここからは全くの私見なので、この先は読まれている皆さんでお考えくださって結構です)

その差は、知識の蓄積とそれを実践する対象の違いにあるのではないでしょうか。

自然科学の知識は、文献や実験データで着実に蓄積され、時代を超えて研究者間で伝承されて行きます。そして、その知識を実践する相手も基本的に自然界、機械などで、だれがやっても同じ結果となることで事実として認められることになります。

一方、人間や社会を相手にする経営を考えてみますと、知識は、文献などを通して得ることができるでしょう。しかし、その実践の場は、激しく変化する市場(社会)でり、十人十色の従業員(人間)相手であって、自然科学の場合のように同じことは起こるとは限りません。というより、同じことは決して起こらないのです。

さらに、文献などに残された先人たちの知識は、データ化された自然科学と違い、受け取る側の解釈がまちまちですし、その実践は、機械装置ではなく生身の人間の行為にります。実践されて初めて知識として意味があるとすれば、人間が一生を終えるとその知識は本当の意味では承継されないのです。そういえば、哲学の主題は、2千年以上昔のプラトンや孔子の時代から「いかにあるべきか」です。

自然科学の知識は、順調に効率よく蓄積され、膨大な量であり、それらを勉強し理解することは、凡人の私には不可能です。経営にもつながる「いかにあるべきか」は2千年以上の間、今日的問題であり続けています。そして、あの松下幸之助さんも80年の人生をかけて学び、実践されてきたのです。いつもとは言いませんが、できる限り的確な経営判断を続けていくためには、知識とそれを的確に実践し結果を出す能力(=コンピテンシー)が必要です。

自分の一生をかけて学び、実践するということは、松下幸之助さんと私たちとは同じであると言えます。一生かけて会社を経営することで、松下さんに少しでも近づけるとすれば、そして家族や従業員が幸せになるとすれば、経営者冥利に尽きますよね。ひょっとしたら、追い越せるかも・・・。

 

PS

コンピテンシーについては、後継者の学校でも取り上げます。

※コンピテンシー:成果を導く地頭。思考・行動特性。すなわち、モノの見方・考え方・動き方。

 

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実録 事業承継~株の事知っていますか?~

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

事業承継というと、株の所有権を後継者に移せば終わりと考えていらっしゃる方が割と多いかもしれません。

でも、事業承継って本当にそれだけで終わるのでしょうか?

中小企業は大抵の場合オーナー企業です。

オーナー企業の反対はパブリック企業と言えますが、その違いは、中小企業の場合は上場しているか否かというよりは、所有と経営が分離しているかどうかというところでとらえた方が良いと思います。

 

 

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合です。

このブログでは私自身の事業承継の経験を踏まえ、またお客様の事業承継の現場からより具体的なお話をご紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日は株についてです。

 

オーナー企業なら

まず会社の基本的な構造を簡単に説明しますと、会社はお金を出資者から集めて経営能力の高い経営者が経営をし、利益を上げ、出資者に分配するというのがその仕組みです。

中小企業に多いオーナー企業というのは、この出資者(=所有)と経営者(=経営)が同じということを意味しています。

出資割合が100%でない場合もありますが、基本的には「経営者が株式を持つことによって重要な事項は経営者自ら決めることができる状態である」ということです。

中小企業がオーナー企業であるメリットは、スピーディーな動きができるということ、世間ではうまくいかないだろうと言われていることでも経営者の判断により実行に移すことができるようになること、などが挙げられます。

 

株を後継者が持てば事業承継は完了?

では、株式を後継者に移せば事業承継は終わったといえるのでしょうか?

もちろん、次期経営者に株式を移すということは大切なことです。しかし、オーナー企業になるには、次期経営者である後継者が株式を保有するよりも前に、しっかりと経営力を身につけておかなければなりません。

後継者の決意や覚悟ができておらず、経営者としての力をしっかり身につけるまでに、相続の中に含まれるものと考えて株式を贈与などにより移転してしまうと様々なリスクがあります。

まず、経営者から見たリスクについてみていきましょう。例えば、株だけ先に全て後継者(候補)に移したとします。

しかし、後継者は事業を承継できるほど経営力が高まっていなかったため、急きょピンチヒッターとして従業員を3年限定で社長にするという決断を経営者がした場合、すでに株式が後継者に移ってしまっていますから、後継者がピンチヒッターとして社員が社長になるということに同意しなければ、決断を実行することはできません。

あるいは、後継者候補がやっぱり継ぐのを辞めると言いだしてしまった。この場合は、移してしまった株式を再度戻さなければ、会社を退職してしまった元後継者候補が株式を持って重要事項を決定する権限を持ってしまうということになってしまいます。

また、後継者にもデメリットがあります。

相続の問題になった時に、例えば贈与で移転していた場合などには他の相続人から不満が出る可能性があります。そして、何より後継者自身が株を集めるという努力をすることにより生まれる「オーナー経営者としての自覚」がないままに経営者になってしまうということも大きなデメリットとなります。

では、オーナー企業の株式移転はどのように考えればいいのでしょうか?

その具体的内容については、次回に書かせていただきます。

 

後継者の学校では、細かいテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みがたくさん入っています。また、後継者インタビューも無料でさせていただいています。

ご興味のある方は是非ホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください!

 

 

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経営の技☆ 資金繰り改善!資金状況はグラフで捉える!

後継者の学校の代表の大川原基剛です。

資金繰り・・・中小企業の経営者が悩むポイントのひとつですよね。「資金の調達・運用。資金のやりくり。かねぐり。」 そしてその足元で資金がどんな状態でどのような動きをしているか把握するために必要な「資金繰り表」ですが、これがクセモノです。さてどうやって攻略しましょう。

 

こんにちは

後継者の学校の代表の大川原基剛です。

 

今回も、後継者経営に役立つ経営の技、「資金繰り」について少し紹介していきたいと思います。

 

中小企業の経営者が悩むポイントのひとつですよね。資金繰り・・・

資金繰りとは、「資金の調達・運用。資金のやりくり。かねぐり。」 (fromデジタル大辞泉)となりますが、これをしっかりとやっていくためには、足元で資金がどんな状態でどのような動きをしているか把握する必要があります。

 

把握できていないと、調達をどこからいつどのようにするか、運用をどうするか、やりくりどうするかなど、決められないでしょう。

 

ということで、用いられるのが「資金繰り表」というものですが、これがクセモノなのです。

 

資金繰り表って、経営するには必須のツールですし、金融機関からも提出を求められたりしますので、経理部門などが一生懸命にシコシコつくるのですが、実は資金繰り表って決算書類(P/LやB/S)と違って統一されたルールってないのです・・・

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そんな資金繰り表だから、いろいろと問題があります。

 

・資料づくりのための材料が不足しているので作るのがめんどう

・未来の資金予測をしてもあっているかどうか検証が大変

・作成者の能力によって表が作成されるので見にくい

・金額だけの表示だと見づらいし、大きいのか小さいのか判断しづらい

などなど・・・

 

ということで、経営判断をするための資料としてはとても不確かなものになりかねないのです。

果たして、不確かな資料で調達をどこからいつどのようにするか、運用をどうするか、やりくりどうするかなど、決められるでしょうか?

 

ということで、ここからがお伝えしたいことです。

 

ズバリ!資金の動きを把握するためにまずすべきことは、資金の動きをグラフにすることです。

ああ、そんなことか・・と思わずにまずはやってみてください。

 

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月内の動きをみるためには、一日の終わりの残高をならべてみればよいですし、

年間の動きをみるためには、月末の残高をならべてみればよいのです。

 

それを過去と照らし合わせたりなどをして、

 

その資金の動きのトレンドを見てください。必ず事業の資金の動きにはトレンドがあります。

 

数字で見ると、どんな動きをしているのかピンとこないと思いますので、まずグラフにしてみてください。

そうすると、資金の動きが簡単にわかるようになります。

そして、なんでこのような動きをしているのか、そこを考えてみてください。

 

なれてくると資金の動きが体の内部を駆け巡る血液のように感じることができると思います。

そうなれば資金繰りについては、70%くらいはできたのと同じようなものです。

 

あとは、その動きを踏まえて、調達や運用、やりくりを考えればよいのです。

 

ちなみにこのやり方は、私がある会社の財務として、子会社数社を含めて30の銀行口座の資金を動かし、管理していた頃、その資金を効率的かつ効果的に動かし、資金の調達・運用。資金のやりくりを最大限経営に活かすために編み出した技なので、超実践的な技といってもよいです。

 

ぜひお試しください。

 

 

※ちなみに、「キャッシュフロー計算書」というのがありますが、これはまったくの別物です。

一年間の資金の増減要因を明確にするため、ルールに沿って作成する決算書類となります。

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ブログを見て,ちょっと経営の勉強をしたいなと思った後継者の方

後継者の学校で同じ境遇の後継者の仲間と共に学んでみませんか?

プログラム内容については下記から詳細をご覧ください。

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http://school-k.jp/program

 

プログラム参加はちょっとなあ・・・という方は、

まず、後継者インタビューを受けてみてはいかがですか?

無料で受けられて、気持ちがすっきりするとのお声をいただいております。

後継者インタビューについては下記から詳細をご覧ください。

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「後継者を導く江田島平八」

後継者の学校代表の大川原基剛でした。

後継者が経営者になるための自己成長は、自分の人生と向き合うことから

笠井さん後継者の学校パートナーの笠井智美です。

あなたが経営後継者になるのは何の為ですか?

あなたが自分の人生を懸けて会社を継ぐのは、何の為ですか?

この質問の答えが経営の軸となり、事業承継における様々な壁を超える力を解放する鍵となります。

 

 

こんにちは。後継者の学校パートナー、エグゼクティブコーチの笠井智美です。

コーチングやキャリアカウンセリングを使って後継者の自己革新のプロセスを促し、後継者の成長と組織づくりを連動させ、経営革新をサポートしています。
(笠井については、こちらから→http://tomomilog.seesaa.net/

今日は、事業承継と後継者の人生の関わりについてお伝えします。

 

さて、唐突ではありますが、
あなたは何のために事業承継をしますか?

 

家業を持つ家に生まれたから、親が社長だから、
周りから後継者だといわれて育ってきたから、
自動的に自分が継がなきゃいけない。この道しかない。
もう決まっていることだから。

ほんとにそうでしょうか?

 

そんなことはありません。

 

他人次第、環境次第で、あなたの人生を犠牲にする必要はありません。

もし、本当は継ぎたくないのなら、継がない覚悟をすればいいのです。

 

あなたが継がないと決めたなら、
他に誰が継ぐのか、経営のプロを雇うのか、
会社をM&Aするのか、廃業する準備に入るのか、
すべてが前倒しに動きはじめます。

 

あなたが経営後継者になるのは、何のためですか?
あなたが自分の人生を懸けて会社を継ぐのは、何のためですか?

 

この質問に答えをもたないのであれば、
会社を継ぐのはやめてもいいんです。

 

むしろ、やめたほうがいいかもしれません。

 

あなたが事業承継のプロデューサーとして、
適任者を探したらいいではありませんか。

 

そして、あなたが生きたい別の人生をしっかり生きたほうが、
きっとあなたは幸せになれるでしょう。

 

 

ところであなたが生きたい人生は、どんな人生ですか?

 

親のようにはなりたくない、親のような経営者になりたい。
親とは違う経営をしたい。

 

これらは、どれをとっても基準は親です。

親次第の人生を、これから先もずっと送りますか?

 

親や先代と比較しながら経営をしていくと、上手くはいきません。

観るべきところは、そこではないから。

 

 

あなたは、何を大事に生きていますか?

 

あなたにとって価値のある人生、
納得感がある人生とはどんなものですか?

 

あなたはその命を遣って、何を実現したいですか?

あなたはその人生を通して、どんなことを創り上げますか?

 

まずは、それを言葉にして下さい。

 

その自分と向き合ってこそ、

はじめて“継ぐもの”の価値が観えてきます。

“継ぐもの”の活かし方が観えてきます。

 

“継ぐもの”の価値が観えなければ、
本当の意味で継ぐかどうかを、検討することはできません。

 

継ぐかどうかを、あなた自身が検討しなければ、
事業承継の主体者になれるわけがありません。

 

ぜひ、ご自身の軸、基準をもつために、
自分の人生(キャリア)と向き合ってみて下さい。

 

ただ、これは1人でやるより、しっかりとトレーニングを受けているプロとやることをお勧めします。

 

なぜなら、以前ブログに書かせていただいたように、
人のもつ変化への抵抗感で自己防衛が起きて、

軸にたどり着かなかったり、
無意識に周りの人の望むことが出てきたりして、

フェイクで自分をごまかしてしまう可能性があるからです。

 

親族間の事業承継は、会社の経営に親子の情や確執が絡んできます。

親族だからこそ、親子だからこその難しさがあります。

 

それを超えるためには、明確な軸・志が鍵になります。

志が明確であればあるほど、公私を切り分けることが出来るようになってくるのです。

 

後継者が自分の人生をしっかり見つめ、
自分の内なる志を発見すれば、
それはやがて企業の存在理由である企業理念として、
従業員や取引先を巻き込んでいきます。

 

リーダーとして掲げるべき旗をもつために、
皆を導く方向性を示せるようになるために、
これから起きてくる様々な困難を乗り越える力を持つために、

「何のために継ぐのか? 何を実現するあなたなのか?」

親や親族や利害関係者の思惑を一旦横において、
自問自答してください。

このプロセスが、あなたの後継経営者としての能力を解放します。

 

志をもったあなたが発する言葉は、
その重みや伝わり方が変わってきます。

 

それが、この先の承継戦略を進めていく上で、
重要な意味を持つことは、想像に難くないですよね。

 

ぜひ、あなた自身の人生と後継経営の接点を見つけてくださいね。

 

 

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2代目が、父親よりも会社を上手く経営する8つのポイント

後継者の学校パートナーの千野康幸です。

2代目は99%誤解する?!

己の立っている場所はどこだ?

あんた(後継者)あの子(会社)のなんなのさ?

 

 

みなさんこんにちは。
後継者の学校パートナーの千野康幸です。

 

2代目が、父親よりも会社を上手く経営する8つのポイントと言うタイトルで書かせて頂いております。

前回は2代目が知っておかなければならない経営の4つの要素について書きました。

 

4つの要素を父親よりも強化させることが、より上手く経営するコツでしたね。

でもそれって、具体的にどうすればいいのでしょう?

 

それこそが、ブログのタイトルである8つのポイントだと考えて下さい。

皆さんが具体的に意識し、行動する8つです。

 

本日は8つのポイントの①について述べさせてもらいます。

 

ホントはさ

もっと時間を稼ぎたかった(笑)

だって、もっとブログ書けって言うんだもん・・・

 

 

 

皆さんは、父親よりも会社を上手く経営したいと考えている。

 

あなたに問いますが、あなたは何者でしょうか?

ん?

いきなり言われても・・・

 

ゆっくりと質問します。

あなたは、今どんな立場で会社と関係していますか?

あなたは、周囲からどんな立場であると思われていますか?

あなたは、あなたがどうあるべきだと感じていますか?

 

これから会社を継ぐのかも知れない。

もうすでに会社を継いでいるかも知れない。

 

人それぞれ状況は違うものです。

しかしあなたは、あなたの立っている場所で、その場にあった考えや行動をしなければなりません。

立っている場所、立場。

 

想像してみて下さい。

今にも落ちてしまいそうな狭い崖路を歩いているとき

町までの平坦な道を歩いているとき

険しい上り坂を上り歩いているとき

 

同じ歩き方はしませんね。

 

今の立場は、どんな状況でしょうか?

 

あなたは会社を継ぐ後継者である・・・本当ですか?

あなたは会社を継いだ代表である・・・本当ですか?

 

例えば、あなたは会社の後継者だったとします。

前回、経営の4要素で統治基盤の話をしました。

あなたの父親が会社の株式を何パーセント持っていれば会社を継げるでしょう?

答えは・・・

「何パーセント持っていようが、継げるかも知れないし、継げないかも知れない」です

 

父親の気持ちが変わったら?

実は父親はほとんど株式を持っていなかったら?

どんな状況になるのか、神のみぞ知るです。

 

では、確実に会社を継ぐためにはどうしたら良いのでしょう?

答えは、自分がほとんどすべての株式を取得すれば良いのです。

自分が死なない限り、確実に会社を承継するでしょう。

 

また、既に会社の経営者になっている方。

ホントに経営者でしょうか?

まだ、お父さんが銀行との交渉をしていませんか?

まだ、お父さんしか借金の額を知らなくないですか?

まだ、お父さんしか取引先に行っていませんか?

まだ、お父さんだけが株式を持っていませんか?

 

これから会社を継ぐ人も、既に継いだ人も誰かが何かをしてくれるのを待っていませんか。

事業承継が完全に終了するのを、ただ待っていませんか?

 

今のあなたに必要なことって何でしょう?

何かしなければならないのでは?

 

立場を誤解しないで下さい!

 

これから会社を継ぐ方は、あなた自身が積極的に行動しなければなりません。

既に会社を継いだ方は、あなた自身が積極的に経営しなければならないのです。

 

今の状況を据え、必要な行動をとる!

経営に必要なことです。

 

待っていれば、父親がやってくれる・・・

 

自分以外の人間に己の運命を委ねるのですか?

それも良いでしょう。

しかし、経営者には向きません。

景気が良くなることを、何もせずただ待っている経営者の会社が儲かると思いますか?

 

また逆に・・・

自分が継いで当たり前だと、うぬぼれている人間

社長として社員が言うことを聞いて当たり前だと思っている傲慢な人間

こんな人間には良い機会は訪れません。

なぜなら、味方がいなくなるからです。

 

自分の立っている場所を良く弁えて、なすべき行動をとること。

自分の今の立場を誤解しない

父親よりも会社を上手く経営するための第一歩です。

 

立場を誤解しないこと!

 

・・・これだけじゃ良くわかんねーよ

・・・同じことテレビで言ってたぞ

・・・それが分からないから、このブログ読んでんじゃねーの

 

はい すいません。

結果をコミットするコンサルタントとしておまけをご提供致します。

下の図をご覧ください。魔法陣シートと命名させて頂きます。

中心のマスにあなたの目標を書いて下さい。また、目標をいつまでに達成するものなのか記入しましょう。

その周囲8マスに、その目標を実現させるために必要な要素(具体的に記載する)を8つ書いてください。

その、8つの要素を外のマスに転記します。

そしてその8つの要素を実現するために必要な具体的な行動を書いて下さい。

どれくらいの頻度で行うかを書くと良いでしょう。
(例)体力 毎日2km走る 本を1カ月一冊読むなど

 

泳ぐ 走る 跳ぶ
信念 腕立 体力 漕ぐ 友情
腹筋 寝る 歩く
信念 体力 友情
人望 人望 1/1
目標
知識 知識
管理 情報
管理 情報

 

自分の目指すものが何なのか、自分自身を客観視できます。

また具体的な行動を目標にすることで、なすべきことがハッキリし、行動しやすくなります。

 

さて如何だったでしょう?

 

もう一度おさらいします。

 

立場を誤解しない!

現状を把握し、自分に必要なものを知ること!

 

 

では

また次回お会いしましょう。

 

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ここだけは知っておきたい!貸借対照表の読み方

福岡さん後継者の学校パートナーの福岡雅樹です。

貸借対照表には、会社の資産や負債の状況が載っています。

経営を行うにあたっては、貸借対照表の内容を把握しておくことが、とても重要になってきます。

今回は、貸借対照表に載っている項目の読み方ついて解説したいと思います。

 

 

後継者の学校パートナーで、公認会計士・税理士・中小企業診断士の福岡です。

前回は損益計算書についてお話ししましたので、今回は貸借対照表についてお話ししていきたいと思います。

 

貸借対照表は、損益計算書に比べてわかりにくいので軽視されがちですが、貸借対照表にはとても大事な情報が多く載っているので、私たち専門家はとても重要視しています。

 

貸借対照表の内容を把握しておくことは、後継者が事業承継するにあたって非常に大事なことですので、前回と同様に是非、可能であれば会社の決算書を片手にお読みください。

 

貸借対照表には、資産と負債の状況が記載されています。

 

貸借対照表は、大きく資産の部、負債の部、純資産の部の3つに分けることができます。

資産の部には、会社が保有している財産が載っており、負債の部には、会社が負っている債務が載っています。

また、純資産の部には、資産の部の合計額から負債の部の合計額を差し引いた金額が載っています。

 

それでは、資産の部の中身を見ていきましょう。

資産の部には、預金、売掛金、固定資産など、会社が保有している様々な資産が載っています。

みなさんの会社の貸借対照表には、どのような項目が載っているでしょうか?

資産なので、これらの金額が大きければ大きいほどいいと思われがちですが、実はそうでもないのです。

例えば、預金はゼロに等しいにもかかわらず、利用価値のない土地が多額に載っていたらどうでしょうか?

これでは会社が何か活動しようとしても、原資がないので身動きのとれない状況になってしまっています。

あるいは、預金がないので倒産寸前かもしれません。

つまり、会社は将来の事業を行っていくために必要な資産をバランスよく持っていることが大切なのです。

 

次に負債の部です。負債の部には、買掛金、未払金、借入金等の負債が載っています。

負債は、ゼロにするのが理想の状態でしょうか?

負債というとマイナスのイメージがありますが、例えば将来有望と見込まれる事業があり、それに投資するために借入をするとしたらどうでしょうか?

自社のお金だけではできない事業を、銀行等の力を借りて行うのです。

借入をして新しい事業に投資し、今まで以上の収益を上げられるとしたら、その借入はいい借入かもしれません。

つまり、負債もゼロにすることがいい訳ではなく、やはり事業の状況とのバランスが大切になってくるのです。

 

純資産の部は、その名の通り会社の実質的な資産が載っていることから、この金額が大きければ大きいほど、対外的な信用も得られやすくなるのです。

純資産の部は、毎年、利益を積み重ねていくことで大きくなっていきます。

したがって、ご自身の会社の純資産の部を見て金額が多額になっていれば、過去にコツコツと利益を蓄積してきた会社であることが推測できるのです。

(※ それ以外にも純資産の部の増加要因はありますが。)

 

貸借対照表は、木の年輪と同じと言われることがあります。年輪を見ることで、その木がどのように生長してきたか読み取ることができるのと同じように、貸借対照表に計上されている資産や負債を見れば、その会社がどのような歴史を経て今の資産、負債の状況になってきたのか、推測することができます。

また、現在保有している資産や負債の状況を表しているので、現在持っている資産等を生かして、今後、どのように経営を行っていくか、といった検討も可能になります。

 

どのような状態の貸借対照表が望ましいかは、その会社の事業の状況によって異なるので一概に言うことはできません。

ただし、一般的には、①流動比率、②当座比率、③自己資本比率等の指標を見て、状況の善し悪しを判断することとされていますので、参考にして頂ければと思います。

 

このように貸借対照表は、過去の会社の状況を把握することもできるとともに、将来行う事業を検討するためにも大事なものとなりますので、事業承継をするにあたって、後継者は必ず見ておきたいものです。

 

後継の学校でも、決算書を読むポイントについてご説明していますので、仲間と一緒に学習したい方は、是非、後継者の学校にもご参加下さい!

 

 

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後継者が事業承継前に取り組むべき事・・・それは、現場経験

坂本さん後継者の学校のパートナーの坂本典隆です。

後継者が事業承継前に取り組んでおきたい事として・・・やはり「人」の部分がいつもポイントにあがると感じております。前回は経営者との信頼関係、仲間意識、仕事への誇りの大切さをお伝えしましたが、今回は後継者の現場経験についてお伝えいたします。

 

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。

後継者の学校のパートナーで人を中心とした経営支援専門家の坂本です。

今回は「現場経験」についてのお話をさせていただきます。

 

後継者が事業承継を行う前に「人」に関する悩みがたくさん溢れてくると感じております。

例えば、信頼関係がまだ構築できていない時には、社長の息子というだけでまわりの従業員の目は経営者である父親を見る目とは違う場合が多いかもしれません。

社長の息子であり、お坊ちゃんに何が出来るのか?こう感じている従業員の存在です。

 

そして、事業承継後に、信頼関係が無いまま社長になってしまうと一から関係構築をするまで莫大な時間がかかってくる可能性があります。

 

だからこそ、先に・・・、今から・・・取り組み始めるべき事として従業員との関係を構築する「現場経験」が一つあります。

 

職場というものを一旦、イメージしていただくと分かりますが、上司やリーダーは色々なタイプが存在します。

その上司が現場で一生懸命仕事をしている人だったら?また、現場を全く知らず見ていない状態で指示だけ出す人だったとしたら?メンバーがどういった反応をするでしょうか。

同じ空間で仕事をする事で、その人の性格・考え方・行動・上司としての器などを感じる事ができてきます。

そして、仲間であれば仕事を一生懸命している上司を盛り上げたい気持ちが生まれる事も自然な事だと私は考えます。

 

よくある失敗例としては、いきなり社長の息子が偉そうに入社をしてきて現場も知らない素人レベルで管理職のポジションに居座っているという事です。

その下についているメンバーはどう感じているのか?「やっていられない。」「会社がムチャクチャだから転職したい」このようなマイナスの想いを胸の奥にもっているかもしれません。

 

私が日々のキャリア支援でよく聞く話は親族経営で後継者である息子が原因で退職を考えているという理由です。

これが現実です。だからこそ、事前に現場経験を積む中で、長期的な目線を持って謙虚に教えを請いながら、あなたの決意と覚悟を含めた行動をしっかり見せていくことが必要です。

 

そうする事で、あなたへの見方が徐々に変わってきます。従業員は思っている以上に後継者の力を見ています。社長の息子だから意見はしませんが、腹に色々な想いを抱えて仕事を頑張っています。

だからこそ、その思いを明るい気持ちに変える事は、あなたが今から現場で従業員と共に働き、言葉を交しながら経営者にとって必要な力を一つ一つ磨き上げていくことだと私は考えます。

 

上手くいっている事業承継は、やはり現場で頑張っている姿勢を見せていた後継者だった例が大多数です。偉そうにいきなり入ってきて良い結果になったというケースはほとんど無いのではないでしょうか。

人の気持ちは変わりやすいかもしれませんが、一度掴んだ「信頼」は簡単には崩れない。

 

一つの考え方になりますので、迷っている方は参考にご活用いただければ幸いです。本日もお読みいただきありがとうございました。

 

 

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経営の技☆ 決算書を見て1分で会社を読み解く極意!

後継者の学校の代表の大川原基剛です。

事業承継を控えた後継者は、決算書を読めなければ会社の状況が分からず、自身が経営する会社の現状も把握しきれないですよね。

今回のブログでは、私から速攻で決算書を見て会社の状況を理解するための”技”についてお伝えします。

 

こんにちは

後継者の学校の代表の大川原基剛です。

 

今回は、後継者経営に役立つ経営の技について少し紹介していきたいと思います。

 

 

後継者のみなさんは、普段関わらないからか財務、決算書といった数字面が苦手だという方が多いと感じています。

実際、後継者インタビューの結果でもそれは明らかになっていて、

決算書を見たことある後継者は、67%いましたが、

純資産の額を知っているという後継者は、44%でした。

 

 

そこで、財務を得意分野とする私から、すぐに簡単に決算書を読み解くための極意をお教えします。

この方法は、私がコンサルタントとしてある会社さんに決算書を拝見させていただいたときに、1分程度でその会社の状況を判断するために用いる技です。

ただ、ぜんぜん難しくないので、最後までご覧ください。

 

皆さんは、はじめて決算書を手に取ったとき、決算書のどこから見ていきますか?

ぜひ、専門家の方もぜひ考えてみてください。

 

売上高がいくらか?利益がいくらか?でしょうか。

 

会社の目の前の状況を知るためにはそれでいいのかもしれませんが、

もっとその会社を知るためには、売上高から見るよりも、もっと効果的に会社の状況を判断することができるのです。

 

 

 

それは、その「会社の年数」と、貸借対照表いわゆるB/Sと呼ばれている資料の右下にある「純資産の額」を見ます。

 

「純資産の額」中には、その会社の歴史が反映されています。いままでの歴史が積み上げて詰まっています。

 

どれだけ利益を積み上げてきたのか、それとも食いつぶしているのか。

資本金は、増やしてきたるのか。変わらないのか。

 

ここを見るだけで、会社がどういう歴史を経て今に至るのかがわかりますし、そこまでのストーリーが想像され、

私はノスタルジックな気分にさえなってきます。

 

 

会社は生き物です。

 

 

それまでの歴史を踏まえて、次の歴史が作られていきます。

 

 

ですので、決算書を拝見ときは、その時点が良いか悪いかだけでなく、それまでの歴史とそれからの歴史をイメージしながら見てみるとおのずとその会社の状況がわかってくるのです。

 

もちろん、具体的に見ていくためには、もう少し時間をかけますが、その時も技を使います。

その話は、また今度したいと思います。

 

今回は、ここまででです。

 

ブログを見て,ちょっと経営の勉強をしたいなと思った後継者の方

後継者の学校で同じ境遇の後継者の仲間と共に学んでみませんか?

プログラム内容については下記から詳細をご覧ください。

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プログラム参加はちょっとなあ・・・という方は、

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「後継者を導く江田島平八」

後継者の学校代表の大川原基剛でした。

 

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ノーベル賞受賞者の「心・技・体」

後継者の学校パートナーで中小企業診断士の岡部眞明です。

今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。北里大学の大村智さん、東京大学の梶田隆章さんです。

お二人の意識・知識・行動から学ぶ後継者が事業承継に備えて持つべき「心・技・体」についてお話します。

 

後継者の学校パートナーの岡部眞明です。

今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。医学・生理学賞は、「寄生虫によっておこる感染症の治療法の発見」によって北里大学の大村智さん、物理学賞は「ニュートリノに質量があることを発見」し、それまでの定説を覆した東京大学の梶田隆章さんです。

10月6日、7日と2日続けての吉報に日本中が沸きました。私も同じ日本人として誇らしい気持ちになります。

大村さんは、受賞の記者会見で、「とにかく人のためになることを考えなさい。」という祖母の教えを忘れず「常に世の中のためになる研究を心がけ。」土壌の微生物をコツコツ集め続けたそうです。また、梶田さんは、「きちんと(研究を)やっていけば、何かに結びつく、自分の進んでいる道が正しいと思って頑張った。」と研究を進めました。

おふたりのこの言葉からは、仕事に取り組む一本の芯、決意を感じ取ることができます。

また、このおふたりは同じような発言をされています。大場さんは、「微生物がやってくれたことを私が見つけただけで、そんなに自慢できることではない。賞は微生物にあげたい。」、梶田さんは「ニュートリノに感謝をしたい。それから、ニュートリノは宇宙線がつくるものなので、宇宙線にも感謝したい。」と。自分たちの成果は、研究対象から教わったものということでしょうか。

おふたりは、「世の中のためになる」ために「何かに結びつく」という「自分の道」を「きちんと」「コツコツ」研究を進め、「感染症の治療法」や「物理学の定説を覆す」という大きな成果を「微生物」や「ニュートリノ」からいただいたわけです。

従業員を牽引し成果をあげる経営者の方に鍛えていただきたいものがあります。

それは、心(=経営に対する決意と覚悟)、技(=ビジネス知識)、体(=結果をもたらす行動)です。

受賞のおふたりに重ねて見ると、「世の中のため」に「自分の道」という決意・覚悟(心)を以て、いろいろな課題を解決しながら(=体)、研究分野に対する知識(=技)を拡大させて、大きな成果に結び付けています。

おふたりは、何年何十年と毎日、コツコツ仕事を積み重ねてきたわけです。

二宮尊徳は「積小為大」と言ったそうです。これは、日々の積み重ねの大切さのたとえとされています。

残念ながら、受賞のおふたりや二宮尊徳ほどの心・技・体を持ち合わせない身としては、「積小」だけは同じくらいできそうです。そして、それは成果となって現れるでしょう。

「できなかった場合でも、それを反省することで何とか成長したい」。などと思う私は論外かもしれませんが。

PS.

鍛えるべき経営者の心・技・体については、「後継者の学校」で学べます。

 

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後継者のためのワンポイント労働法②〜残業代〜

後継者の学校パートナーの弁護士の佐藤祐介です。

事業承継をすれば,後継者は必ずと言っていいほど労務管理という場面に直面します。そこで,その労務管理をするにあたり深い関わりをもつ労働法について,ざっくりと解説します。今回のテーマは残業代です。

 

第1 はじめに

後継者の学校パートナーの弁護士の佐藤祐介です。

今回は,労働法の「残業代」について,ざっくりとお話させていただきます。まずは次のケースをご覧ください。

<ケース>

Aさんは,ある部品を製造する会社の二代目社長として,先月,先代社長の父から事業を承継しました。

そんな矢先,元従業員のXさんから,残業代の請求をされてしまいました。Xさんは,タイムカードの打刻時間に従って残業代を計算しています。

Aさんの父によれば,Xさんがそのタイムカードどおりに仕事をしているとは考えにくく,実際の労働時間はもっと少なかったとのことです。Aさんの会社はこの請求に応じなければならないのでしょうか。

 

第2 タイムカードの打刻時間=従業員の労働時間?

本件のAさんの会社のように,従業員の労働時間をタイムカードで管理している場合,タイムカードの打刻時間=従業員の労働時間と事実上推定される可能があります。

そうすると,仮にAさんの父親の言い分が真実だった場合,このままでは,Aさん側が,Xさんに対し,不本意な残業代を支払わなければならないことになります。

 

そこで,Aさん側は,反論をしていかなければならないことになります。

 

第3 Aさん側にはどんな反論が考えられるか

タイムカードにはそのように打刻されているけれども,その打刻部分は,労働時間とは言えないという反論が考えられます。

この「労働時間とは言えない」という反論は,法的に言えば,「その残業が会社の指揮命令に基づくものではない」ということになります。

そこで,Aさん側としては,これまでXさんに対し「残業しなさい」と言ったことはないという反論を証拠とともにしていくことになります。

この点は,専門家の方とともに検討することをお勧めします。

 

第4 最後に

今回は,残業代の中から,よく問題となるケースを取り上げてみました。

このような問題を解決するために,そして,このような問題が生じないために,経営者,そしてその後継者となる方々にとって,この記事が1つのきっかけなれば幸いです。

 

なお,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)。

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評を得てきました。

今回の私の記事のような法律問題に限らず,自社と向き合うきっかけになるかもしれません。興味が湧いた方は,お気軽にインタビューを受けてみてください。

 

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