実態に即した契約書の作成について

インターネット上では,様々な契約書の雛形を手に入れることができる。しかし,その内容は必ずしも実際の取引の内容を反映しているとは限らない。最近のニュースも参考にして,今回はその点を解説する。

 

第1 はじめに

最近,テレビのニュースでは覚せい剤がらみの事件が賑わっています。オーソドックスにいけば,以下に書くことは刑事手続の流れや刑事弁護についてということになるでしょう。でも,今回はタイトルのとおり,契約書がトピックとなります。

 

第2 雛形は万能か?

最近はインターネット上で契約書の雛形が簡単に手に入ります。場合によっては,雛形どおりの内容で足りるケースもあるかも知れません。ただ,雛形は典型的な取引を念頭に作成されていることが多く,それぞれの取引の実情を反映しているわけではないため,その点を注意する必要があります。

 

第3 冒頭の例を参考に

ここでやっと冒頭の例を使います。ニュースでは芸能人が逮捕されていますが,

これが会社の社長であった場合どうでしょうか。会社の意思決定をする社長が逮捕勾留されてしまっていては,取引が滞る可能性もあります。そのため,場合によっては契約を解除し,新たな取引先を探すといったことも検討しなければならないところですが,社長の逮捕と会社間の契約は本来無関係であるため,簡単に解除することはできません。そのため,社長がこうなった場合を想定して条項を入れていおくことに意味が出てきます。

以上はやや極端な例かもしれませんが,このように,取引の実情に即して条項を設けることで,いざという時のリスクヘッジに繋がるということになります。

 

第4 最後に

後継者の方の中には,会社を継ぐにあたり,これまで社内で使われてきた契約書の雛形を引き続き使用することもあるかもしれません。ですが,一度立ち止まって,契約書の内容が取引実態に即したものになっているか確認してみることも必要かもしれません。

 

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!

通過儀礼に学ぶ関係性再構築法

後継者の学校パートナー中小企業診断士の岡部眞明です。

今日は、昔に見たテレビからです。

何十年か前に見た、アフリカのある部族の暮らしぶりを紹介するものだったと記憶していますが、紹介したいのは、そのうちのホンの一部分です。

その部族では、子供が一定の年齢になると、特別の小屋に男女それぞれが集められ、大人になるための心構えやその部族の成立ち(神話に相当する部族に伝わる物語)やしきたり、特に、他言無用の数々の秘儀などを習う儀式が行われるとのことでした。いわゆる、通過儀礼、イニシエーションといわれるものです。

どこの社会でも、子供は次代を担う貴重な宝です。立派に未来を築いてもらうためには、自分たちの社会の成り立ちへの理解やその心構え、覚悟はどうしても必要なことです。

イニシエーションは、世界中で様々な形で行われていますが、子供から大人になる際に行われる通過儀礼としては、今では、各地で観光資源、あるいはアミューズメントとして行われているバンジージャンプの起源といわれる、バヌアツ共和国の「ナゴール」が、特に有名です。

日本でも、男子の成人の儀式「元服」は、皆さんご存知のことと思います。

どの国、どの地方の儀礼でも、「一人前の大人としての能力を認め、その覚悟を求める」という目的は共通のようです。

そのためには、それまでに社会として、家として子供を大人としてふさわしい「ちゃんとした大人」になるために教育するのです。

再び、前に見たアフリカの部族の話です。

そこでは、子供とその親の世代の関係を「シェーム」と規定しているそうです。

シェームとは「shame」、「恥ずかしい」とか「羞恥心」という意味ですよね。

子供は、親に従属して育ってきますよね、成長するに従って親へ従属から離れようとします。ありがとうと素直に言えなかったり、自分が不安に思っていることなんかを、聞けなかったりした記憶は皆さんもおありのことと思います。親の方も、子供はいつまでも子供で、自分の手元においておきたい気持ちが強かったりして、うまく関係を築けなかったりします。このようなことの原因を「シェーム」に求めたのです。

この部族では、子供たちが大人になるまで、その教育はお爺さん、おばあさんの世代が担当します。村のお爺さんおばあさんが、最初に紹介したイニシエーションの儀式が終了するまで、自分の孫を含め村の孫たちを教育します。もちろん、10日間ほど続く儀式本番の間も孫たち世代とともに小屋に缶詰になって寝食を共にします。

このシステムって、すごい知恵だと思いませんか?

当事者間だと、お互いの思いが勝ちすぎてかえってうまく関係性をつくりにくいことってよくありますね。そこで、一つ世代をまたいだお爺さんおばあさんが、教育に当たることで、円滑な関係をつくっていける。私なども、子供の頃、親に怒られて、庭の桜の木に登っていると、おばあちゃんが迎えに来てくれたものでした。

経営者の方、後継者の方もその関係について、悩んでいる方もいらっしゃると思います。従業員の方との関係も、従業員同士の関係も同じようなことが起こっているのではないでしょうか。

そんなとき、一つ別の視点から、関係性をみる役割はとても重要です。そして、専門知識があれば、もっと頼りになりますよね。

経営者の学校は、会社のそんな人間関係から会社を考えます。

 

ちなみに、いま後継者の学校プログラムベーシックコースが4月から開講しますので、

東京校では、その直前の2月と3月にですので公開セミナーを実施しています。

無料でご案内しておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

 

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将来輝く後継者のみなさまに出会えることを楽しみにしています。

また、当プログラムの卒業生の経営者の仲間もみなさんが参加して仲間になっていただくことを心待ちにしておりますので、

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どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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Photo credit: najbo via VisualHunt.com / CC BY-NC-ND

事業承継と後継者と私②

前回、後継者の学校を九州でも開催するんだ!との想いを書かせていただいたところ、たくさんの方から応援と激励のメッセージをいただきました。ありがとうございます。(SNSの反響ってすごいですね。)

今日は、その後の話を。只今セミナー開催に向けて準備中です。

 

こんにちは。

後継者の学校パートナー、村中順子です。

 

先日、とある事業承継のセミナーに参加する機会があったのですが、講師の方と雑談していた際に、

「事業承継っていう言葉の響きは、一般的なイメージだと、「難しいことを専門家が分かりにくく解説する」感じがあるよね」という話になりました。(苦笑)

 

実は、いま後継者の学校九州ではセミナーを企画しておりまして、

この「専門家がわかりにくく説明する」というイメージの払しょくに挑んでおります。

特に、後継者の学校というくらいですから「後継者目線での事業承継」をお話しさせていただくわけです。

おそらく、熊本(もしかして九州でも)この目線で話ができる専門家は他にはいないのではないかと思います。

(そのくらい後継者を主役とした事業承継って世の中には浸透していません。でもこれからの経営を担うのは後継者ですので、本当に脇役では困るんです。)

 

大抵の事業承継のセミナーは、現経営者から見た承継の話(株の評価の話、生前贈与の話、相続対策・・)といった法律や税務に関する話が多いように思います。

 

安心してください。

私たちが準備しているのは、そんな話ではありませんから。(もうこれは古いのかしら・・・)

 

といいますのも、株の評価とか、生前贈与とか、相続対策ももちろん大切な承継対策の一部です。

でもあくまでも一部なんです。

 

例えばそれらの対策を万全にしていれば、後継者経営はうまくいくのでしょうか?

後継者の方とお話をしていると、悩みの根本ってそういう対策の話より、もっと深いところにある気がします。

事業承継は、経営者がすべきことと後継者がすべきことを整理して対策を打たなければなりません。

そして、後継者時代に準備しておくことがあるんです。

 

そこで今回は、「事業承継を成功させるための後継者の心得」 〜 後継者の今が未来を変える 〜

というセミナーを開催いたします。「今、なにをすべきか」、にお答えできる内容になっております。

初回は、3月22日(火) 崇城大学市民ホール(旧熊本市市民会館) 19:00~20:30

また改めてお知らせのページで案内させていただきたいと思っています。

ご興味のある方は是非ホームページ(http://school-k.jp/)からお問い合わせください!

後継者はつらいよ ~涙の辛子レンコン編①~

後継者の学校のパートナーの児玉秀人です。

私はメーカーに勤めていたことがあります。営業のマネージャーだったころ、九州地区の販売網を構築しに毎月通っていたことがあります。その頃に出会ったある後継者の方のお話です。

 

後継者の学校のパートナーコンサルタントの児玉秀人です。

 

当時勤めていた会社の商品は、九州の各お客様と直接の取引をぽつぽつとしており、いわゆるQCDにおいて不利な状況でした。

※QCD(品質、コスト、デリバリーの略、ものづくりの指標の一つ)

 

その状況を打開するべく、ある卸問屋さんを訪ねたのです。

その会社は戦後に先代が立ち上げ、先代亡き後、奥様が一旦社長になり、当時は長男である社長が切り盛りしていました。

 

社長は3兄弟で長男は社長、次男は専務、三男は常務と3人で仲良く経営をしていました。

 

・・・

・・・

・・・

 

というふうに私には見えていたのです。

 

世話好きの社長は、私が訪問すると必ず食事に連れて行ってくださり、その地方のおいしいお酒と抜群の料理をふるまってくださいました。今でも感謝しています。

 

しっかり者の専務は経理を担当しており、やさしいまなざしでいつも協力してくださいました。

 

破天荒な常務は卸先を一緒に開拓したり、べろべろになるまで飲み歩いたりと、本当に仲良くしてくださいました。

 

 

とても仲良しの素敵なファミリー企業なのです。

 

そして、もう一人のキーマン

 

それが、社長の息子さんで当時は営業所長だったAさんです。

Aさんとは年が同じで気も合ったことから、ご自宅に泊めていただいたこともあるほど、仲良くしていただきました。

私が海外駐在していた時も遊びに来てくださり、私の携帯で娘のお土産について、国際電話で1万5千円分も奥様と話していました。請求に目が飛び出そうになりましたよ(笑)

 

 

その会社も私が担当していたころから、次期社長について

誰がなるのか?

 

というのが社内でも、誰も口にしませんがみんなが気にしていました。

社内はというと、社長と同世代の社員が数人、社長とAさんの間の世代が数人、

そしてAさんの同級生を含む、Aさんと同世代が数人いる、

非常にバランスの取れた年齢構成でした。

 

このAさんの悩みこそが「後継者の陥る罠」に

見事に嵌っていたのです。

 

・・・つづく

 

 

このエピソードに胸がざわついた

そんな後継者(経営者)の方! まずは

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「後継者と共に強い会社をつくるヒトとおカネの専門家」

児玉秀人でした。

 

メディカル、デンタルのサポートをしています。

「クリニックの財務が劇的によくなる秘密の方法」教えます。

 

財務状況を改善したら次はヒト。

「業績が30%向上する人事評価システム」教えます。

私が得意なのは以下です。

 

・人材採用・育成相談、人事評価システムの提供

・資金調達のための経営改善計画書の作成

・設備投資と事業計画に基づいた財務計画の策定

・Web戦略相談など

 

事業承継の現場から -そこの後継者のあなた。自社に企業理念はありますか?-

後継者の学校パートナーの高浜亮です。

経営理念や企業理念という言葉はよく耳にしますよね?ふたつとも同義語だという考えもありますが後継者の学校ではこのような定義をしています。

企業理念とは自社の存在価値。つまりなんのために自分の会社はあるのかを明文化したもので、

最上位概念に位置するもの。

経営理念とは経営者がどのような経営をするかを明文化したもので、企業理念の下の概念です。

後継者の方と話しているとこんな質問をされることがあります。「企業理念って小さい会社でも必要ですか?作る意味ってありますか?」今回はある事業承継をされたばかりの後継経営者の相談事例から答えを探していきたいと思います。

 

企業理念は小さな会社でも必要かということですが、結論から言うと、必要かというよりも、なくてはならないものだと言えます。なぜかといいますと・・・

 

2月の最初に最近、事業承継をされた40歳の社長が来られました。業種はガス販売業で社員は6名の会社です。現在の状況や社長になってからのことをいろいろと聞いていきますと、大きく分けて2つの悩みを抱えていらっしゃるようです。

 

まず1つ目の悩みは自社の将来の見通しが見えないということ。

細かく聞くと、まず現在の顧客は高齢の方が多いため将来的には顧客は減少してしまい先細りになってしまうのではないかということ。

さらにガスに変わるエネルギーによって単価が下がってくる可能性があるということ。のふたつが不安な要素ということです。

このようなことは、この業界だけではなくいろんな業界が抱える問題でもあります。

 

2つ目の悩みは自分の考えや方向性を社員が理解してくれていないのではないか。ということです。

この悩みは引き継いでしばらくすると多くの後継者の方が陥る悩みです。特にやる気があって自社を成長させていきたいという想いが強い社長ほど悩みます。

 

2つの悩みを聞かせていただいた後、「社長の会社は何のために存在していますか?その想いを表現するような企業理念はありますか?」と聞いたところ

 

「お客様や地域に貢献したいという想いはありますが、言葉にはしっかりしていません。」という返答でした。

 

そこで、別日に1日かけて企業理念を策定していきました。ちなみに企業理念は1日でできるものでは

ありません。また、社長が一人で作るよりも社員と一緒に作っていったほうがいいものです。

今回はたたき台という意味で、社長が大切に思うキーワードを出していき、何のために存在したいのかを考えていかれました。明文化するというのは簡単なようでなかなか大変なのですが、ああでもないこうでもないと理念作成を進め、最終的にぬくもりというキーワードを使った企業理念のたたき台が出来上がりました。

 

その企業理念のたたき台を自社に持ち帰り、社員を交えて企業理念について話し合いを行い、自分たちが何をやっていくかを毎月話し合う場を設けて進んでいっています。

 

後日、社長からこんな感想をもらいました。

 

「うちみたいな小さい会社が理念とかをつくるのは何か抵抗がありましたが、実際にたたき台を作って社員の皆と話すといろいろと意見が出てきますし、そんな場を共有することで全体のモチベーションも上がってきているんです。今まで、皆が言うことを聞いてくれていないと感じていたのは、何のためにをしっかり伝えて、一緒に考える時間をもたなかったからなんだと分かりました。

また、企業理念に沿って考えると既存のガス販売だけではなく新たなサービスやエリアへの展開もできるのではないかという考えも生まれてきました。気持ちがずいぶん楽になり、前向きになりました。頑張ります!」

 

つまりは大きかろうが小さかろうが企業である限りは必ず企業理念はなくてはならないものなんです。そして企業理念があることで自社に大きな大黒柱ができ、会社が存在し続ける限りそこに集う人たちの礎になるのではないでしょうか?

 

後継者の学校では企業理念の作り方や必要な要素、企業理念を用いたマネジメント手法を学ぶことができます。現在、後継者の学校は東京校、大阪校、熊本校の全国3ヶ所で開催される予定です。

プレセミナーも各地で開催していますのでお気軽にご参加されてみたら宜しいかと思います。

 

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実録 事業承継~継ぐべきか継がざるべきか③~

事業承継は敷かれたレールに乗っかるだけではうまくいきません。それは何となく分かっているけど具体的にどうしていいか分からないまま時間だけが過ぎていく。そんな状態に陥っていませんか?継ぐべきか継がざるべきか、どこかで判断をしなければ、前に進めません。とはいえ、事業承継って多くの人が経験するものでもないし、誰に相談しても明確な答えも返ってこないし、どうしていいか分からないまま「悩んでいてもしかたない!ここは覚悟を決めて…えいやっ!継いでしまえ」。こんなお話、実は結構あります。でも継ぐ前に押さえないといけないポイント、明確にあるんです。

後継者の学校大阪校を担当しております税理士の河合由紀子です。

実家が事業をしているけれど、継ぐべきか継がざるべきか悩まれている方、結構いらっしゃいます。そして、「なんとなく」とか「当たり前だと思って」代表に就任してしまうパターンが結構あります。本日は、前回に引き続き、事業を継ぐべきか継がざるべきか判断する際の具体的な方法をお伝えします。

 

契約書って見たことありますか?

事業をしていると、様々な契約を結んでいます。

例えば事務所や工場が賃貸物件であれば、賃貸借契約、仕入先、得意先との取引に関する基本契約、大切な機器のリース契約、金融機関から借入をしている場合には借入に関する契約、従業員さんとの雇用契約などなどです。

これらは契約書として書面になっているものもあれば、口約束になっているものもあるかもしれません。人に関すること、お金に関すること、取引に関すること、モノ(有形・無形)に関すること、といった分類でそれぞれの契約をチェックしていってみましょう。

 

なぜ契約のチェックがいるのでしょうか?

以前のブログで、会社の実態を数字から把握していくことが、事業承継をするかしないか判断する際の一つのポイントになるとお伝えしました。しかし、決算書や総勘定元帳や請求書や領収書を見ても、掴めないものがあります。

例えば主要工場が賃貸物件で、あと3年で契約期間が満了するという契約になっていて、契約は更新されないという約束になっていたとすると、後継者が継ぐと決めるなら、3年後には移転しなければならないということを頭に入れておかなければなりません。そして、移転するための費用はどれくらいかかるのか、それにより財務面はどうなるのか知っておかなければなりません。また、書面上は契約の更新はしないとなっていても、交渉により更新できる可能性があるのかについても早めに探ることもできます。

他にも、例えばリース契約を結んでいたとすると、残り何年間でいくらの支払が必要なのか、帳簿上に出ている場合と出ていない場合がありますので、その総額を把握する必要があります。

一例をあげましたが、詳細に帳簿の内容を把握しても、帳簿には載っていないリスクが隠れている場合があります。継ぐか継ぐのをやめるか判断する際には、こういったリスクを改めて整理して把握することが重要です。普段当たり前のように思っていて、気にしていなかったことも、実は経営をしていく上でとても重要な事柄があります。それを整理し、リスクを把握するためにも契約書(契約書がない契約についても)のチェックは必須です。

 

後継者の学校では、このようなテクニックではなく押さえるべきポイントをしっかり理解し、実践に移していただける仕組みがたくさん入っています。

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歴史に学ぶ後継者経営 ブレーンの効用

私主に日本の歴史から後継者経営に学べる題材をとって、皆さんと一緒に後継者経営とは、を考えて参りたいと思います。その第二回目は、江戸時代のブレーンについて、その効用とは。

 

後継者の皆様

 

後継者の学校パートナー、石橋治朗です。

 

私はこのブログを通じて、事業承継はどのようにすればうまくいくのか、後継者経営にはなにが大切なのだろうか、創業者経営とはなにが違ってくるのかについて、主として日本の歴史を題材にして皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。

 

二回目となる今回は、徳川幕府におけるブレーンの効用について、です。

 

後継者の学校パートナーである高濱さんも書かれておられましたが、後継者にはいい相談相手がなかなか見つからないですよね。「悩みの総合商社」である後継者の方々には、その悩みを聞いてくれる相談相手が本当は必要なはずですが。

 

でも後継者だけではなく、そもそも経営者って孤独な存在ですよね。わたしはよく、経営者の方を賞賛する(要するに「ほめる」のです)のですが、皆さん本当に喜んでくださいます。考えてみれば、会社にほめてくれる社員はいませんし、いたとしたら逆に変な社員ですよね。でも、経営者は本当は、承認を人一倍求めておられるのです。そう、わかってもらえないのは、経営者も後継者も同じなのですね。たとえわかってもらえなくても、社員のために奮闘される姿に心打たれるのですが。

 

わかってもらえない、孤独な存在であることは、徳川幕府の将軍も同じでした。なにしろ、将軍は生きている限り、日本に一人しかいないのですから、これ以上の孤独な存在はありません。

しかし、徳川幕府の歴代の将軍は、その孤独を解消するための存在を自分の身近に置きました。いわゆる「ブレーン」です。

 

徳川将軍のブレーンとしては、

初代将軍 徳川家康には本多正信

3代将軍 徳川家光には堀田正盛・中根正盛

5代将軍 徳川綱吉には牧野成貞・柳沢吉保

6代将軍 徳川家宣には新井白石

9代将軍 徳川家重には大岡忠光・田沼意次

などが有名です。

 

徳川家康にとっての本多正信は、「謀臣」「軍師」のような存在ですが、家光以降はブレーンとしての性格が強くなってきます。

彼らは「老中」(首相のようなものです)のような公式な職階に就いている者もいましたが、「側用人」という将軍の意向を老中に伝える、非公式的な職階である者が多かったようです。将軍付のスタッフ、いわば秘書のような存在ですね。

出自も決して譜代の家柄からではなく、将軍の幼年時代に「小姓」(遊び友達のようなものでしょうか)に選ばれた者や、その優れた能力を見込んで将軍が自ら抜擢した者など、それほど家柄が高くはないが、能力が高く将軍との相性がいい者が優先的に選ばれました。

 

それらブレーンの主な役割は、

①    将軍の話し相手になること(悩みを聞くこと)

②    将軍の考えを老中などに伝えること

③    将軍に代わって政治を執り行うこと(もちろん、将軍の意向に沿った政治)

などでした。

 

ほとんど将軍じゃないですか(笑)

 

ブレーンが選ばれる理由は、将軍とラポール(共感)を築いて話ができること、将軍がやりたい政治を提案できること、将軍の意向を老中たちに伝えることで、将軍のやりたいことを彼らに強いることができること、です。老中に反対されることなく、将軍の意向を通せるからですね。いわゆる「申し伝える!」「上意である!」です。

いわば、将軍の独裁を強めるような弊害もあったようです。

 

ただ、このブレーン制度には、以下のような利点があると私は考えます。

 

①    将軍と相性がいいため、悩みの相談相手になれること

②    家柄にとらわれないため、能力が高い者が選ばれること

③    特定の名門が優遇されることがないので、将軍家の統治基盤のバランスを崩すことがない

④    将軍一代限りの存在であるため、将軍が替われば「切る」ことができる

⑤    たとえその政治が失敗しても、ブレーンにその罪を着せることができる(将軍に傷がつかない)

 

つまり、単に将軍の悩みを聞くだけではなく、いろいろな意味で将軍の地位を守るためにできている制度なのです。

ある意味、便利で使い捨てられる存在(田沼意次などはその代表例として有名ですね)とも言えるのですが、しかし地位の低い者でも能力が高ければ、側用人に抜擢されて存分にその力を発揮できたのです。

 

このブレーンという制度、現代の経営者や後継者にも応用できると思うんですよね。

ただし、この場合はできるだけ、社内から選んだり社外から雇ったりするのではなく、多少の費用がかかったとしても外部の専門家などを使った方がいいと思います。

 

なぜなら

①    経営者や後継者と相性のいい相手を選べること

②    能力の高い者を自由に選べること

③    外部なので、会社内の人間関係に影響を与えることがない

④    相性が悪かったり能力が低かったり、また情勢が変わって不要になれば契約解除できる

からです。

 

今は、いったん社員を雇ってしまうと、辞めてもらうのが難しい時代です。その点、外部の専門家は気に入らなければ割と簡単に契約解除できますね。こう言うとドライすぎるかもしれませんが、自分に適した相手と巡り会うのはおいそれとはいかないのが実情です。それなりに手間と時間とお金がかかりますから、ある程度割り切って考える必要があると思います。

 

わたしたち後継者の学校パートナーにも、ブレーンとして優れた方がたくさん揃っていると自負しております。

江戸時代の孤独な将軍の負担を減らすための知恵、現在にも生かしてみませんか。

 

ブログを読んで興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非後継者の学校の説明会にご参加下さい。

その前に、まず後継者インタビュー(無料)を受けてみて下さい。時間はそれほどかかりません。だいたい、30分~1時間ほどです。

事業承継に関する自身の悩みが整理され、すっきりすると好評です。お気軽にお問い合わせいただければと思います。

 

後継者の学校

http://school-k.jp/

後継者にまつわる小説あれこれ(その5)

後継者の学校パートナーで司法書士の木村貴裕です。

小説は気軽に読めて、でも何か気づきを得たり、力がわいてくることってありますよね。

ほんの少しでもそのようなものを感じてもらえるものをこれから少し紹介したいと思います。

後継者の学校パートナーブログですので、もちろん後継者や事業承継に関するものを。

 

後継者の学校パートナー司法書士の木村貴裕です。

私は移動の時間はもっぱら読書にあてております。

地下鉄に乗ることが多く外の景色を眺めても面白くもなんともないという理由もありますが。

 

経営書ではなくあまり肩のこらない小説ばかりなのですが、結構事業承継にからむ話もあります。

後継者や後継者候補の方に何か少しでも感じてもらえるものがあればと思い、今まで読んだ中から、後継者や事業承継に関係するものを何冊か紹介します。

 

今回紹介するのは、

 

「極楽カンパニー」原宏一 著(集英社)

 

「天下り酒場」など著者の作品を数冊を立て続けに読んで、「握る男」がちょっと事業承継ともいえる話だったのですが、今回はこの小説を取り上げたいと思います。

書店員さんが火を付けた作家さんということのようで、書店員さんありがとうございます。重版され面白い小説を手に取ることができるようにしてくれて。

 

定年後、暇をもてあましていた主人公が、意気投合したもう一人の定年退職者と「会社ごっこ」を始めて、それがやがて全国的な広がりをみせていく、という話。

なんかこの要約ではあまり内容がわかりませんよね。

まぁそれは皆さんが手に取ってみてのお楽しみとしておきましょう。

 

この小説からは、「企業理念」を取り上げたいと思います。

 

創業者?の二人は、まず企業理念を作ることから始めます。

「ごっこ」らしい企業理念ですが、主人公は以後忠実にそれに従って会社を経営していこうとします(経営と言ってもあくまでも「ごっこ」ですが)。

 

あなたの職場に企業理念というものはありますか。

無いところも多いのではないでしょうか。

ここでは特に無いといけないという話をするつもりはありません。

無くても事業活動にさほど影響がないこともあるいでしょうし、例えあったとしても、実際とかけ離れてしまっているということもあるかもしれません。

 

創業者のもとでは、創業者の考え、指し示す方向がそもそも会社の指針であり、従業員はそれに従い一つにまとまって行動するという形でしょう。

 

しかし、事業承継したばかりの後継者に同じような求心力があるかというと、なかなか難しいものがありますよね。

 

そんな後継者経営においては、企業理念が重要になってくると思います。

企業理念として、その会社の存在意義、不易なる価値を見いだし掲げることにより、皆が一つの方向を向いて行動に移していくことができるからです。

 

もちろん、後継者が独りよがりで考えたものでは、皆がそっぽを向いてしまう可能性もありますので注意が必要です。

 

小説のごっこ会社はバカバカしいくらい様式にこだわります。ごっこだから当たり前ですが会議のための会議など、現実では無駄だと切り捨てられている行動もきちんとします。

 

そして、「現実の社会ではただのお題目になってしまっている企業理念も、額面どおりに実現する会社にしよう」と話し合います。

現実の会社は理念の実現を目指して行動していないと皮肉っています。

 

後継者が企業理念に取り組む際には、その前提として現状把握も必要になるでしょう。

地に足の付いていない理念を掲げても、誰も納得しませんし求心力は生まれません。

 

それにより組織が活力を持ち、その実現のために行動できるものであるべきだから、一朝一夕ではできないかもしれませんが、企業理念の再構築には取り組むべき価値があります。

 

最後に、著者の特徴は、荒唐無稽な設定から、いつの間にやら妙な現実感を伴って話に引き込まれる話の運びにあります。

一度手にとってみて下さい。

 

この話が少しでも何かのきっかけになれば幸いです。

 

ちなみに、いま後継者の学校プログラムベーシックコースが4月から開講しますので、

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ベーシックプログラムについてはこちらをごらんください。

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将来輝く後継者のみなさまに出会えることを楽しみにしています。

また、当プログラムの卒業生の経営者の仲間もみなさんが参加して仲間になっていただくことを心待ちにしておりますので、

一度セミナーに来ていただければと思います。

 

 

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2代目が、父親よりも会社を上手く経営する8つのポイント その③

後継者の学校パートナーで社会保険労務士の千野康幸です。

あんた背中が煤けてるゼ

現状を把握せよ!

己を知り、敵を知れば百戦して危うからず

根拠のない自信は、認めません!

 

みなさん

ダメです。

ダメダメです。

また時間を空けてしまいました。

ホントすんません。

 

2代目が、父親よりも会社を上手く経営する8つのポイントと言うタイトルで書かせて頂いております。

前回はポイント②として「覚悟のススメ」!について書きました。

自分のすべては己の力であると自覚し、どう生きるか覚悟をするという内容でした。

 

さて、今回はポイント③として、現状把握をせよ!をお伝え致します。

 

さてみなさん、根拠のない自信ってありません?

 

大丈夫!

人生何とかなるさ!

 

ポジティブな感じで!!

明日を憂い立って仕方ないさ!

歌でも唄おう!キリギリス的な・・・

 

バカヤロー

戦場で油断した奴は命を落とす!

と、赤い彗星も言っています。

 

 

みなさんは何か目標を持っていますか?

その目標を達成するために、まず何が必要でしょう?

 

例をあげて考えてみましょう!

例えばダイエット

10㎏痩せたい・・・

 

10㎏痩せるのにまず必要なものってなんでしょうね。

まず必要なのは・・・

現在の体重が何㎏なのかです。

 

え?

わかっている?

だからマイナス10㎏なんだ?

ホントに?

 

では質問を変えましょう。

そもそもなんでダイエットする人はなぜ、ダイエットしたいんでしょうね。

痩せたい理由・・・

健康のため?

いやいや本当はモテるためでは?

まあどちらでも良いのですが、健康のためとしましょうか。

ダイエットをして今より健康になるためには、

どんな体形になるべきなんでしょうか?

そして今より健康になるために減らすべき体重は?

主観では言えますよね。

〇㎏と。

 

ですが、本当に健康のことを考えたら、

ベストな体重ってあるはずなんですよ。

 

では、それは何㎏なのか・・・

その答えは、あなた自身にあります。

今の健康状態はどうなっているか?です。

 

そもそも、健康のためにダイエットって言いますが、

現在の健康状態では何㎏減量、増量しなければ

ならないって知ってますか?

まぁ、実際は正確に〇㎏ではなく、〇㎏~〇㎏になってしまうのでしょう。

 

また、モテるために痩せたいって、何㎏なんでしょう?

あなたが素敵に見える体重、筋肉の付き具合、

または、意中の人が好む体形・・・

 

目標を達成するためにどうなるべきなのか?

があるはずなのです。

 

つまり、何が言いたいかというと

何か目標を達成するためには、

現状を正確に知って、どの様な状態になれば良いのかを

知る必要があるということです。

 

特に会社経営では正確に現状を把握する必要性があります。

例えば、来週までにいくら現金が必要か?

この金額を1円でも間違えれば、倒産することだってあるんですよ!

 

また、計画をよく練らずに取り敢えず見切り発車したプロジェクト!

もし見積りの数字が間違っていたとしたら?

笑えないでしょうね。

 

世の中の会社経営がうまく行かない殆んどは、

現状をキチンと把握していないからです。

 

現状把握の精度が高ければ、打つ手も間違いにくい。

現状把握が間違っていればいるほど、打つ手も間違い、

間違った打ち手は時として会社経営に致命傷を負わせるのです。

 

もし、みなさんがこれから会社継ぐとしたら、

会社の現在の状況を正確に知ることなく会社継ぎますか?

よくよく分析すると、倒産間近で社長になり、連帯保証人になって

多額の借金を負うとしても?

 

また、既に継いでしまって未だ会社の状況が良くわからない方、

本当は、倒産に近づいているのに会社の命運を的外れな手法で

運営していないと言えますか?

 

なんとかなるさ~

それはポジティブな発想ではありません。

現状から目を背けているだけです。

 

ポジティブとは、現状を把握しその状況のなかで

決して目標を諦めないマインドを言います。

 

面倒くさがって「今」を見つめない人のことではありません。

 

会社経営には現状把握を真剣に考えなければなりません。

現状把握しないで経営することは、

広い海で現在地も分からずに

海図も羅針盤もなく、航海するのと同じです。

 

みなさん、これから会社を継ぐ方も

もう継いだ方も

今のあなた自身の現状を把握しましょう!

 

では

また次回お会いしましょう。

ちなみに、いま後継者の学校プログラムベーシックコースが4月から開講しますので、

東京校では、その直前の2月と3月にですので公開セミナーを実施しています。

無料でご案内しておりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

 

公開セミナーは詳しくはこちらをごらんください。

http://okawara.wix.com/school-k-program

 

ベーシックプログラムについてはこちらをごらんください。

http://okawara.wix.com/school-k-program#!blank/acty5

 

将来輝く後継者のみなさまに出会えることを楽しみにしています。

また、当プログラムの卒業生の経営者の仲間もみなさんが参加して仲間になっていただくことを心待ちにしておりますので、

一度セミナーに来ていただければと思います。

 

 

後継者の学校プログラムの内容について気になる方は、下記から詳細をご覧ください。

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http://school-k.jp/program/

 

プログラム参加はちょっとなあ・・・という方は、

まず、後継者インタビューを受けてみてはいかがですか?

無料で受けられて、気持ちがすっきりするとのお声をいただいております。

後継者インタビューについては下記から詳細をご覧ください。

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http://school-k.jp/interview/

許認可事業者の事業承継

後継者の学校パートナーで弁護士の佐藤祐介です。

事業承継をする際,意外と見落としがちなポイントがあります。それは,事業に対する許認可です。これを見落としてしまうと最悪の場合,事業承継を断念せざるを得ないことにもなりますので,注意する必要があります。

事業承継をするにあたっては,後継者の方が,自分自身と向き合ったり,継ぐべき会社と向き合ったりして継ぐ覚悟を持たなければならない。そして,後継者の方が主体的に事業承継に取り組んでいかなければならない。表現は違えど,後継者の学校のパートナーそれぞれが,各ブログで同趣旨の内容を書いてきたと思います。

ただ,上記覚悟だけでは超えられない壁があります。

少し大げさかもしれませんが,その壁の一つに許認可があります。意外に見落としがちなので,今回はこれをテーマにしたいと思います。

さて,特定の事業を営む際には,行政手続を経て許認可を受けなければならないことがあります。たとえば,私の実家は酒類販売業を営んでいますが,その場合,税務署長の免許が必要になります。

このような許認可は,その事業主体に対して与えられるものですので,原則として別の事業主体に承継されることはありません。もっとも,例外的に承継が認められることがありますので,その場合は法律に定められた手続きをすることで,承継をすることが可能です。そして,この手続は,各業種ごとに様々な違いがあるので,コストやスケジュールをしっかりと把握して対応していく必要があります。簡単な例をあげれば,個人事業主を前提としますが,建設業の場合は,相続によって単純に承継することは出来ないのに対し,旅館業は相続による承継が可能です。事業承継をしたものの,無許可等の期間が生じてしまい,取引ができなくなったということは避けたいですよね。

なお,後継者の学校では,今回私が書いた問題点に限らず,広い視点から,後継者が事業承継をするにあたり注意しなければならないポイントを分かりやすく学ぶことができます。興味のある方は,お気軽にHPをご覧になったり,各パートナーにお声がけいただければと思います。

また,後継者の学校では,各パートナーが後継者となる又は今後なるかもしれない方々に,無償で「後継者インタビュー」というものを行っています。

(詳しくはhttp://school-k.jp/interview/ をご覧ください。)

後継者の方々にとって「気づき」の場面となるとして,これまでに多くの方々から好評をいただきました。こちらも興味が湧いた方は,お気軽にインタビューをご検討ください!

後継者主導の事業承継を成功に導く