インターネット上では,様々な契約書の雛形を手に入れることができる。しかし,その内容は必ずしも実際の取引の内容を反映しているとは限らない。最近のニュースも参考にして,今回はその点を解説する。
第1 はじめに
最近,テレビのニュースでは覚せい剤がらみの事件が賑わっています。オーソドックスにいけば,以下に書くことは刑事手続の流れや刑事弁護についてということになるでしょう。でも,今回はタイトルのとおり,契約書がトピックとなります。
第2 雛形は万能か?
最近はインターネット上で契約書の雛形が簡単に手に入ります。場合によっては,雛形どおりの内容で足りるケースもあるかも知れません。ただ,雛形は典型的な取引を念頭に作成されていることが多く,それぞれの取引の実情を反映しているわけではないため,その点を注意する必要があります。
第3 冒頭の例を参考に
ここでやっと冒頭の例を使います。ニュースでは芸能人が逮捕されていますが,
これが会社の社長であった場合どうでしょうか。会社の意思決定をする社長が逮捕勾留されてしまっていては,取引が滞る可能性もあります。そのため,場合によっては契約を解除し,新たな取引先を探すといったことも検討しなければならないところですが,社長の逮捕と会社間の契約は本来無関係であるため,簡単に解除することはできません。そのため,社長がこうなった場合を想定して条項を入れていおくことに意味が出てきます。
以上はやや極端な例かもしれませんが,このように,取引の実情に即して条項を設けることで,いざという時のリスクヘッジに繋がるということになります。
第4 最後に
後継者の方の中には,会社を継ぐにあたり,これまで社内で使われてきた契約書の雛形を引き続き使用することもあるかもしれません。ですが,一度立ち止まって,契約書の内容が取引実態に即したものになっているか確認してみることも必要かもしれません。
なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。
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後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!